世田谷区・杉並区・品川区・大田区のマンション市況【2018年市場動向フィードバック⑤】

今回の第5回は世田谷区・杉並区・品川区・大田区の2018年をフィードバックしていきます。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご参照下さい。
2018年全国マンション市場動向
単価上昇の主因はさらなる狭小化【2018年マンション市場動向フィードバック①】

不動産経済研究所によると4区の数字はこちら(「順位」や「前年比」などに関しては私が計算したものになります)

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さらに、2005年以降の平均単価の動きをグラフで表したものが以下になります。

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※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。

世田谷区【平均専有面積を増やしつつの単価上昇】
平均専有面積を前年比101%の微増としつつ、単価は104%と安定した人気が窺えます。
ファミリータイプの供給が多く単価帯も近い杉並、品川、江東区あたりが軒並み平均専有面積を低下させる中、70㎡近い面積を確保しつつ単価を伸ばしているあたりは古くから人気の住宅街を抱える世田谷の底力なのかもしれません。

契約率の低さは少々気にはなりますが(シティタワー駒沢大学などの影響?)、今後は最悪専有面積をもう少し小さくすることで誤魔化す余地もあるにはあるのかなと。

参考)2018年の主な供給(順不同)
プラウド弦巻(約350万円)
プラウド弦巻三丁目(約375万円)
プラウド世田谷千歳台(約245万円)
ディアナコート用賀(約465万円)
シティタワー駒沢大学ステーションコート(約450万円)
蘆花公園ザ・レジデンス(約315万円)
ウエリス世田谷砧(約290万円)

杉並区【やはり世田谷に似た傾向だが、平均専有面積はかなり減少】
例年通り世田谷に似た価格水準ではあるのですが、上述のように世田谷の平均専有面積が前年比で増加したのに対してこちら杉並はわりと大きく減ってしまったことで面積差が出てきましたね。

特に丸ノ内線沿線ではコンパクト目のプランが目立つようになってきています。

ただ、2018年の杉並は世田谷ほど目立つ供給物件がなく前年以前の住不物件がシェアを確保している状況なので目黒区同様に必ずしも数字を鵜呑みにするのは危険でしょう。

参考)2018年の主な供給(順不同)
プラウド杉並高井戸サウス(約290万円)
シティテラス荻窪(約330万円)
シティテラス杉並方南町(約375万円)
コディア八幡山(約340万円)

品川区【引続きタワマンを主とした大規模物件が高シェアを保つ】
昨年の記事で言及しているように意外なほどここ数年の単価上昇率が小さい品川区(23区中22位)なのですが、今回前年比106%と高い伸び率を記録したことで他区の上昇率との差は大分縮まったように思います。

ただ、2018年も2017年から引き続き供給されているプライムパークス品川シーサイド、グランドメゾン品川シーサイドの杜、パークシティ武蔵小山ザ・タワー、シティタワー大井町などのタワマンを主とした大規模物件の供給が盛んで特に江東区のシティタワーズ東京ベイ同様に年末に住友不動産が多めに放出を行っているので、そのあたりの住不物件の影響は少なくありません。

なお、品川区は都心アクセス性の高さからするともっとコンパクト物件が出てきてもおかしくない印象があるのですが、隣接する大田区、都心東側の台東区や墨田区、都心北側の板橋区などのようにコンパクトの供給が現状では目立っておらず、ある程度の平均専有面積を維持しながら高単価を記録しているという意味でも好調を保てていると感じます。

参考)2018年の主な供給
パークシティ武蔵小山ザ・タワー(約465万円)
クレヴィアタワー大井町ザ・レジデンス(約425万円)
シティタワー大井町(約440万円)
シティタワー品川パークフロント(約335万円)
品川イーストシティタワー(約335万円)
プライムパークス品川シーサイドザ・タワー(約315万円)
グランドメゾン品川シーサイドの杜(約310万円)

大田区【都心から離れているわりにコンパクトが旺盛】
一言でいうと台東区や墨田区同様で、平均専有面積を大きく減らした(コンパクトマンションが増えた)結果単価が伸びたそんな感じでしょう。

世田谷・杉並・品川と同じ回で分析を行っているようにもともとはそれらと近い傾向にあり、分譲マンションはファミリータイプ中心となることが多いはずなのですが、ピアース馬込やクリオラベルヴィ馬込などそうでない物件が増えてきたためか平均専有面積はそれら3区に比べかなり小さくなってしまっています。

ただ、2018年は2017年以前から長期的に供給されているプラウドシティ大田六郷のシェアが多いことからも分かるように目立った新規供給がなく、供給戸数が少ないこと自体(大規模物件はファミリータイプが中心となることが多いので…)が平均専有面積の低下傾向に拍車をかけたとも言えるので、ファミリータイプ中心の話題性のある物件が供給されるとまた異なる印象を受ける数字になるのかもしれません。

ちなみに、2019年はザ・ガーデンズ大田多摩川が供給されるはずで予定価格を見る限りでは駅遠のわりに結構いいお値段ですね。大規模ゆえに販売戸数も多いので現状においては苦戦しそうな匂いがプンプンしていますが、最終的な価格はどの水準に落ち着くのでしょうか。

参考)2018年の主な供給(順不同)
プラウドシティ大田六郷(約250万円)
エクセレントシティ馬込ヒルズ(約335万円)

◎世田谷・杉並・品川・大田の総評
上述のように大田区は2018年に平均専有面積をかなり減らしてしまいましたが、基本的にはまだまだ似た傾向のある4区になりますね。
世田谷・杉並は低層物件が中心であるのに対して品川はタワマン中心、大田は中低層中心と物件属性には差があるものの、都心東側や北側エリアほどコンパクトへの傾倒は見られず23区内の平均坪単価・平均専有面積に近似したファミリーニーズの根強さを感じるエリアと言って良いでしょう。

数年単位での単価上昇率は概ね120%ほどになっており未だにファミリー向けが主流なことも影響してか普段肌で感じるほど価格が上昇していないと感じるエリアと言えるかもしれません。

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