渋谷区・新宿区・目黒区・文京区のマンション相場【2017年市場動向フィードバック③】
本日は渋谷区・新宿区・目黒区・文京区の都心3区に次ぐ高額エリアの2017年の動きをフィードバックしてみます。
※23区内の全体感などは以下をご参照下さい。
⇒2017年全国マンション市場動向①【価格上昇は値引きと億ションの影響が強い】
⇒2017年に都区部の平均単価が上昇した最大の要因とは?(2017年マンション市場動向フィードバック①)
不動産経済研究所が発表している4区の数字はこんな感じで、

さらに、2005年以降の平均単価の動きをグラフで表すとこんな感じになります。

※いずれの結果にもいわゆるワンルームマンションは含まれておりません。
・渋谷区【港区に次ぐ高値安定。やはりプレミアム住戸ニーズは旺盛か】
2017年は2016年から105%と単価を伸ばし、千代田区に肉薄する23区中3位になりました。
渋谷駅周りの再開発の影響も少なくなさそうですが、そもそも中央区同様で近年の職住近接の都心回帰の影響が色濃く出ていると思います。
専有面積の前年比は102%でしかありませんが、2010~2012年と比べた平均専有面積の上昇率は117%と高く、この上昇率は23区中No.1になります。
渋谷区は広尾・代官山・松濤・恵比寿などの人気の高級住宅街を抱えていますし、マンションにおいても港区同様に2000年代には平均専有面積80㎡前後を記録している時期もありましたので、一時期低下したことによる単なる反動と取れなくもないのですが、港区までは行かないまでもやはり「プレミアム住戸(ゆとりある面積帯だが単価もベラボーに高い)」のニーズが旺盛なエリアなのは間違いないところですね。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ブリリアタワー代々木公園クラッシィ
シティタワー恵比寿
パークコート代々木初台
・新宿区【価格は横ばい、顕著な上昇を経ての反動か】
2017年の単価は23区中4位ですし、今回の価格高騰期の上昇率は2位とやはり新宿区の数字からも都心回帰が進んでいることが伺えますが、2016年から価格は横ばい推移(14位)になっていますし、2016年と比べると専有面積にも低下傾向が見られ、若干の頭打ち感が出ています。
ただ、 新宿区も中央区同様に近年の都心回帰トレンドにより近年専有面積の上昇傾向が顕著だったエリアの1つで(2010~2012年と比べると107%増)、そういった反動もあってのものだと思うので、今年の結果だけで頭打ちと考えるのは早計でしょう。
2005年以降の坪単価の推移を見ても新宿区は他の3区に比べ2016年の上昇率が高くなっており、2017年の横ばいで他の区とようやく同じぐらいの上昇率になった感じですしね。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ウエリス新宿早稲田の森
ガーデンヒルズ四ツ谷迎賓の森
ジオ四谷三栄町
ジオ新宿若松町
・目黒区【渋谷区同様好調な数字だが、面積はかなり狭小化?】
渋谷区のお隣であり、イメージ的にも近いものがありますので、似た結果になっています。
渋谷区に比べると当然価格は一段下ですが、それでも23区中5位と高水準ですし、価格面の動きは渋谷区に本当によく似ています。
ただ、渋谷区と異なるのは専有面積ですね。2016年からの変動は渋谷区同様ほぼ横ばいですが、近年は結構コンパクト化の波が訪れており、ここ数年でかなり小さくなっています。2017年の平均専有面積は23区中18位の約59㎡という水準になりますね。
山手通り沿いで住不さんが次々とコンパクト目の供給を行っている影響もあるのかな…。
※山手通り沿いなのでコンパクト目の供給が多くなるのは仕方ないとは思うのですが、住不さんらしい同じようなコンセプトの物件ばかりなのはちょっとねぇ…。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ザ・マジェスティコート目黒
ディアナコート都立大学
・文京区【悪い数字ではないが、専有面積は54㎡に…】
2017年は目立った大規模供給がなかったとはいえ、どちらとも言えない地味な結果になっています。もともとタワマンが立ちにくいエリアでそもそも大規模供給が少ないエリアなので今年に限ったこととも言えないわけですが…。
価格は前年比で104%の9位とまずまずですが、専有面積は台東区の81%に次ぐ87%とかなりの縮小傾向にあり、それだけ面積を絞ったにもかかわらず価格が微上昇なので「実質的には下落している」という表現が適切なのかもしれません。
文教エリアを多く抱えながらも文京区はもともと平均専有面積が小さめのエリアですので、今に始まったことではないのですが、さらに狭小化が進んだことで2017年は約54㎡まで小さくなっており、デベロッパーの方々はもう少しゆとりあるプランを心掛けて欲しいなと…。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ザ・パークハウス本郷
パレステージ文京江戸川橋
◎渋谷・新宿・目黒・文京の総評
都心部がほとんどになるこれら4区は、港・千代田・中央同様にここ数年、高値及び高上昇率を記録していますが、2016年⇒2017年の傾向を見る限りでは、これら4区は「港>これら4区>千代田・中央」という位置にあるようです。
パークコート青山ザ・タワーの影響が色濃くでた港区ほどの勢いこそありませんが、これら4区は古くから人気の住宅街などを多く抱えているためか、都心回帰により近年ニーズが高まってきた千代田・中央などと比べると反動が出ておらず安定感があるような気がします。
特にその傾向が強いのは渋谷・目黒で、2016~2017年の都心部に限って言えば「もともと人気のあったエリアがさらに高い評価を受けた」という表現が適切になりそうですね。
※23区内の全体感などは以下をご参照下さい。
⇒2017年全国マンション市場動向①【価格上昇は値引きと億ションの影響が強い】
⇒2017年に都区部の平均単価が上昇した最大の要因とは?(2017年マンション市場動向フィードバック①)
不動産経済研究所が発表している4区の数字はこんな感じで、

