新築と中古の坪単価比較分析②【23区は西高東低?都心部は意外にも…】
先ほどの記事の続きで、年あたりの減価率を区ごとに計算していきたいと思います。
前回の記事⇒首都圏各エリアの新築価格と中古価格の比較
新築坪単価の推移(23区)

中古坪単価の推移(23区)

2016~2017年の数字を用いた年あたりの減価率(23区)

どうでしょう???
前回の記事でもちらっと述べましたが私的にもこの結果はちょっと予想外…。
普通に都心部へ行くほど年あたりの減価率が小さくなるものだと思ってました…。
2016~2017年の平均をとっているのでそこまで変な数字が出ているとは思いませんし、港区で言うとパークコート青山ザ・タワーのせいで新築の平均坪単価がえらく上昇した2017年以外もかなり低いパーセンテージなんですよね。
むろん最も重要なのは平均築年数が考慮された「年あたりの減価率」の数字なのでパーセンテージで論じるのはどうかとも思うのですが、なかなかに一貫性のない結果ですよね。
※23区は2017年の新築分譲マンションの平均坪単価が高い順に上から並べていますので、ざっくり言うと上にある区ほど「都心部」と言って良いように思います。
で、結果をざっくり書いてしまうと、年あたりの減価率が小さかった資産価値を保ちやすいと考えられる区は、以下の8区になります。
年あたりの減価率1.5%未満
① 品川区
② 豊島区
③ 目黒区
④ 中野区
⑤ 板橋区
⑥ 大田区
⑦ 渋谷区
⑧ 世田谷区
特に品川区はビックリですね。品川区は先日の新築の記事でも申し上げているようにここ数年の新築価格上昇率が23区中最下位になっており、新築の価格が不思議なほど伸びていない区であることが少なからず影響しているのでしょう。
年あたりたったの「1.13%」しか減価していないって驚異的でしょう…。
年あたりはゼロコンマ数%でも10年20年では非常に大きな差になることは言うまでもありません…。
その品川区を含む城南4区(品川区・目黒区・大田区・世田谷区)がすべてランクインしていますし、それ以外も杉並区と練馬区を除いた23区西寄りの渋谷区・豊島区・中野区・板橋区がランクインという状況なので、この2016~2017年の数字から資産価値を一言で表現するのであれば「西高東低」ということになるでしょうね。
ただ、個人的な経験や感覚から1つ付け加えておくならば、この西高東低の結果及び都心の体たらくには「いわゆるワンルーム投資マンション」が影響を与えているのではないかと思います。
上述のように中古のデータにはワンルーム投資マンションが含まれていますが、新築のデータからはワンルーム投資マンションは除外されています。
つまり、ワンルーム投資マンションが多く存在している区ほど実態とは異なる結果が出ている、投資物件の供給が盛んな都心部ほど結果にズレが生じている可能性が高いということです。
もちろん「ズレ」はどちらにも振れる可能性があるのですが、都心区に行けば行くほどいわゆるワンルーム投資マンションが実需物件ほどは高い評価をされにくい傾向があるはずで(中古においても400~500万円台が珍しくないエリアでもブランド力などがなくとかく利回りが重視される中古ワンルームマンションは400万円以上で取引されることは少ない)、都心区ほど中古単価の平均を下げる材料になっている可能性(あくまで「可能性」です)もあるのかなと。
最後に、パーセンテージ的には上位ながらも年あたりの減価率は特に良い数字にはならなかった中央区と江東区には明確な理由があるので言及しておきます。
こちらの2区は平均築年数が23区内でも非常に小さい、つまり、勝どき・月島・豊洲・有明などの湾岸エリアの中古タワマンの中古市場の売買が非常に盛んであり、そういった築浅物件が比較的高いお値段で取引されていることが表れた結果ということになります。
※タワマンは転売目的の投資家が数多く所有しているのでただでさえ売り出しが多くなりますし、高値で売れるために当初は実需で購入した方も築浅のうちに売り出して利確してしまうようなケースも少なくありませんので、タワマンは新築市場以上に中古市場の占有率が高く全体の数字に与える影響が非常に強くなるのです。
前回の記事⇒首都圏各エリアの新築価格と中古価格の比較
新築坪単価の推移(23区)

