北区・江戸川区・足立区・葛飾区のマンション市況【2018年マンション市場動向フィードバック⑦】

今回の第7回は北区・江戸川区・足立区・葛飾区の2018年をフィードバックして行きましょう。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご参照下さい。
2018年全国マンション市場動向
単価上昇の主因はさらなる狭小化【2018年マンション市場動向フィードバック①】

不動産経済研究所によると4区の数字はこちら(「順位」や「前年比」などに関しては私が計算したものになります)、

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さらに、2005年以降の平均単価の動きをグラフで表したものが以下になります。

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※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。

北区【ガーデンズ⇒オイコスによる結果だが、息切れ感も?】
前年と平均単価を比較すると90%という水準でしかなく23区中最も下落するという結果になりました。
ただ、2018年の北区の発売戸数は490戸と例年よりも少なめで、うち300戸近くがザ・パークハウスオイコス赤羽志茂によるものなのでオイコスの数字が大きな影響を与えた結果なのは間違いないでしょう。

前年・前々年はオイコスより一回り上の水準だったザ・ガーデンズ東京王子が平均単価を引き上げていたことも背景にあります。

しかしながら、以下の江戸川・足立・葛飾などの外周区がそうであるように、価格の頭打ち傾向が表れた結果でもあるのでしょう。

北区、江戸川区、足立区の前年2017年は2016年に比べ23区内でも高い単価上昇率を達成しており、都心区のマンション価格高騰が外周区にまで波及する状況(都心が高騰し過ぎたためにそれと比べまだこなれた価格帯であった外周区に需要が流れた)にありましたが、2018年は「息切れ」という印象を受けずにはいられません。

都心区などの2018年はこれまで述べてきているように一段と狭小化を進めるなどの施策(?)で、半ば強引に単価を引き上げることが出来ているようですが、ファミリータイプの実需が主でやはり70㎡程度のニーズが最も旺盛となる外周区ではそうはいかなかったということでしょうね。

北区は赤羽界隈を初めとしてコンパクトニーズが少なからずありますし、今回の4区の中では専有面積が最も小さいことからも分かるようにファミリータイプ中心のザ・パークハウスオイコスのシェアが下がれば「平均専有面積の減少に伴う単価上昇」という結果になることが容易に想像出来ますが…。

参考)2018年の主な供給(順不同)
ザ・パークハウスオイコス赤羽志茂(約230万円)
メイツ浮間舟渡(約215万円)

江戸川区【平均専有面積は23区中トップ!外周区の中では頑張りが窺える数字】
平均単価上昇度合いは23区中18位ではあるものの、平均専有面積はわずかながらも上昇していますし、プラウド西葛西やリビオシティ・ルネ葛西など今回の4区の中ではわりと話題性のある人気物件があったことが数字として表れている印象がありますね。

特に平均専有面積は23区中トップとなる71.1㎡という好感の持てる水準になっています。

ただ、やはりファミリーである程度長期的にお住まいになることを想定しての物件探しが前提になってくるエリアなので、ここから面積を絞っての単価上昇という未来は見えづらく、平均単価が上昇するとすれば小岩駅前の再開発タワマンがドバっと供給されるタイミング以外にはないようにも思いますね。

参考)2018年の主な供給(順不同)
プラウド西葛西(約270万円)
リビオシティ・ルネ葛西(約215万円)
オークプレイス小岩(約265万円)
プレミスト新小岩親水公園(約240万円)

足立区【パークホームズ北千住の反動そのままか】
2017年はパークホームズ北千住アドーアの影響が強かったこともあり2016年に比べ平均単価が大きく上昇していました(上昇率は23区中トップだった)。

そのため目立った新規供給がなかった2018年はその反動が出たような形で低調な結果になってしまいましたね。2018年は発売戸数も23区中最も少ないたったの172戸になります。

ただ、この水準でもまだ2015~2016年の平均単価よりは1割程度高いですし、2019年はその2017年のパークホームズ北千住アドーアをも上回る千住ザ・タワーが供給されていますので、平均単価が大きく上昇するのは確実でしょう。

北区の赤羽界隈、江戸川区の小岩界隈、足立区の北千住界隈、葛飾区の金町界隈などは区全体の数字に大きな影響を与える物件が出やすい状況にあり年単位での変動ではなく2~3年スパンで比較した数字を見た方が良いのでしょうね。

参考)2018年の主な供給(順不同)
ルネ北綾瀬(約215万円)
ファインシティ王子神谷リバー&フォレスト(約170万円)

葛飾区【マンション価格高騰の波に取り残された水準】
2015~2017年はエリア内では高単価であるシティタワー金町の影響がわりとありましたが、2018年はそのシェアが弱まったこともありかなり低調な結果になりました。

平均単価は前年もダントツで23区中最下位でしたので驚くほどの水準ではないものの、2018年はそこからさらに91%の水準に下落しており23区内では目に優しい水準ながら勢いを感じにくい状況にあります。

23区内で平均専有面積が70㎡を超えているのはこの葛飾区と江戸川区のみであり、ファミリーニーズが中心のエリアゆえに単価を伸ばしづらい状況にあるとはいえこの平均単価189万円という水準は過去10年間を振り返った場合の平均程度の水準でしかなく、23区内ではマンション価格高騰に取り残されたかのようなエリアと言っても過言ではないのかなと。

まぁ、今後は金町駅前の再開発エリアにおいて野村タワマンや三井・三菱タワマンが控えているのでこれまで葛飾区では見たことのなかった金額が飛び交うことになるのでしょうが、あくまでエリア平均がこの水準であることを念頭に置いたお値段設定にして欲しいものですね(笑)。

参考)2018年の主な供給(順不同)
ソライエ葛飾小菅(約185万円)
アデニウムザ・オアシスガーデン(約180万円)
ザ・グランリバーフォート高砂(約180万円)

◎北区・江戸川区・足立区・葛飾区の総評
足立区の欄でコメントしたようにタワマンなどの突出した価格帯の物件の影響が大きくなりがちな4区なので2018年の低調な数字は「たまたま」とも言えるでしょう。

しかしながら、発売戸数自体が前年に続き低調なのも事実で、要するに「デベロッパーがこれら4区での開発を積極的に手掛けるだけの高価格帯ニーズが少ない」という側面も少なからず表れた結果なのだとも思いますね。

小岩・金町などでは今後の再開発が期待されていますし、個人的にも楽しみにしているのですが、開発規模が結構大きいのでデベロッパーの望むような金額で最後まで「売り切ることが出来るのか」というのは少なからず疑問だったりもします(長期分譲を目論んでいるうちに相場が崩れるんじゃないかと…)。

一昔前の大規模湾岸物件などでは第1期に何百戸も捌けるぐらいのお値段設定にするのが当たり前でしたが、近年はそうそうそういった値付けがなされることはないですからね。

なお、これら外周4区の数年単位での単価上昇率は、前回、前々回で取り上げた区群同様に概ね20%前後になるようですね。

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