常盤松ハウス【建替案件ならではの珍しい取組み】3階57㎡8,050万円(予定)(坪単価約466万円)

続けて、常盤松ハウス。

設計は野生司環境設計、施工は安藤・間です。
野生司環境設計はホームページにあるような銀座久兵衛本店の実績もありますが、マンションとしてはブリリアがメインという感じでグランスイートの印象はなかったので意外でした。

ブリリア以外にも近年はデザイン性を重視するモリモトのピアース銀座8丁目、さらに三菱地所のザ・パークハウスあざみ野などの実績もあり、魅力的なデザインの物件を生み出してくれることの多い野生司環境設計なのですが、この物件は超高額と言っても過言ではない価格帯のわりに普通の印象を受けてしまうというのが正直なところになります。

2階(建築基準法上の地下1階)に設けられたエントランス前の車寄せは豊かな空間ですし、内廊下もそれなりの高級感がありはするものの、総戸数98戸の物件としてはエントランスホール内部などのスケール感に欠けますし、外観にはもう少し特色が欲しかったところです。

丸紅の物件というのは「コストを抑え販売価格を抑えることでリセール上の優位性を保つ」という傾向(※)があり、当物件もそれに近いものがあると思うのですが、地権者占有率の多い建替案件ということでよりコストを抑えるという傾向がより強まっている印象を受けます。
(※)丸紅はかつて4年連続「売主別中古マンション騰落率ランキング」でトップをとった実績があります。他社物件に比べ高級感があるかというと疑問ではあるものの、コスパを考慮したバランスの良い物件となることが多いです。

ここに限らず建替案件というのはどうしても地権者の意に反することは難しく、建替事業を請け負わせてもらうためには極力地権者の負担少なく実現させる必要があるため、一般的な物件に比べコストをかけづらいという事情があります(念のため言っておくと地権者の負担分を一般分譲の販売価格に上乗せするというような意味ではないです。地権者の負担少なく建替を実現するために華美な装飾や特徴的な共用部設計などはせずに、可能な限りシンプルな造りにするということです)。
ザ・パークハウス三田タワーの記事でもこういった点をコメントしていますので気になる方はそちらもどうぞ。

なお、前回の記事でちらっと言及しましたが、当物件は建替プロジェクトらしい特殊な取り組みもなされています。
修繕積立金が当初から「50年間一定で320円/㎡(一般的な物件は当初100円/㎡程度で数年ごとに値上がりし、最終的には4~6倍程度になることが多い。また、シミュレーションも30年内が一般的だが、ここは50年という長期)」、また、駐車場収入は管理費会計や修繕積立金会計に組み入れるのではなく、別途「駐車場会計」を設け、そこから駐車場の維持修繕を行うという世にも珍しい方式が採用されているのです。

修繕積立金だけで320円/㎡ということで当初からランニングコストは嵩みますが、一般的には数十万円以上(こういった高額物件の面積の大きさお部屋だと100万円以上になっていることも珍しくない)になる引き渡し時の修繕積立基金すらなくしているので、その分の負担が抑えられるという意味でも興味深い取り組みだと思います(※)。
また、駐車場に関しても理にかなったやり方だと思いますね。
※野村不動産の「オハナ」シリーズは修繕積立金が30年定額という方針のマンションで、当初から30年間200円/㎡程度になっていることが多いのですが、当物件は基金(引渡し時一括払い)がなく、かつ、50年定額方式ということでより高めの320円/㎡になっているということのようです。

前回の常盤松ハウス

公式ホームページ
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お部屋は57㎡の1LDK、北西向き中住戸です。西側は12階建の大規模物件南青山テラス常盤松フォレストがありますので視界が妨げられます。ただ、当住戸は建築基準法上の1階にあたり、当物件の敷地内の植栽、その常盤松フォレストのフォレストを望む形になりますので、けして悪いポジションではないですね。

間取りとしては、50㎡台後半ということで1LDKとしては大き目のものになります。
柱も完全にアウトフレーム化されたプランということもあり、LD・洋室共にしっかりとした大きさが確保されたゆとりを感じるプランですね。

洋室のウォークインクローゼットもかなり大きなものに出来ていますし、キッチンも4.1畳という大きなものになります。

一方、残念に感じるのはやはり開口部でしょう。
至近距離でお見合いになるようなお部屋ではありませんし(そもそもそれが嫌ならカーテンを閉めればいいだけ)、このクラスの物件であれば連窓サッシを導入するなどして開口部を最大限に確保して欲しかったという思いがあります。

パイプスペースなどとの兼ね合いがあるのは確かではありますが、窓際の下り天井高が1.9mと低いことからお分かりのようにサッシ高も平均以下という感じになりますのでもう少し何かしら高額物件らしいところを見せて欲しかったというのが正直なところとなりますね。

坪単価は予定価格で約466万円。常陸宮邸向き(南西向き)や駒沢通り向き(南東向き)に比べ目に優しい水準です。

当物件は以下のように80㎡以上とそれ以下とで設備仕様のグレード感にかなり差があるのでそういった点が考慮されてのものでもあるのでしょうが、それを加味しても単価差が気持ち大きいような印象を受けます。地権者が条件の良い南西・南東の多くを抑えており北西向きの住戸率がやや高いことも影響しているのでしょうか。

まだ相場が上がり切る前、2015年末から販売されたブランズ渋谷常盤松で既に平均坪単価約495万円という水準に達していましたので(販売にはわりと時間がかかっていましたが…)、物件内で芳しい方のお部屋ではないにしろこのご時世のこの単価は目に優しい方と感じます。

設備仕様面は、80㎡以上に関して言うと、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、LDのビルトインエアコン、タイル貼の廊下、天然石カウンターの浴室など高額住戸なりの仕様になっているのですが、60㎡未満に至ってはビルトインエアコンなどのワンランク上の仕様どころか、食洗機すらもないというこの価格帯の物件としてはかなり淡泊なものになります。

なお、羽田新航路の影響を加味し、一部のサッシにはレゾネーターが搭載されています。
※レゾネーターについてはクレヴィアタワー大井町ザ・レジデンスの記事をどうぞ。

管理費は360円/㎡。内廊下、かつ、ディスポーザー付なので違和感はありませんが、コンシェルジュサービスや各階ゴミ置場などはありませんので、総戸数98戸というスケールを考えると気持ち高めではありますね。

上述のように一般的な物件であれば駐車場収入の何割かが管理費会計に入ってきますが、こちらの物件はそうではないのでそういったあたりが幾分影響している可能性があります。

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