2018年全国マンション市場動向①【供給戸数は増えたが契約戸数は増えていないでしょう…】
2018年の全国マンション市場動向が不動産経済研究所により発表されました。
発売戸数は80,256戸(前年比3.7%増(2,893戸の増加))
1戸あたり価格4,759万円(前年比0.4%増、㎡単価は前年比2.4%増)
とのことです。
発売戸数こそ増えていますが、毎月の発売戸数の記事でコメントしているように2018年の初月契約率は本当にひどいものですので、感覚的には「横ばい」という印象がありますね。
首都圏で言うと、2017年も好調と言える初月契約率7割を超えたのはたったの3月だけでしたが、2018年に至っては1月だけしかなくほとんどの月で60%台半ば、そして11月に53.9%、12月に49.4%という壊滅的な数字を記録しています。
こちらも首都圏の数字にはなりますが、各年末の在庫数は、「2016年末7,160戸⇒2017年末7,106戸⇒2018年末9,552戸」と推移しており2016年末から2017年末にかけては大きな変動がなかったのですが、2018年末にかけては在庫が2,446戸も増えていることからも分かるように「契約戸数」で見るとほぼ「横ばい」ということにもなります。
なお、首都圏の供給戸数も前年比3.4%増となっており全国の数字と大差ないのですが、各県単位で見ていくと全体の数字とは異なる印象を持ちますね。
都下(前年比8.7%減)や神奈川県(3.8%減)はわりと大きく減少しており、都区部ですら0.4%減と前年よりも減っています。
都下の売れ行きの悪さ(契約率の悪さ)は2017年あたりから再三言及している通りなので驚きはないのですが、過去5年で首都圏全体の供給戸数に占める都区部の割合を計算してみると「46.3%⇒45.7%⇒41.3%⇒44.6%⇒43.0%」と推移しており、2018年は2017年ほど都区部の引き合いが強くなかったということが言えると思います。
価格を維持するためにデベロッパー側が供給を抑えているという側面もゼロではないと思いますが、別の言い方をすると売れるだけしか供給しない(要望書の入ったお部屋以外はほとんど売らない)ということでもありますし、実際、個人的な体感からしても億ション市場は2017年に比べかなり冷え込んできていると感じており、それが表れた結果なのかなと。
平均価格においては都区部は0.7%(単価では5.1%という高い伸び)と思った以上に伸びており、実際、億ションは売れ行きが悪くともまだ表面的には強気な水準を崩していないケースがほとんどなのですが、再三申し上げているように昨年末に分譲されたザ・コート神宮外苑やパークコート渋谷ザ・タワーはその立地や物件パフォーマンスからすると、予定価格⇒正式価格までの間にかなり現実的なお値段まで下がったお部屋があったように、少なくとも2018年後半においての上昇感は皆無です(価格を調整してもそれらのような超高額目玉物件が供給されていること自体平均単価を押し上げる要因になりますしね)。
なお、昨年の当記事で言及しているようにここで発表されている平均価格というのはあくまで「当初の販売価格」であり、「契約価格」ではありませんので(最終的に完成後などに値引きを行ってもそれが反映されることはない)、市況悪化による値引きが生じた物件の価格を考慮すると本当に価格が上昇しているのかどうかは微妙なところになるでしょうね。
次回は恒例のデベロッパー別の供給戸数を取り上げます。
今年も1位はあそこですが、かなり興味深い傾向も出ているのでお楽しみに~。
発売戸数は80,256戸(前年比3.7%増(2,893戸の増加))
1戸あたり価格4,759万円(前年比0.4%増、㎡単価は前年比2.4%増)
とのことです。
発売戸数こそ増えていますが、毎月の発売戸数の記事でコメントしているように2018年の初月契約率は本当にひどいものですので、感覚的には「横ばい」という印象がありますね。
首都圏で言うと、2017年も好調と言える初月契約率7割を超えたのはたったの3月だけでしたが、2018年に至っては1月だけしかなくほとんどの月で60%台半ば、そして11月に53.9%、12月に49.4%という壊滅的な数字を記録しています。
こちらも首都圏の数字にはなりますが、各年末の在庫数は、「2016年末7,160戸⇒2017年末7,106戸⇒2018年末9,552戸」と推移しており2016年末から2017年末にかけては大きな変動がなかったのですが、2018年末にかけては在庫が2,446戸も増えていることからも分かるように「契約戸数」で見るとほぼ「横ばい」ということにもなります。
なお、首都圏の供給戸数も前年比3.4%増となっており全国の数字と大差ないのですが、各県単位で見ていくと全体の数字とは異なる印象を持ちますね。
都下(前年比8.7%減)や神奈川県(3.8%減)はわりと大きく減少しており、都区部ですら0.4%減と前年よりも減っています。
都下の売れ行きの悪さ(契約率の悪さ)は2017年あたりから再三言及している通りなので驚きはないのですが、過去5年で首都圏全体の供給戸数に占める都区部の割合を計算してみると「46.3%⇒45.7%⇒41.3%⇒44.6%⇒43.0%」と推移しており、2018年は2017年ほど都区部の引き合いが強くなかったということが言えると思います。
価格を維持するためにデベロッパー側が供給を抑えているという側面もゼロではないと思いますが、別の言い方をすると売れるだけしか供給しない(要望書の入ったお部屋以外はほとんど売らない)ということでもありますし、実際、個人的な体感からしても億ション市場は2017年に比べかなり冷え込んできていると感じており、それが表れた結果なのかなと。
平均価格においては都区部は0.7%(単価では5.1%という高い伸び)と思った以上に伸びており、実際、億ションは売れ行きが悪くともまだ表面的には強気な水準を崩していないケースがほとんどなのですが、再三申し上げているように昨年末に分譲されたザ・コート神宮外苑やパークコート渋谷ザ・タワーはその立地や物件パフォーマンスからすると、予定価格⇒正式価格までの間にかなり現実的なお値段まで下がったお部屋があったように、少なくとも2018年後半においての上昇感は皆無です(価格を調整してもそれらのような超高額目玉物件が供給されていること自体平均単価を押し上げる要因になりますしね)。
なお、昨年の当記事で言及しているようにここで発表されている平均価格というのはあくまで「当初の販売価格」であり、「契約価格」ではありませんので(最終的に完成後などに値引きを行ってもそれが反映されることはない)、市況悪化による値引きが生じた物件の価格を考慮すると本当に価格が上昇しているのかどうかは微妙なところになるでしょうね。
次回は恒例のデベロッパー別の供給戸数を取り上げます。
今年も1位はあそこですが、かなり興味深い傾向も出ているのでお楽しみに~。
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