2018年全国マンション市場動向②【意外(?)にも中堅デベが躍進した1年】

先日の記事の続きで、不動産経済研究所発表の2018年の全国マンション市場動向における、デベロッパー別の発売戸数を見ていきます。

2018年全国マンション市場動向①

1位:住友不動産 7,377戸(前年1位)
2位:プレサンスコーポレーション 5,267戸(前年2位)
3位:野村不動産 5,224戸(前年3位)
4位:三菱地所レジデンス 3,614戸(前年5位)
5位:三井不動産レジデンシャル 3,198戸(前年4位)

というトップ5になりました。

トップ5は三菱地所と三井不動産に入れ替わりがあっただけで大きな変化はありません。
2017年にプレサンスが2016年の4位から2位に躍進したのはちょっとした驚きでしたが、首都圏の供給戸数は今年も11戸(昨年は28戸)しかなく市況が好調な近畿圏を主戦場としていることが大きく影響した結果と言えるでしょう。
大手デベ相手にここまで食い込むこと自体が凄いことなのは間違いありませんが。

また、三井不動産の元気のなさが少し気になるところではありますが、物件の立地・スケール・話題性では相も変わらずNo.1だったと思いますし、土地の取得を都心部の好立地にある程度絞っているがゆえの結果ということも言えるのではないでしょうか。

ちなみに、三井不動産(首都圏物件比率約83%)は、野村不動産(約70%)、三菱地所(約72%)と比べ全体に占める首都圏での供給比率が高く、近畿圏や地方都市での供給が少ないことも全体での供給戸数が今一つとなっている原因と言えるでしょう。

住友不動産はダントツで1位ながら首都圏比率も約84%という高い水準を達成しているのが凄いと思うのですが、年末にシティタワーズ東京ベイシティタワー銀座東などをメインとして700戸程度の大規模な先着順での供給を行っており(早期に売れるアテのないもの)、その分だけ多くなっているという側面もあります。
デベロッパーごとの契約戸数や契約率(初月)まで発表されるととっても面白いのですがデベロッパーの多くは反発するでしょうから無理でしょうね…。

さて、例年恒例のBIG4シェアも計算してみましょう。
2018年は約24.2%(=19,413÷80,256)と、2017年の約24.8%から少し減少しましたが、2015年の23.4%、2016年の22.9%に比べるとまだ高い水準を維持しており、依然として引続き大手の強さを感じます。

ただその一方で、事業主別発売戸数の上位20社ぐらいまでを見てみると異なる印象がありますね。
上位20社のシェアは2016年が約51.3%、2017年が約56.1%%であったのに対して、2018年は約58.5%と顕著な上昇傾向にあり、20位のデベロッパーですら年間供給戸数が1,000戸を超えているあたりからもその様子が強く窺えるものになっています。

これは、大手が伸び悩みを見せる中、中堅デベロッパー(エリアによっては大手と言ってもいいぐらい)が存在感を高めている状況と言ってよいでしょう。

こういったマンションの売れ行きが悪いご時世は、ブランド力や資金力で勝る大手が最も有利になるイメージなのですが、中堅デベがそういった財閥系大手とJVしているケースがより増えているように感じますし(供給戸数はプロジェクトの各社持分により案分される)、経済状況が不安定な中、大手も含めた各社が上手にリスク分散したことが端的に表れた結果と言えるのかもしれません。

最後にこれまた恒例、6位以下の気になるデベロッパーはこちらになります。

タカラレーベン(10位⇒8位)
新日鉄興和不動産(19位⇒10位)
阪急阪神不動産(12位⇒11位)

タカラレーベンは8位までランクアップしているのも凄いですが、供給戸数の増加率はそれ以上のインパクトがあります。
一昨年の1,204戸⇒1,467戸⇒1,873戸と大躍進中で、実際、物件を見かけることがかなり増えてきているように思います。
昨年から新ブランドであるコンパクトなネベルシリーズの供給が始まりましたし今後も要チェックですね。

新日鉄興和不動産もかなり躍進しています。昨年2014年以来のギリギリベスト20入りを果たしたと思ったら、2018年はなんとベスト10にまで食い込んできました。リビオシティ・ルネ葛西の貢献度が大きいとは言え、853戸⇒1,539戸ですから凄いですね。
こちらもデザイン性に富んだコンパクトなリビオレゾンシリーズが印象的で、このご時世に供給数を増やすとなるとやはりコンパクト性を高めるのは必須と言えそうです。

最後、阪急阪神不動産(昨年までは阪急不動産)ですが、1,164戸⇒1,459戸とこちらもなかなかの増加率です。
こちらはコンパクトな供給は目立たずジオグランデ代々木の杜ジオ高輪ジオ元赤坂など、都心一等地での供給が引き続き目立った中での大幅増ですのでこちらも大躍進と言って良いでしょう。

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