2019年全国マンション市場動向①【ハルミフラッグがあってもこの数字】

2019年の全国マンション市場動向が不動産経済研究所により発表されました。

発売戸数は70,660戸(前年比12.0%減(9,596戸の減少))
1戸あたり価格4,787万円(前年比0.6%増、㎡単価は前年比1.8%増)
とのことです。

毎月の発売戸数の記事をご覧いただいている方はよーくお分かりかと思いますが、2019年はハルミフラッグの第1期1次のあった8月を除くと低調な数字ばかりが並んでいましたので何ら驚きのない数字です。しかしながら、発売戸数の7万戸ちょっとというのは1976年以来の低水準になるということで普段から不動産マーケットに熟知していない方にとってはインパクトのある結果なのかもしれません。

首都圏のエリアごとの数字を見ていきましょう。

「発売戸数(前年比)、平均価格(前年比)」
都区部:13,737戸(-13.9%)、7,286万円(+2.0%)
都下:2,537戸(-30.8%)、5,487万円(+4.8%)
神奈川県:7,183戸(-12.5%)、5,295万円(-3.0%)
埼玉県:4,581戸(+6.7%)、4,513万円(+4.8%)
千葉県:3,200戸(-36.0%)、4,399万円(+2.2%)

そのハルミフラッグという超大規模物件の供給がありましたし、都区部は前年比でももう少し高い水準を保てるのではないかと思っていましたが、全国の12.0%減よりも大きな13.9%の減少ということで想定していた以上に低調でしたね。

ちなみに、首都圏全体の供給戸数に占める都区部の割合を計算してみると2019年は44.0%で、過去5年間(46.3%⇒45.7%⇒41.3%⇒44.6%⇒43.0%)の平均的な水準でしたね。首都圏に関しては都心部と郊外どちらがとりわけどうという感じではなく全体的に減っている印象になるでしょう。

なお、都下だけは非常に大きく減少している状況なのですが、完成後もかなり長期的に分譲している物件も複数ありますし、毎月の契約率を見ていても目立って低調な数字になっていることが多いので30%超の減少自体に微塵も驚きはありません。
ただ、逆に言うとそれぐらい需給の乱れというか検討者が求めている価格水準(予算)とデベロッパーの供給する価格帯の差が大きくなっていると感じるわけで(都下の中でも例外的なエリアはありますので「都下」の全てがそうというわけではありません)、もう少しデベロッパーはこういった数字(結果)に真摯に目を向けて欲しいと思ってしまいますね。

神奈川・埼玉・千葉あたりも全体としてお世辞にも売れ行きが良いとは言えない中、神奈川以外は価格が上昇しており、都区部とは異なり「投資ニーズ」が多いとは言えないエリアでまだこんなに価格上昇する余地があるんだ…という思いもあります。

なお、単価に関して言うと、以下のような感じで、

「坪単価(前年比)」
都区部:371万円(-1.2%)
都下:262万円(+6.4%)
神奈川県:251万円(-1.4%)
埼玉県:212万円(+3.4%)
千葉県:200万円(+3.4%)

都区部が意外(?)にも下落しているのに対して都下・埼玉・千葉は大きく上昇しており、やはり単価の上昇を専有面積を下げることで誤魔化している様子(※)が窺えますね。
※例えば、以前だったら70㎡で5,300万円(坪単価250万円)になっていたお部屋が69㎡5,350万円(坪単価256万円)になるみたいなこと。

短期的にはそのような施策で誤魔化せることもありますし、むろん物件次第ではあるものの(少々コンパクトになろうとも多くの方が住みたいと思う魅力的な立地の物件ならば問題ない)、実需による購入が多数を占める郊外寄りのエリアに関してはやはり少々行き過ぎた水準なのかなと思いますよね。平均的な一般的な田の字ベース3LDKが5,000万円前後もするわけで、ほとんどの物件は全くもって誤魔化せていませんよねぇ…。

かなり長期に渡り好調な数字が並んでいた近畿圏に関しても2019年末あたりから低調な数字が目立つようになってきましたし、外資系不動産ファンドなどを初めとして投資的な資金流入がありながらも低調な数字に終わった都心部も含めかなり深刻な水準であるのは確かでしょうね。

世界的な金回りに明らかな綻びが生じない限りは大手デベを中心とした殿様商売(オフィス・商業などの他セグメントで十分な利益を生み出すことが出来ているので、マンションは売れる分だけ供給出来れば十分)がまだ続くものと思われますが、コロナウイルスが経済に与える影響も小さくないでしょうし、世界経済的に見ても火種はわりとたくさんあると思っているので、余談を許さない状況にあるのは間違いないと思っています。

次回は恒例のデベロッパー別の供給戸数を取り上げます。
今年も1位はあそこですし、上位は基本的に代り映えしない感じなのですが、大手が全体に占める割合に関してはわりと動きがありました。

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