港区・千代田区・中央区のマンション市況【2019年市場動向フィードバック②】

今回の第2回は港区・千代田区・中央区の都心3区の2019年をフィードバックして行きます。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご参照下さい。
2019年全国マンション市場動向
思っていた以上に波及した価格高騰【2019年マンション市場動向フィードバック①】

不動産経済研究所によると3区の数字はこちらで(「順位」や「前年比」などに関しては私が計算したものになります)、
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さらに、2006年以降の平均単価の動きをグラフで表したものが以下になります。
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※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。

・港区【2年連続の大幅下落、戸数も低調】
2018年に続き2年連続で平均坪単価が大きく下落しました。とは言え、昨年言及しているように2017年の平均坪単価651万円はパークコート青山ザ・タワーが大きく寄与してのものと言えますし、2019年の数字が低調になったのも個々の物件の影響が大きいでしょうね。

2019年の発売戸数は前年比で60%ちょっとに過ぎない467戸に留まる中で、以下の主な供給物件パークコート南麻布が143戸を占め、港区の平均坪単価はパークコートの平均坪単価とかなり近くなっています。

白金ザ・スカイ(平均坪単価約685万円)は昨年中に第1期が行われたにもかかわらずなぜか2020年1月にカウントされてしまっているので、仮にそれが本来あるべき2019年にカウントされていたら平均坪単価は全く異なる数字になっていたことでしょう。

そんな感じなのでこの2019年の結果だけで確かなことは言えないものの、いくら人気の港区とは言えども価格が行くところまで行ってしまっている印象があるのも事実で話題性の高い物件でないと供給戸数が伸びていない印象があるのも確かですね。

これまでも何度か言及していますが、直近1年半ほど前から「1億台半ば~2億ぐらい」の高額住戸の中では”中途半端”な価格帯のお部屋が特に苦戦する傾向にあると感じます。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
パークコート南麻布(約550万円)

・千代田区【年間発売戸数はたったの224戸】
以下のように主な供給として目立つのが年間50戸前後を供給した2物件しかないことからもお分かりのようにとにかく2019年の千代田区は低調、かつ、地味でした。

年間の供給戸数は前年比で約42%となるたったの224戸で、目立つ高額物件の供給にも欠けたことを考えると平均坪単価が大きく下がるのは当然と言ったところでしょうか。

前年比での平均坪単価の下落率はハルミフラッグにより大きく下落した中央区に次ぐ23区中2番目で2015年以降最も低い水準になります。

港区同様に全体の供給戸数がかなり少なくなっており、2019年1年間の数字だけで判断するのは早計ではあるものの、やはり個々の物件の売れ行きはけして良いとは言えませんし、専有面積を絞ったコンパクトの供給が増える傾向にあるのも少々気になるところではあるでしょうね。

むろん立地にもよりますが、港区や千代田区というのはもともと大きな面積帯のプレミアム住戸ニーズが旺盛なエリアであり、そういったお部屋の方がむしろ坪単価を伸ばせる傾向にあるのですが、2019年は港区・千代田区共にコンパクト目の供給が目立ってきており平均専有面積が低下しています。

物件によっては以前ならば面積帯の大きなプレミアム住戸を設けることで坪単価を伸ばせていたところ、そういった住戸のニーズが減退したことで仕方なくコンパクトで単価を追求しているところもあると思われ(単純に言うと、単価を伸ばしやすいのは100㎡超>50㎡未満>70㎡前後の一般的なファミリータイプの順になる)、この傾向がさらに強まるようだとちょっと心配ですね。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
シティハウス千代田外神田(約455万円)
リビオレゾン千代田岩本町ルジェンテ(約415万円)

・中央区【中央区というかハルミフラッグ区】
先日の全体の記事でも申し上げているように中央区はとにかくハルミフラッグな1年でした。

年間発売戸数2,043戸のうち940戸がハルミフラッグですので、平均坪単価の大幅下落、平均専有面積の大幅上昇は当然の結果です。

この中央区の数字はほぼ「ハルミフラッグの数字」と言っても過言ではなく中央区の果てと言っても言い過ぎではないハルミフラッグの影響が出まくりなこの数字から中央区全体の傾向を申し上げるには至りません。

次に供給が多かったのもベイサイドタワー晴海(※)ですし、それ以外もミッドタワーグランド、パークタワー晴海など、湾岸エリアのタワマンのシェアが高くなっているので、平均坪単価が低くなるのは当然のことと言えるでしょう。

2018年のように日本橋や築地界隈の物件のシェアが高まると400万円超になるということです。

※309戸供給されていますが、そのほとんどが年末にかけての大量供給(デベロッパーである住友不動産が「年間販売戸数No.1」を達成するための所業)であり、その大量供給による年末時点での契約率は1%程度しかありません。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
ハルミフラッグ(約300万円)
ミッドタワーグランド(約410万円)
クレヴィア日本橋浜町公園(約400万円)
シティハウス東京八重洲通り(約400万円)
パークタワー晴海(約350万円)
パークホームズ日本橋橘町(約415万円)
ベイサイドタワー晴海(約360万円)

◎港・千代田・中央の総評
中央区はハルミフラッグが理由とは言えども、平均坪単価の下落率ワースト3をこれら都心3区が占めるとはちょっとした驚きでした。

上述のようにそれぞれの区の個別物件の影響はあれど価格低迷期と高騰期の3年平均の比較においても23区中6位・12位・11位といずれの区も順位がかなり下がってきており、そのあたりも少々のサプライズでしたね。

今後もこの傾向が続くとは思えないものの、都心部が高騰し過ぎたがために絶対的な坪単価では控えめに映る周辺区のニーズが高まりそのあたりの区の単価が伸びているという側面があるようです。

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