台東区・江東区・荒川区・墨田区のマンション市況【2018年市場動向フィードバック④】

今回の第4回は台東区・江東区・荒川区・墨田区の2018年をフィードバックしてみます。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご参照下さい。
2018年全国マンション市場動向
単価上昇の主因はさらなる狭小化【2018年マンション市場動向フィードバック①】

不動産経済研究所によると4区の数字はこちら(「順位」や「前年比」などに関しては私が計算したものになります)、

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さらに、2005年以降の平均単価の動きをグラフで表したものが以下になります。

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※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。

・台東区【平均単価は大きく上昇しているが、平均専有面積はたったの44.5㎡】
前年2017年は2016年のブリリアタワー上野池之端の反動がモロに出た形で23区中最下位となる大きな下落に見舞われましたが、2018年は前年比112%と23区中5位の上昇を記録しています。

しかしながら、供給物件を見ていくと平均専有面積を絞ったがゆえの単価高であることは明らかでしょう。

平均専有面積は前年比88%の44.5㎡というコンパクト物件のオンパレードで、中でも本年のシェアが大きいのは以下のクリオラベルヴィ新御徒町(平均専有面積約40㎡)とライオンズ浅草橋ミレス(平均専有面積約33㎡)の2物件になります。

ここに限らずライオンズのミレスシリーズは20㎡台のいわゆるワンルームプランが中心となっていることが多く(上述のようにいわゆるワンルーム投資マンションはカウントされていないが、こういったライオンズなどのブランド物件のワンルームはカウントされている)、この2018年のコンパクト中心のラインナップからすれば平均単価が上昇するのは当たり前でしょうね。

前年時点で既に平均専有面積が23区中最下位だったのでそういった意味での伸びしろはあまりないように思ったのですが、あくまで全供給物件の平均に過ぎませんので多くのデベロッパーが平均専有面積30~40㎡台の供給を心掛けたらこうなるわな…。

参考)2018年の主な供給(順不同)
クリオラベルヴィ新御徒町(約395万円)
ライオンズ浅草橋ミレス(約370万円)

・江東区【とにもかくにもシティタワーズ東京ベイ】
湾岸エリアを含む広大な面積を有する江東区らしく今年も多くの物件が供給されました。
2018年の供給戸数1,809戸は23区で最も多いものとなります。

ただ、これには裏があるというか、純粋な比較においてはおそらくNo.1ではないという事実があります。

ご存知の方も少なくないと思いますが、2018年末には住友不動産が「実質在庫」を一気に先着順で大放出しており(デベロッパー別供給戸数年間No.1を達成するためとも言われていますが、そんなんしなくても1位だったよね…。だって2位のプレサンスとは2,100戸ぐらい差があったもの…)、中でもこのシティタワーズ東京ベイの12月末の376戸(月末契約率は当然のことながら1%。江東区全体の年間の6割ちょっとという低契約率も住不のせいです。笑)は強烈だったのです。

もともと江東区はそのように供給戸数が多い区ではあるものの、シティタワーズ東京ベイの平均坪単価はおよそ350万円ほどで江東区の平均的な水準よりもかなり高いところにあるのでそれ(シティタワーズ東京ベイの年間供給戸数は約650戸)がありながらの平均単価318万円は低調な印象すらありますね。

前年2017年もシティタワーズ東京ベイが多分に含まれていたので少なくとも横ばいのような状況ではあると思うのですが、平均専有面積をわりと大きく減少させた上での単価になりますし、頭打ちの印象も受けます。

ちなみに、2019年はいよいよ超大規模タワマン「ブランズタワー豊洲」が放出されますので単価に関しては結構伸びそうですね。

参考)2018年の主な供給(順不同)
シティタワーズ東京ベイ(約350万円)
プラウドシティ越中島(約300万円)
プラウドシティ東雲キャナルマークス(約330万円)
メイツ深川住吉(約300万円)
ルネ南砂町リバーフィール(約240万円)
ザ・パークハウス東陽町翠賓閣(約335万円)
プレミスト有明ガーデンズ(約305万円)

・荒川区【高値安定だが、若干の「頭打ち」感】
ここ数年の単価上昇率が23区中トップ、また、2018年も前年比で上昇と好調を維持しています(2016年と比べると微下落)。

ただ、平均専有面積が小さめで推移しているのは昨年同様で、日暮里・西日暮里界隈の高利便性を武器にしてコンパクトプランを中心に単価を伸ばせてはいるものの、ファミリータイプでの高単価ニーズを存分に生み出すにはまだ至っていないという印象を受けるエリアになります。

利便性の高さを考えれば江東区ぐらいの平均単価まで上昇する可能性は秘めていると思いはするものの、江東区の湾岸エリアのように大規模だったり眺望だったりで付加価値を高められるタイプの物件が荒川区には少ないので平均するとこのぐらいの水準に1つの壁があるのかもしれません。

西日暮里駅前では再開発も控えていますし、日暮里・西日暮里エリアでコンパクト目の供給が多くなれば300万円の大台を超えることは難しいことではないのでしょうが。

参考)2018年の主な供給
シティテラス西日暮里ステーションコート(約330万円)
シティテラス東京三ノ輪(約275万円)
デュフレ南千住リバーサイド(約245万円)
プレシス東京三ノ輪(約260万円)
ライオンズ町屋レリアシティ(約290万円)

・墨田区【平均専有面積は前年比76%】
前年比で111%と高い伸びを記録してはいるものの、上述の台東区同様にコンパクト物件のオンパレードであるがゆえの単価上昇に他ならないでしょう。

平均専有面積は台東区に次ぐ23区中ブービーの45.8㎡で、やはり20㎡台のプランのあるライオンズ東京菊川ミレス(平均専有面積約36㎡)などが強く影響してのものになります。

墨田区はもともと供給戸数が少ない区なのですが、2018年は特に少ない245戸ということで余計に特定の物件の影響が大きくなる環境にもありますね。

前年2017年の平均専有面積は60㎡を超えていたので実に前年比76%という大きな面積減になりました。

参考)2018年の主な供給
ライオンズ東京菊川ミレス(約325万円)
パレステージ曳舟Ⅱ(約280万円)
リビオ両国ザ・レジデンス(約285万円)

◎台東・江東・荒川・墨田の総評
昨年の記事で言及しているように都心の東側に位置したこれら4区の2017年はここ数年好調だった反動が大なり小なり出ていたように思うのですが、2018年は概ね好調に底堅い推移になっていると感じます。

ただ、大きく単価を伸ばしているのはコンパクトプランばかりが供給されている台東区と墨田区であり、コンパクトがそれなりに売れているうちはファミリータイプであってもこなれたお値段の物件に巡り合いづらい状況にあるのではないかと思います。

都心区は突出した目玉物件の有無などで数字が大きく上下に動きますが、このあたりの区は比較的安定しており、「平均専有面積を大きく減らしながらの単価上昇」という23区の全体的な傾向を顕著に表した4区とも言えそうです。

台東区、江東区、荒川区なんかはここ数年単位で見ると先日の渋谷区、新宿区、目黒区なんかと互角の4割前後の単価上昇率を記録しているのですが、コンパクト物件がここまで増えなければ互角の単価上昇を記録することが不可能だったのは言うまでもないでしょう。

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