ローレルコート赤羽【期待ほどではなかったが、9年ぶりのスケール】7階72㎡8,448万円(坪単価386万円)

ローレルコート赤羽。

所在地:東京都北区赤羽南2-193-1(地番)
交通:赤羽駅徒歩8分
用途地域:準工業地域
階建・総戸数:8階建、81戸

大日本印刷の工場跡地に誕生する物件です。工場跡地はこの敷地以外にも道路を挟んだところに2つあり、それらも含めた一体的な開発(例えば商業施設下駄履きの大規模レジデンスとか)が期待されたのですが、最終的にそれぞれが別々の開発になってしまいましたし(長谷工が取得していたのでいずれも長谷工が施工に携わってはいます)、C敷地が某学会の講堂とはね…。

B敷地は長谷工が単独で共同住宅(兼寄宿舎)を建てますし、当物件の2倍近いスケールのものになる予定ですが、このA敷地の物件と一緒(敷地は道路を挟んで別々にはなりますが、例えば共用施設を共同利用するなど敷地の連続性を活かした設計にする)に長谷工×近鉄で頑張ったらプラウドシティ赤羽に匹敵する赤羽エリアを代表するぐらいの物件になったはずなので、やはり残念な思いはありますね。

このご時世ですのでこういった"切り売り"が長谷工にとってリスクマネジメント上、適切だったのは間違いありませんが…。

ただ、ホームページ等でもアピールされているようにこの物件だけでもそこそこのスケールのあるものになります。
総戸数では先行するクレヴィア赤羽ステーションテラスの89戸よりも少ないのですが、こちらはファミリータイプ中心なので平均面積帯が大きく、クレヴィアを上回るぐらいのスケール感のある物件になります。

けして高くない8階建ながらそれなりのスケールを実現出来ていることからもお分かりのように、敷地面積は2,600㎡超あり、赤羽駅での敷地面積2,500㎡超は9年ぶりのことになることからも当物件のスケール感が伝わると思います。

まぁ、クレヴィアと比べそこまでスケールで勝っている感じではないですし、2,600㎡はそこまで突出した水準ではないのですが、そもそも赤羽駅というのは総戸数100戸超ですら数少なく、分譲マンションにおいて総戸数200戸超で突出しているのがプラウドシティ赤羽ただ1件だけという状況ですので、スケール感をアピールするのも納得と言ったところでしょう。
だからこそ、プラウドシティ赤羽に匹敵するものを見たかったという思いが余計に強くなったりもするわけですが…。

なお、当工場跡地の大半が住宅になることで周囲も住宅中心のエリアになりますし、小学校へのアクセス性なども見てもファミリー向けの立地という印象ですね。
目の前の稲田小学校は、統合により2024年に北区立都の北学園(仮称。小中一貫校)に生まれ変わり、現在の神谷小学校などの敷地の一部に建設されることになっているのですが、それでも徒歩6分です。

立地・スケール共に特色を感じる物件である上、「北区初×近鉄不動産初」のZEH-M Oriented採用(認証)というあたりからも当物件への力の入れようが窺えるというものですね。

公式ホームページ
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お部屋は72㎡の3LDK、南角住戸です。南東側は3階建の戸建などが立ち並ぶ低層エリアなので視界抜けも得られますが、南から南西にかけては道路を挟んでそのB敷地(当物件とほぼ同じ高さの8階建)になるので凄く魅力的なポジションというほどではないでしょう。
日照・視界面のバランスを考えたらやはりこの南角上層階が物件内で最も魅力的ではあるとは思いますが…。

間取りはそのような南角なりにそこそこの大きさではあるものの、これが物件内で最大のものになるという意味では少々小さめな印象ではあるでしょう。

ただ、当物件はそもそもがファミリータイプ中心のプランニングになっており、ここ1~2年の間に赤羽駅徒歩10分圏内で供給されたどの物件よりも面積にゆとりがあるのは確かです。

コンパクトプラン中心のルフォンリブレ赤羽と比べた場合には言わずもがな、シティハウス赤羽レジデンス(最大63㎡)やクレヴィア赤羽ステーションテラス(最大66㎡)と比べても大きなものになっており、小学校隣接のファミリー向けのポジションだけのことはありますね。

このような上層階住戸ともなると8,000万円台中盤にもなりますのでこれよりもさらに大きくするというのはかなり難しいはずでこの面積帯でも結構頑張った印象ではあります。

間取りは田の字ベースの横長リビングプランといった感じで、角住戸らしさは高いとは言えません。しかしながら、しっかりとした大きさの二面採光のLD、わずかながらクランクインとすることでプライバシー面にも配慮した玄関など押さえるべきところは押さえてきている印象になるでしょう。

坪単価は386万円。利便性と住環境のバランスが取れたポジション、さらに、ゼッチ採用等による設備面でのクオリティの高さを考えれば価格に期待しづらいのは確かなのですが、シティハウス赤羽レジデンスすらも上回る水準というのは予想外でした。

クレヴィアのグロスの嵩むファミリータイプはコンパクトに比べ単価が抑えられていたのでこちらよりも明らかにこなれた水準ですし、上述のようにこの8,000万円台中盤というグロスはエリア的なものからするとかなり”攻めた水準”と言えるでしょうね。

こういった70㎡台を”ある程度自信をもって供給出来る立地”自体が貴重なわけですし、高いとは思いつつも新築(もしくは築浅)をお望みの方にとっては魅力的な物件になるのは間違いありませんが、どこかしらクオリティを少し下げてでももう少し単価を抑えた方がエリア的なバランスはとれていた印象ではあるのかなと。

こういうマンションは見ていて楽しいですし、多くのデベロッパーがコストダウンに励むご時世においては非常に評価出来る点ではあるのですが、必ずしもそういった面が資産価値(リセールバリュー)に反映されるわけではないですからね。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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