クリオ武蔵小杉ガーデンマークス【ここも「コンパクト」なしではいられない】2階73㎡6,546万円(坪単価295万円)

クリオ武蔵小杉ガーデンマークス。

所在地:神奈川県川崎市中原区市ノ坪字広町363-17他(地番)
交通:武蔵小杉駅徒歩11分(JR線。東急線は徒歩13分)、元住吉駅徒歩13分
用途地域:準工業地域
階建・総戸数:7階建、63戸(事業協力者住戸6戸含む)

近年、武蔵小杉界隈のクリオは、クリオラベルヴィ武蔵小杉クリオラベルヴィ武蔵小杉グレイスクリオラベルヴィ武蔵小杉カルムとコンパクトばかりでしたが(先日も申し上げたように最後発のクリオラベルヴィ武蔵小杉アクティアのホームページはいつのまにか無くなりました…。販売中止???延期???。ついでに言うとオーバルアーバンツ銀座築地も先日販売計画の見直しが発表されていますし、何やら不穏な空気が…)、ここはファミリータイプ「も」あります。

駅距離のあるポジションの「クリオ(ラベルヴィではない)」ですので、50㎡台以上のファミリータイプで占められているのかと思いきやクリオラベルヴィ並の30~40㎡台も存在している物件で、やはりこの界隈ではコンパクトを取り入れないことには採算が厳しい状況にあるようですね。

分譲中のクリオ市谷柳町はクリオながら30〜50㎡台のプランニングですし、ブランドの垣根が日に日に低くなっています。

当物件の敷地は南向き住戸率を高めるのが困難ですし、東側は新幹線の高架というポジションになることもプランニングに影響を与えているのは間違いありませんが、新幹線に関してはコンパクトにしたからオッケーって感じでも無いような気も…。

なお、近隣はマンションを中心に住宅は少なくないものの、準工業地域ということで工場などもいくつか存在しているエリアになります。
徒歩3分のところに中原平和公園、通学区の苅宿小学校は徒歩9分などファミリーにとって魅力ある部分もありますが、府中街道・高架沿いであるなど、ファミリータイプばかりにするのはいかにもリスキーでデベロッパーにとって面積帯及びプランのバリエーションが豊富な方が良いのは間違いないのでしょう。

公式ホームページ
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お部屋は73㎡の3LDK、北西+「南・東」の四方角住戸です。北側は府中街道、西側はマンションやビルなどのあるポジションで、お世辞にも良い状況ではありません。
しかしながら、デベロッパーもそんなことは百も承知であり、西面を雁行設計にしたことでささやかながら南にも開口部を設けている点からは努力の跡が窺えます。
東側は高架沿いということもあり開口部は限定的ですが、四方開口部というのは大きな特長と言えるでしょうね。

南に面しているのは洋室1室だけで、LDが南に向いていないのは残念ではあるものの、北側は府中街道ですし(寝室は府中街道沿いでない方が無難?)、LDの開口部を特徴的なものと出来ているあたりからしてもこの居室配置が無難かもしれませんね。

LDは幅広のL字サッシ×L字バルコニーが採用されており、かなりインパクトがあります。

東側の窓を開けると高架の影響が大きく通風面ではあまり有用ではないものの、キッチンにも窓があるのは魅力ですし、至る所に開口部があることで使い方次第で風通しはかなり期待出来るプランになります。

なお、角住戸としてはけして大きなものではないものの、玄関廊下は効率的な方ですし、クリオシリーズらしい柱のアウトフレームも上々のプランなので、居室畳数や収納もしっかりと確保出来ていると思います。

洋室1から洗面所にかけてウォークスルークローゼットを採用したことで回遊動線が生まれていますし、歪な敷地形状・高架沿いの厳しい立地条件をカバーすべく頑張っている様子が見て取れるという面で好感の持てるものとなります。

玄関前には大きな門扉付のポーチもありますので専有面積以上の使い勝手があるのは間違いないでしょう。

坪単価は295万円。高架向き(東向き)の賑やかなポジションの30~40㎡台は低層階でも坪単価300万円超になっており、やはり相対的に面積が大きなファミリータイプであることが考慮された単価設定です(コンパクトの方が少なからず単価が伸びることからデベロッパーは上述のようにコンパクトの供給を強めています)。

近年の近隣供給事例としては、2016年後半に武蔵小杉駅徒歩10~11分のところでノブレス武蔵小杉(平均坪単価約275万円)、シティハウス武蔵小杉ガーデン(平均坪単価約270万円)が分譲されており、こちらは元住吉駅がより使いやすいポジションではあるにしても、ファミリータイプの平均坪単価が300万円を少し上回ってくるであろう当物件の水準は少々強気な印象です。

それら(いずれも線路や高架沿いでこことは共通点が多い)の分譲時よりは少し相場が上昇しているとは言え、マンションが売れず市況がかなり停滞している状況ですので、間取りに工夫があるとはいえ駅距離・立地条件などからすればもう少し頑張って欲しかったですね。

クリオラベルヴィ武蔵小杉カルムはコンパクトであることを加味してもかなり強烈な単価帯でしたし、明和地所はこのエリアを少々過大評価しすぎな印象があります。
武蔵小杉が人気のエリアなのは間違いありませんが、現在は駅前タワマンの台風による浸水被害で悪目立ちしていますし…。

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