単価上昇の主因はさらなる狭小化【2018年マンション市場動向フィードバック①】

今年は例年よりも少し早いのですが、このタイミングで昨年2018年の新築マンション市場動向を振り返りたいと思います。

昨年ご好評いただいたので今年も今回1回目で「都区部の全体感」、そして2~7回目で「各区を具体的な物件名を挙げながら詳細に分析」していきたいと思っています。

早速ですが、2018年の都区部の主要指標をご覧いただきましょう。

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年初の記事で首都圏全体の指標と共にコメントしているように都区部の大まかな傾向として、発売戸数は横ばい、価格も微上昇でほぼ横ばいであるのに対して「単価が5.1%という前年比での高い伸び率を記録している」というのが印象的でした。

昨年の同記事をご覧いただくとお分かりのように、2016年から2017年への単価上昇は「7.8%」とやはり高い水準であったものの、「都心区などの高単価エリアのシェアが高まっていたこと」が主要因であり、単価と共に「グロスにおいても前年比で6.9%上昇」しているという状況にありました。

しかしながら、2017年から2018年においては単価が5.1%の上昇であるのに対してグロスではほぼ横ばいの0.7%の上昇にとどまっていることから、2016年から2017年の上昇とは明らかに違う傾向にあると言えるでしょう。

読者の方であればこれだけでお分かりのように、2017年から2018年の単価上昇は一言で言うと「面積を絞ったことでグロスを抑えた結果に過ぎない」と言うことです。

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上表の通り都区部の平均専有面積の推移としては、リーマンショック前後の2009年に約65㎡まで減少、その後は緩やかに上昇した時期もあったものの、マンション価格高騰により2016~2017年に再度65㎡水準に戻ってきていました。
そのため65㎡は「株式チャートで言う抵抗ライン」的にファミリータイプがメインとなるマンション市場における下限的な位置づけとも思われたのですが、2018年はあっさりと大きく下回り62㎡台にまで狭小化が進んでしまいましたね。

区単位でみても70㎡を超えたのは江戸川区と葛飾区のたったの2区という状況ですし、40~50㎡台の区がかなり目立ってきていると感じます。
中でも台東区と墨田区は40㎡台中盤にまで狭小化が進んでおり、「デベロッパーが求めるような販売単価でファミリータイプを売ることがほぼ不可能な状況」と言っても過言ではない状況にあるでしょう。台東区・墨田区・大田区などの単価上昇は、デベロッパーの採算上の理由で、面積を絞った、もしくは、コンパクトマンションを多く供給したがゆえの後ろ向きな単価上昇に過ぎないのは明白でしょうね。

一方、千代田区・中央区・渋谷区、そして豊島区あたりは「目立った面積の減少がないながらも高い単価上昇を記録」してはいるのですが、千代田区・中央区は2017年が2016年から下落していたことを考えれば大きな上昇とは言えませんし、渋谷区、豊島区に関しては特定の物件の影響が大きいでしょうね。
※特に豊島区は年間の供給戸数が他区に比べ少なく個々の物件の影響が大きく出てしまう状況にある。

2018年の渋谷区はザ・コート神宮外苑ザ・パークハウス渋谷南平台オープンレジデンシア広尾ザ・ハウスシティタワー恵比寿など再開発エリアを初めとした好立地のスケールある物件が目白押し、豊島区はプラウドタワー東池袋とコンパクトなクレヴィア池袋ウエストだけで約77%のシェアを占めており、それらの単価水準がそのまま表れたような形になっています。

また、各区の2017年と2018年の発売戸数を比べていただくとお分かりのように前年ほどではないにしても依然として単価の高い区の供給が強まる傾向があったのも確かなようなので、「都心区の供給増加も単価上昇の一端」であるのでしょうが、主要因はやはり「顕著な面積縮小による単価引き上げ」にあるというのが正しいのではないかと思います。

次回からは区ごとに具体的な物件名を挙げながらより詳細な分析を行っていきます。ご期待下さい。

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