ミハマシティ検見川浜【設計面は地味でも連窓サッシには好感】9階66㎡3,140万円(坪単価158万円)

続けて、ミハマシティ検見川浜。

設計、施工は長谷工で直床です。
エリア・単価帯的にも違和感はないでしょう。

当プロジェクトは当初から長谷工がコンサルタントとして参画した案件で、その後に野村不動産とコスモスイニシアが加わり、売主は長谷工を含むそれら3社が名を連ねた形になります(長谷工が土地取得に関わるようなケース(特命受注)でも多くは設計・施工のみで売主に名を連ねることは少ない)。

主幹事は野村不動産になりますが、「プラウドシティ」になっていないところを見ても長谷工が強く関わっている案件であることが窺えますね。

なお、共用廊下側の柱の食い込みは顕著ですし、多棟の板状マンションで構成された物件なりの田の字ベースの淡泊なプランが大半ではあるものの(ただ、従前の若潮ハイツの事業協力者に配慮したのか棟によっては「3DK」という近年まず見ることのないプランもある)、多くのプランで「連窓サッシ」を採用しているのは立派に感じます。

サッシ0.5枚分でも開口部幅が変わることで採光にはかなり違いが出てくるものですし、このような単価帯の物件で連窓サッシが採用されるケースはけして多くはありません。

一方、前回の記事でもちらっと述べたように「容積率200%」の地のわりには空地の豊かさを感じにくいランドプランになります。空地率自体は約57%と上々なのですが、空地の大半が平地及び自走式駐車場(身障者用3台含む全277台)になっており、総戸数約400戸というスケールからするとガーデンなどはそれほど大きなものではありません。

ガーデンはタウンガーデン、エントランスガーデン、テラスガーデン、イドバタガーデンと4つありますし(1つ1つはそれほど大きくはない)、共用施設も複数のラウンジ、ゲストルーム、キッズルーム、シアタールーム、スタディルーム、ランドリールームなどそれなりに充実してはいるものの、前回の記事で書いた先行するザ・レジデンス検見川浜ガーデンズ幕張ベイパークなどとの兼ね合いを考えるとさらなる特長があると良かったのでしょうね(当物件は駐車場にしろ共用施設にしろザ・レジデンス検見川浜ガーデンズに寄せてきている印象があるのですが、あちらはスーパー直結という特長があるのでそれとはまた違った土俵での勝負があると良かったのかなと)。

公式ホームページ
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お部屋はC棟の66㎡の3LDK、南西向き中住戸です。間にテラスガーデンを挟んでいるとは言え、南方向には平行にA棟が存在した敷地内側ポジションになります。

また、西方向は真砂2丁目第3公園の先に検見川浜パークハウスがありますので、この階でも広域での視界抜けが得られるわけではありません。

なお、当住戸はC棟中住戸の中でも東寄りに位置したお部屋なのでA棟の影響は大きい方になりますね。

敷地西頂点部にはタウンガーデンが施されており街区のちょっとした「顔」となるような空間を施すことを意図したのでしょうが、「A棟は敷地に沿ってB棟といわゆるL字配棟」になるような設計の方がC棟にとっては良かったでしょうね。

板状3棟構成のザ・ガーデンズ東京王子なんかがまさにそうで南端のエアリーコートだけが敷地に沿った配棟、残りの背後(北側)の2棟は斜めに傾けた配棟とすることでエアリーコートの影響を小さくしていました。

棟背後のガーデンは日照が得にくいですし、一長一短なのは間違いありませんが、C棟にとりわけ控えめな単価を実現出来ている印象はありませんし、内向き住戸にもう少し配慮したランドプランであっても良かったのかもしれません。

プランとしては65㎡こそ確保してはいるものの、エリア的にはかなり面積を絞ったものとなるでしょう。ただ、Ⅱ街区も合わせるとおよそ1,000戸規模になるマンションで、かなりの数を捌かねばならないのでこういった面積帯があるのも当然と言ったところでしょうか。
ただ、LDだけでも11.1畳確保出来ていますし、収納などのバランスを見ても専有面積ほど手狭には感じないですね。

なお、連窓サッシではあっても開口部はごくごく一般的な田の字プランと大差ないものなのはちょっと残念です。

坪単価は158万円。同じC棟の中住戸でも西寄りのものでA棟の影響が小さくなるお部屋は同階でも坪単価170万円程度になりますので単価差はそれなりには設けられています。

単価差に加え面積差もあることでグロスはかなり目に優しいものになっていると感じますね。前回の記事で書いたように少なからず価格で勝負せざるを得ない市場環境にあるのは間違いないところでしょう。

設備仕様面は、スケールを活かしディスポーザーは搭載されていますが、食洗機が標準でないのは残念ですね。価格帯からして当然のことではあるものの、水回りの天然石天板仕様やトイレ手洗いカウンターなどはありません。

管理費は175円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザーがついてのものですのでスケールや自走式駐車場であることが活きた水準と言えるでしょう。

ちなみに、上述の平地と自走式合わせ277台の駐車場ですが、設置率にするとおよそ7割であり、ザ・レジデンス検見川浜ガーデンズとほぼ同じ水準になります。
なお、当物件は「EVロータリーシステム」を採用し、126台ものPHV及び電気自動車の充電設備を設けているとのことです。

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