2019年間取り部門②【小中規模でもたくさんの工夫や個性があります】

2019年間取り部門の続きです。

【銀賞】(順不同)
シエリア所沢
シエリア宮崎台
ルネ横浜戸塚
ソルフィエスタ堀切菖蒲園
ソルフィエスタ青砥

【銀賞】の上から3物件は「完全アウトフレーム+1」が受賞理由になります。

シエリア所沢は周囲の建物や日照との関係を考慮した斜め配棟のランドプラン、シエリア宮崎台は全戸玄関前宅配ボックス、そしてルネ横浜戸塚は直床ではあるもののシエリア宮崎台同様の玄関前宅配ボックスに加え、全戸玄関窓、そしてウゴクロ(全てのプランではない)も「+1」の要素になります。

建築コストの高騰などが影響し、ひと頃よりも完全アウトフレームプランが減っている中(感覚的なところではありますが…)、こういった「+1」を実現出来ているのは非常に素晴らしいことだと思いますね。

そして残る【銀賞】の2物件はソルフィエスタ堀切菖蒲園とソルフィエスタ青砥です。

これら2物件の間取りのポイントは「高効率性」と「+α空間」であり、大半のプランで大きなバルコニー、そして、プランによっては玄関前に巨大なプライベートポーチを設けるなど、田の字プランが多く供給されるエリアの中では群を抜くレベルの工夫が盛り込まれたプランが素晴らしかったと思います。

バルコニー床材を標準で大判タイル敷にしているあたりも評価に値する物件でした。

ちなみに、【銀賞】【銅賞】の多くを占める中・小規模物件ではコスト面でもスケールメリットが得にくく、共用部や空地はもちろんのこと、共用廊下に関しても大規模物件のような「ゆとり」を設けづらいのが現実です。

共用廊下は容積率計算の対象外ではあっても、建築コストには当然影響してくるわけで、フロア形状にもよりますが一般的に1フロア面積が大きな大規模物件ほど効率的、かつ、ゆとりある共用廊下設計が可能になることが多いものなので中・小規模物件でゆとりある造りがなされているというのはそれだけで価値あることなのです。

【銅賞】(順不同)
クリオレジダンス横濱ベイサイド
アデニウムたまプラーザ
プラウド武蔵新城スクエア
プラウド世田谷砧
パークホームズ日本橋人形町二丁目
アトラス日暮里グレイスコート

【銅賞】の先陣を切るのはクリオレジダンス横濱ベイサイドで、【銀賞】【銅賞】の中では数少ないスケール感のある物件になります。

プラウドシティ日吉の「Sulatto3」には及びませんが、三井住友建設の「SuKKiT3」が採用されており、開口部に関してその恩恵を最大限に享受できる角住戸周りはもちろんのこと、全体的に豊かな三次元空間を実現している点を評価しました。
こういった特殊な構造は小規模物件では実現が難しく大規模物件だからこその魅力になるでしょうね。

次のアデニウムたまプラーザは「SuKKiT3」ほど特殊な構造ではないものの、そのパフォーマンスはかなり素晴らしいものがあります。
「耐震壁付ラーメン構造」を採用しており、「約2.35mのハイサッシ(+梁らしい梁がないのでバルコニー手摺もガラス)」が実現出来ているのが最大のポイントなのですが、「厚さ300mmのボイドスラブ」という点も地味に凄いと感じる物件になります。

そして、プラウド武蔵新城スクエアプラウド世田谷砧に関しては、小規模ながらプランバリエーションが豊富というか「1つ1つのプランの魅力を高めよう、個性を出そう」というデベロッパーの心意気を強く感じたことが受賞理由になります。

プラウド横浜岡野などにもそれに近い傾向を感じましたし、昨今の野村不動産には安易に田の字オンパレードに走ることを良しとしない風土を感じます。

昨年の物件になりますが、やり過ぎた結果(?)プラウドシティ東雲キャナルマークスのような難しいプランニングになることもありますし、最小面積16㎡で話題持ちきりのプラウド中目黒などは「話題先行」に近いものを感じるわけでちょっと気になるところではありますが(インパクトがあればいいってものではない。SNS社会の弊害でしょう…)、明確な「違い」を打ち出すことが大切であるのは言うまでもありませんからね。

一方、パークホームズ日本橋人形町二丁目は角住戸だけでなく中住戸にもダイナミックな開口部を実現出来るワイドスパン設計が魅力的でした。
デベロッパーや設計会社の手腕もさることながら、細長いワイドスパンにお誂え向きの敷地形状がこの設計を可能にしたのは言うまでもありません。

ラストのアトラス日暮里グレイスコートは、新発想の「+NEST」空間が受賞理由になります。
都心部の物件ながら和室を導入し、和室の床を30~40cmに底上げしたことで、その下部に床下収納を設けています。

個人的には和室ではなく洋室の「小上がり」の方が今の時代にマッチしていると感じはするものの、プランの効率性を語る上で馬鹿に出来ない理にかなった設計で、今後はこういった「三次元」で効率性を追求したプランが増えてくるといいなぁと思っています。

ちなみに、首都圏の物件ではないので選外ではありますが、ザ・ハイホリエは間取り好きにはたまらん物件なのでお暇な方はどうぞ。

0 Comments



Post a comment