中古坪単価の推移(23区)

2016~2017年の数字を用いた年あたりの減価率(23区)

どうでしょう???
前回の記事でもちらっと述べましたが私的にもこの結果はちょっと予想外…。
普通に都心部へ行くほど年あたりの減価率が小さくなるものだと思ってました…。
2016~2017年の平均をとっているのでそこまで変な数字が出ているとは思いませんし、港区で言うとパークコート青山ザ・タワーのせいで新築の平均坪単価がえらく上昇した2017年以外もかなり低いパーセンテージなんですよね。
むろん最も重要なのは平均築年数が考慮された「年あたりの減価率」の数字なのでパーセンテージで論じるのはどうかとも思うのですが、なかなかに一貫性のない結果ですよね。
※23区は2017年の新築分譲マンションの平均坪単価が高い順に上から並べていますので、ざっくり言うと上にある区ほど「都心部」と言って良いように思います。
で、結果をざっくり書いてしまうと、年あたりの減価率が小さかった資産価値を保ちやすいと考えられる区は、以下の8区になります。
年あたりの減価率1.5%未満
① 品川区
② 豊島区
③ 目黒区
④ 中野区
⑤ 板橋区
⑥ 大田区
⑦ 渋谷区
⑧ 世田谷区
特に品川区はビックリですね。品川区は先日の新築の記事でも申し上げているようにここ数年の新築価格上昇率が23区中最下位になっており、新築の価格が不思議なほど伸びていない区であることが少なからず影響しているのでしょう。
年あたりたったの「1.13%」しか減価していないって驚異的でしょう…。
年あたりはゼロコンマ数%でも10年20年では非常に大きな差になることは言うまでもありません…。
その品川区を含む城南4区(品川区・目黒区・大田区・世田谷区)がすべてランクインしていますし、それ以外も杉並区と練馬区を除いた23区西寄りの渋谷区・豊島区・中野区・板橋区がランクインという状況なので、この2016~2017年の数字から資産価値を一言で表現するのであれば「西高東低」ということになるでしょうね。
ただ、個人的な経験や感覚から1つ付け加えておくならば、この西高東低の結果及び都心の体たらくには「いわゆるワンルーム投資マンション」が影響を与えているのではないかと思います。
上述のように中古のデータにはワンルーム投資マンションが含まれていますが、新築のデータからはワンルーム投資マンションは除外されています。
つまり、ワンルーム投資マンションが多く存在している区ほど実態とは異なる結果が出ている、投資物件の供給が盛んな都心部ほど結果にズレが生じている可能性が高いということです。
もちろん「ズレ」はどちらにも振れる可能性があるのですが、都心区に行けば行くほどいわゆるワンルーム投資マンションが実需物件ほどは高い評価をされにくい傾向があるはずで(中古においても400~500万円台が珍しくないエリアでもブランド力などがなくとかく利回りが重視される中古ワンルームマンションは400万円以上で取引されることは少ない)、都心区ほど中古単価の平均を下げる材料になっている可能性(あくまで「可能性」です)もあるのかなと。
最後に、パーセンテージ的には上位ながらも年あたりの減価率は特に良い数字にはならなかった中央区と江東区には明確な理由があるので言及しておきます。
こちらの2区は平均築年数が23区内でも非常に小さい、つまり、勝どき・月島・豊洲・有明などの湾岸エリアの中古タワマンの中古市場の売買が非常に盛んであり、そういった築浅物件が比較的高いお値段で取引されていることが表れた結果ということになります。
※タワマンは転売目的の投資家が数多く所有しているのでただでさえ売り出しが多くなりますし、高値で売れるために当初は実需で購入した方も築浅のうちに売り出して利確してしまうようなケースも少なくありませんので、タワマンは新築市場以上に中古市場の占有率が高く全体の数字に与える影響が非常に強くなるのです。
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