台東区・江東区・荒川区・墨田区のマンション市況【2019年市場動向フィードバック④】

今回の第4回は台東区・江東区・荒川区・墨田区の2019年をフィードバックしてみます。
※首都圏や都区部の全体感については以下をご参照下さい。
2019年全国マンション市場動向
思っていた以上に波及した価格高騰【2019年マンション市場動向フィードバック①】

不動産経済研究所によると4区の数字はこちらで(「順位」や「前年比」などに関しては私が計算したものになります)、
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さらに、2006年以降の平均単価の動きをグラフで表したものが以下になります。
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※いずれの結果にもいわゆるワンルーム投資マンションは含まれておりません。

・台東区【伸び悩み気味ながら依然として狭小による高騰】
平均専有面積は前年比でわりと伸びたものの、相変わらずコンパクトな供給が目立ち平均専有面積は23区中墨田区に次ぐ狭小っぷりです。

もともと今回の4区の中でも単価帯が高いこと、また、平均専有面積が2年連続40㎡台という限界まで下がり切ってしまっていることによる伸びしろ(コンパクト化を進めること、コンパクト物件が多くなることで単価がある程度伸びる余地がある)の小ささなども影響してか前年からの坪単価の変動は小さいですね。

先日分析した新宿・目黒・文京あたりは千代田・港・渋谷のファミリータイプにはちょっと手が届かない層の受け皿となっていた感がありましたが、台東区はそのようにコンパクトの供給が多いエリアになっていることも影響してかやや伸び悩んでいる印象にはなるでしょうか。

ただ、近年のさらなる狭小化が寄与し、価格低迷期と価格高騰期との単価比較では138%と23区中6位の上昇率を記録しているので、その反動的な部分もなきにしもあらずだと思います。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
クレヴィア上野池之端(約450万円)
プレサンスジェネ浅草イースト(約350万円)
ルフォン蔵前ザ・レジデンス(約370万円)

・江東区【特定の物件の影響が…】
これら4区の中では突出して平均専有面積が高く基本的には実需(ファミリータイプ)の動向に数字が大きく左右されるエリアになります。

ただ、今年も特定の物件の影響がかなり大きいですね…。

今年も大して売れもしないのにシティタワーズ東京ベイが年末にかけ大量供給されており(デベロッパーである住友不動産が年間供給戸数No.1を達成するがための所業)、年間供給戸数はシティタワーズだけで442戸、さらにブランズタワー豊洲も475戸と言った具合でこれら2物件だけで全体の半分近くに達しています。

平均坪単価は前年比で110%と23区内で上位に入る水準ではあるのですが、以下のようにそのシティタワーズとブランズタワーが平均坪単価を上げているのは間違いなく、しかもシティタワーズ東京ベイで年末に大量供給されたお部屋の契約率は1%程度(年末時点)でしかないことを考えるとこの平均坪単価は実態を表しているとは言い難いものがあると思いますね…。

まぁ、シティタワーズに関しては2018年末にまとめて供給した在庫分が2019年にそれなりには売れているというところでもあるのですが…。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
シティタワーズ東京ベイ(約360万円。2019年に供給されたものの平均です。当初2017年からのものも含めるともっと安くなります)
ブランズタワー豊洲(約425万円)
プラウド住吉(約305万円)
プラウドシティ東雲キャナルマークス(約330万円)
プレミスト有明ガーデンズ(約290万円)
メイツ深川住吉(約300万円)
ルネ南砂町リバーフィール(約245万円)

・荒川区【目立つ物件がない中でも23区中No.1の上昇率】
2019年の発売戸数は前年比64%ほどで以下のように目立った供給物件も少なくなっています。

ただ、そんな中でも2019年も平均坪単価を伸ばしており、価格低迷期から価格高騰期に至る平均坪単価の上昇率約146%は前年に続き23区中1位になっています。

前年の記事でも書きましたが、スケールのあるブランド物件やタワーなどの大規模物件がない中でこのような単価上昇率を記録しているので余計に凄みを感じますね。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
プレシス西日暮里(約305万円)

・墨田区【今年はついに23区中最も小さくなりました】
墨田区と言えばやはりコンパクトでしょうね。
ライバル(?)である台東区は2018年から平均専有面積を上昇させたのに対してこちらはさらに減少させてしまったので、2019年は台東区を抜き23区中最も小さな専有面積の区になってしまいました。

コンパクト物件が増えたことも影響してか坪単価は前年比でそこそこ伸びてはいますが、価格高騰期を価格低迷期と比較した価格上昇率は123%にとどまっており、近隣区である台東区や江東区などと比較すると結構差が大きいと感じてしまいます。

参考)2019年の主な供給(カッコ内は平均坪単価)(順不同)
リビオ錦糸町(約270万円)

◎台東・江東・荒川・墨田の総評
ここ数年のこういった分析記事の際には大体申し上げているように23区全体での価格高騰の中で東と西を比べた場合どちらかと言うと「東高西低」の傾向があり、次回分析する「世田谷・杉並・品川・大田」あたりと比べるとここ数年の上昇率の高さが窺えるエリアになります。

ただ、そもそもそれら西側の区は東側に比べ高騰前の坪単価が高かったので伸びしろが小さくなりやすいという側面もありますし(都心3区などとは異なり基本的には実需で成り立つエリアなので、「青天井」というわけにはいかない)、2019年は杉並・品川あたりが前年比でかなり大きく上昇したこともあって2019年はその傾向が少し弱まった感じですね。
「東側」も価格がかなり高騰してしまったことで多少なりとも「揺り戻し」が来ている印象になります。

コロナショックにより今後はマンション価格の下落可能性が高まっていますが、近年上昇率が相対的に高かった(数年前まではかなり目に優しい水準だった)これらの区が今後どのように推移するのかは中でも興味深いところになるでしょうか。

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