2019年管理費ランキング(トップ10/ワースト10)【397物件の平均は280円/㎡】

今年も管理費部門のおまけコンテンツとして例年ご好評いただいている「管理費トップ10・ワースト10」をお送り致します。

【※ご注意】
対象となるのはあくまでモモレジが把握している物件のみで2019年に首都圏で販売された全ての物件のトップ及びワーストではありません。しかしながら、物件数は397物件にもなりますし、「東京都及び神奈川県の物件(いわゆるワンルーム投資マンションは除く)の9割以上+埼玉県と千葉県の東京寄りの物件の多く」はカバー出来ていると思います。
(当ブログで取り上げている物件はもちろんですが、それ以外の物件でも把握できるものについては含めるようにしています。)

397物件の平均値を計算してみたところ約280円/㎡と昨年の約281円/㎡とほぼ同じになりました。一昨年は270円/㎡でしたのでまだ上昇が止まったとは言えず、インフレ傾向にあることに変わりはないでしょう。ここ数年の推移は242⇒258⇒248⇒269⇒270⇒281⇒280となっています。

なお、昨年・一昨年の記事でも言及しているのですが、こういったインフレ基調下においてはランニングコストにおける「中古物件のメリット」はけして小さくありません。
中古物件は既に管理組合の頑張りにより無駄なコストを抑えより効率的・現実的な運営をしているケースもありますし、新築時の管理会社の管理業務委託料から値上がりするケース(消費税増税分を除く)というのはそうはありませんので、ひと昔前(2000年代中盤ぐらいまで)の物件の方が管理費面で魅力を感じることが多いはずです。

一方で、中古は修繕積立金が新築時よりも上昇しているケースが大半であり、トータルのランニングコストを考えると大差なくなってしまうという点は否定しません。しかしながら、中古物件の場合は実際の管理組合の収支状況を確認することが出来ますので、駐車場稼働率がどれくらいかなど(さらに言うと駐車場使用料のうちの多くを修繕積立金会計に組み入れることが出来ていると素晴らしい)を把握することで将来的なリスクを抑えられるというメリットもありますし、結局のところ新築もそう遠くない時期に嫌が上にも修繕積立金の増額が強いられるものですからね。

余談が長くなりました。まずはトップ10です。

【トップ10】
①ファインスクェア川口(113円/㎡)
②ファインスクェア横浜綱島(116円/㎡)
③レジデンスノーブル西新井本町(122円/㎡)
③プレサンスロジェ西葛西(122円/㎡)
⑤ブリシア新横浜(131円/㎡)
⑥ソルフィエスタ青砥(135円/㎡)
⑦ジオ茅ヶ崎フレシア(139円/㎡)
⑧ブリシア西新井(142円/㎡)
⑨ミオカステーロ中野島Ⅲ(145円/㎡)
⑩クリオレジダンス横濱ベイサイド(151円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです。)

昨年のブリシア小岩の73円/㎡がここ数年の中でもズバ抜けた水準だったこともあり、全体的にインパクトはなく10位前後を前年と比べてもやや値上がり感があります。

全体平均で言うと上述のように「横ばい」という感じなので、高い物件(以下のワースト10のような突出した水準の物件は除く)と安い物件の差がいくらか縮まってきている傾向にあると感じます。

アベノミクスによる賃金上昇など経済全体のインフレ傾向により安さを追求するのにも限界が出てきている印象がある反面、以前ならば「設備・サービス面などで高級感を演出する必要があり管理費もそれなりの水準になることが避けられない物件」においてディスポーザーや内廊下設計などを妥協することで管理費を抑えるといったようなケースが増えた結果、上下の単価差が縮まったのかなと。

※いくら管理費が安くても管理組合が赤字、また、管理が杜撰であっては意味がありません。ただ、「管理費が高い=管理がしっかりしている」というのもちょっと違うので、収支計算書の内容を吟味し、無駄なところ(重視すべきでないところ)と必要なところ(重視すべきところ)を組合員でしっかりと話し合って適材適所でコストをかけるべきです。

【ワースト10】
①ザ・パークハウスグラン南青山四丁目(814円/㎡)
②プラウド恵比寿ヒルサイドガーデン(810円/㎡)
③ロイヤルシーズン六本木檜町公園(783円/㎡)
④レフィール南麻布(770円/㎡)
⑤ザ・レジデンス六本木(622円/㎡)
⑥ブランズ愛宕虎ノ門(612円/㎡)
⑦ザ・パークハウスアーバンス白金(565円/㎡)
⑧グランドメゾン成城レジデンス(520円/㎡)
⑨コンシェリア後楽園クロッシア(517円/㎡)
⑩プラウド瀬田一丁目(512円/㎡)
おまけ
⑪千住ザ・タワー(510円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです)

昨年のザ・パークハウス渋谷南平台に続き、今年も1位になったのは三菱地所レジデンスのザ・パークハウスグラン南青山四丁目です。

三菱地所レジは先ほどの記事で述べたように大手デベロッパーの中では最も管理費(ランニングコスト)面での頑張りを感じていたのですが、次点として挙げた千住ザ・タワーはそれなりのスケールのあるタワマンとしては類を見ないほどの高額な水準でしたし、そのパフォーマンスとのバランス次第(※)の部分は小さくはないようです。
※千住ザ・タワー総戸数184戸でディスポーザー、内廊下、各階ゴミ置場、コンシェルジュサービス、24時間有人管理

なお、例年通りワースト10にランクインしているのは都心部の超高額物件や小規模物件が主で、スケールメリットが得にくい中で、コンシェルジュサービスや24時間有人管理などが導入されているがゆえのものになります。

なお、気になっていた方もいると思うので言っておくと、複数街区・複数棟を有するハルミフラッグに関しては、コンセプトが1つであることには違いありませんので「1物件約320円/㎡」として紛れ込ませております(汗)。

ハルミフラッグに関してはそういった特殊な物件であることを逆手にとって収支計算書などから管理費に占める諸項目の詳細な分析も行っていますのでお時間のある方はこちらもど~ぞ。

ハルミフラッグ【管理費高の原因はやはり…】

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