ブランズシティ横濱上大岡【東急設計コンサルタント×アーキサイトメビウス】3階71㎡5,430万円(坪単価254万円)

続けて、ブランズシティ横濱上大岡。

設計は東急設計コンサルタント、施工は青木あすなろ建設になります。
前回の記事で書いたように第5種高度地区のため20mを最高限度とする7階建になっているので、階高の関係上二重床が実現出来ていません。

ただ、これも既に言及済ですが、同じ延床面積(容積率)を前提にすると6階建で空地率が低くなるよりも7階建で空地が豊かな方が魅力的であることは少なくなく、当物件の約49%という空地率からもその様子を感じることが出来るでしょう。
※よく言われる45mの14階建と15階建ではそこまで空地に差は出ませんが、6階建と7階建だと結構違ってきます。

空地の大半は94台の駐車場で(平置もあるとは言え、4分の1程度です)、車周りの動線があまりに優雅過ぎることが影響し、ガーデン的な緑の空間ほとんどないのが残念ではあるのですが(敷地面積7,000㎡弱のスケールであることを考えると物足りなさを感じるものです)、車寄せを敷地西側のメインエントランス側だけでなく、「裏」になる駐車場側にも設計するなどの工夫が施されており、車愛用者にとっては非常に心地良い設計でしょうね。

なお、デザイン監修にはアーキサイトメビウスが起用されています。
そのようにガーデンなどの共用空間にはあまり魅力がないのですが、エントランス内部はアーキサイトメビウス100%と言っても良いぐらいの造りで、パークナード代官山などをも彷彿させる2層吹抜のエントランスホール、ラウンジ、そして水盤はこのスケール・価格帯の物件としては十分に差別化要素として機能することでしょう。

外観的なアクセントとなるのは先ほど取り上げた南西角住戸の開口部ぐらいなのですが、先ほどの間取りをご覧いただくとお分かりのように南西頂点部は柱部分まで周り込むようにサッシが施されているので、見る角度如何によってはかなり目立つ物件になることでしょう。

前回のブランズシティ横濱上大岡

公式ホームページ
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お部屋はE棟の70㎡超の3LDK、東向き中住戸です。京急の高架との間にも建物が立っており隣接こそしていませんが(その手前には道路もある)、物件内では線路の影響が少なくないポジションになります。
※当プランは、間取り図の表記からも分かるようにS棟(南向き)にもあります。

間取りとしては、70㎡ちょっとの3LDKということで非常にオーソドックスな田の字プランということになりますが、玄関周りの造りには特長があって良いですね。

共用廊下側の柱がしっかりとアウトフレームされているので、玄関前にアルコーブ的なしっかりとした窪んだ空間が確保出来ています。

当物件は全体的に玄関周りの設計に工夫が見られ、自社グループの設計会社を起用しているだけのことはあると感じます。

グループ系列の設計会社になるのでこの起用を自然に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、東急系のマンションの中で東急設計コンサルタントが起用される物件というのはかなり限られており、近年だと非常に高額だったブランズ横浜ドレッセワイズたまプラーザを含めた数物件しかないはずです。

価格帯的なところを考えると連窓サッシが採用されていないのは残念ではあるのですが、洋室2にはウォールドアが採用されているあたりも良い材料になりますね。

坪単価は254万円。南向きは同階でも1割程度高い水準であり、日照時間が短い点や高架向きである点などがしっかりと考慮されているように思います。

前回の記事で書いたように数字上はけして駅に近い物件ではないのですが、フラットアプローチでの駅徒歩8分は悪くないですし、やはりこういった大規模複合開発プロジェクトだと少々駅距離のあるノン南向きでも引き合いは十分にあるのでしょうね。

設備仕様面は、スケールのある物件ですので当然ディスポーザーはついていますが、それ以外は少々コストダウン色を感じてしまうものです。
直床自体は前述のように「高さ限度」との兼ね合いが大きいかとは思いますが、平均坪単価200万円台後半で直床になる物件は非常に少ないですし、この単価帯で食洗機や水回りの天然石天板仕様がないのも非常に稀なことです。

トイレ手洗いカウンターはありますし、ミストサウナもついているので価格帯なりと感じる部分もありますが、浴室照明はダウンライトではなくブラケット照明になりますし少なからず専有部設備仕様でコストダウンを図ってはいるのは間違いありません。
設備仕様というのは基本的に消耗品であり資産価値に与える影響は限定的ですので、共用部や設計・構造面でケチる(ここは直床だけども…)よりは遥かにマシではあるのですが、昨今のトレンド下においても結構目立つコストダウンではありますね。

管理費は183円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での200円/㎡未満はスケールメリットを活かせているからに外ならず、当物件はまして水盤(水物)付ですのでかなりリーズナブルなものと言えるでしょう。

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