さらに、2005年以降の平均単価の動きをグラフで表すとこんな感じになります。

※いずれの結果にもいわゆるワンルームマンションは含まれておりません。
・渋谷区【港区に次ぐ高値安定。やはりプレミアム住戸ニーズは旺盛か】
2017年は2016年から105%と単価を伸ばし、千代田区に肉薄する23区中3位になりました。
渋谷駅周りの再開発の影響も少なくなさそうですが、そもそも中央区同様で近年の職住近接の都心回帰の影響が色濃く出ていると思います。
専有面積の前年比は102%でしかありませんが、2010~2012年と比べた平均専有面積の上昇率は117%と高く、この上昇率は23区中No.1になります。
渋谷区は広尾・代官山・松濤・恵比寿などの人気の高級住宅街を抱えていますし、マンションにおいても港区同様に2000年代には平均専有面積80㎡前後を記録している時期もありましたので、一時期低下したことによる単なる反動と取れなくもないのですが、港区までは行かないまでもやはり「プレミアム住戸(ゆとりある面積帯だが単価もベラボーに高い)」のニーズが旺盛なエリアなのは間違いないところですね。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ブリリアタワー代々木公園クラッシィ
シティタワー恵比寿
パークコート代々木初台
・新宿区【価格は横ばい、顕著な上昇を経ての反動か】
2017年の単価は23区中4位ですし、今回の価格高騰期の上昇率は2位とやはり新宿区の数字からも都心回帰が進んでいることが伺えますが、2016年から価格は横ばい推移(14位)になっていますし、2016年と比べると専有面積にも低下傾向が見られ、若干の頭打ち感が出ています。
ただ、 新宿区も中央区同様に近年の都心回帰トレンドにより近年専有面積の上昇傾向が顕著だったエリアの1つで(2010~2012年と比べると107%増)、そういった反動もあってのものだと思うので、今年の結果だけで頭打ちと考えるのは早計でしょう。
2005年以降の坪単価の推移を見ても新宿区は他の3区に比べ2016年の上昇率が高くなっており、2017年の横ばいで他の区とようやく同じぐらいの上昇率になった感じですしね。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ウエリス新宿早稲田の森
ガーデンヒルズ四ツ谷迎賓の森
ジオ四谷三栄町
ジオ新宿若松町
・目黒区【渋谷区同様好調な数字だが、面積はかなり狭小化?】
渋谷区のお隣であり、イメージ的にも近いものがありますので、似た結果になっています。
渋谷区に比べると当然価格は一段下ですが、それでも23区中5位と高水準ですし、価格面の動きは渋谷区に本当によく似ています。
ただ、渋谷区と異なるのは専有面積ですね。2016年からの変動は渋谷区同様ほぼ横ばいですが、近年は結構コンパクト化の波が訪れており、ここ数年でかなり小さくなっています。2017年の平均専有面積は23区中18位の約59㎡という水準になりますね。
山手通り沿いで住不さんが次々とコンパクト目の供給を行っている影響もあるのかな…。
※山手通り沿いなのでコンパクト目の供給が多くなるのは仕方ないとは思うのですが、住不さんらしい同じようなコンセプトの物件ばかりなのはちょっとねぇ…。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ザ・マジェスティコート目黒
ディアナコート都立大学
・文京区【悪い数字ではないが、専有面積は54㎡に…】
2017年は目立った大規模供給がなかったとはいえ、どちらとも言えない地味な結果になっています。もともとタワマンが立ちにくいエリアでそもそも大規模供給が少ないエリアなので今年に限ったこととも言えないわけですが…。
価格は前年比で104%の9位とまずまずですが、専有面積は台東区の81%に次ぐ87%とかなりの縮小傾向にあり、それだけ面積を絞ったにもかかわらず価格が微上昇なので「実質的には下落している」という表現が適切なのかもしれません。
文教エリアを多く抱えながらも文京区はもともと平均専有面積が小さめのエリアですので、今に始まったことではないのですが、さらに狭小化が進んだことで2017年は約54㎡まで小さくなっており、デベロッパーの方々はもう少しゆとりあるプランを心掛けて欲しいなと…。
参考)2017年の主な供給(順不同)
ザ・パークハウス本郷
パレステージ文京江戸川橋
◎渋谷・新宿・目黒・文京の総評
都心部がほとんどになるこれら4区は、港・千代田・中央同様にここ数年、高値及び高上昇率を記録していますが、2016年⇒2017年の傾向を見る限りでは、これら4区は「港>これら4区>千代田・中央」という位置にあるようです。
パークコート青山ザ・タワーの影響が色濃くでた港区ほどの勢いこそありませんが、これら4区は古くから人気の住宅街などを多く抱えているためか、都心回帰により近年ニーズが高まってきた千代田・中央などと比べると反動が出ておらず安定感があるような気がします。
特にその傾向が強いのは渋谷・目黒で、2016~2017年の都心部に限って言えば「もともと人気のあったエリアがさらに高い評価を受けた」という表現が適切になりそうですね。
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