藤沢ザ・タワー【清水建設ではないが、「スーパーワイド」な開放感】5階71㎡4,958万円(坪単価232万円)

続けて、藤沢ザ・タワー。

設計・施工は大末建設で、”タワー”とは言えども19階建総戸数92戸という小ぶりなスケールのため免震や制振などの特殊な構造は採用されていません。

前回の記事で書いたように、数年前までは清水総合開発(当物件は東京建物とのJV)の「ヴィーク」シリーズは親会社の清水建設が設計・施工に携わることが少なくなかったですし、清水建設のタワマンは角住戸周り(外観的にもインパクトのあるコーナーサッシなど)に力を入れたものが少なくないことを考えれば当物件ももう少しそういった"配慮、頑張り"と言ったようなものがあると良かったという思いがないと言えば嘘になりますね。

ちなみに、大末建設にタワマンのイメージが少ない方もいらっしゃるかもしれませんが、23階建のクレヴィアタワー池田山では免震構造の施工実績もありますし、直近ではレーベン本厚木ザ・マスターズタワー(19階建)にも携わっています。

デザイン監修は、陣設計になります。
当物件の売主でもあるブリリアの他にもオーベルやクレヴィアでの実績が豊富な会社で、ホワイトを基調とした爽やかなカラーリング、そしてバルコニー周りの水平・垂直ラインを際立たせたフォルムは端正なものと言ってよいでしょう。

エントランスホールは二次元的には一般的な大きさという印象ではあるものの、2層吹抜になっている点は評価出来ますし、屋上のスカイデッキに加え、1階にはそこそこの大きさのあるサードプレイスラウンジが施されているあたりも特徴の1つになります。

総戸数200戸超というスケールがあり、エントランスアプローチや共用施設なども充実していたグレーシア藤沢鵠沼のような物件と比べるとどうしても地味な印象にはなってしまうものの、総戸数92戸という一般的なスケールからすれば仕方のないところでしょうね。

敷地は角地ですし、せめてエントランスアプローチがもう少しゆとりのある見映えがするものになっていると良かった気はしますが…。

なお、このエリアらしく共用部にサーフボード置場やシャワースペースが設けられた物件になります。

前回の藤沢ザ・タワー

公式ホームページ
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お部屋は70㎡超の3LDK、南向き中住戸です。当物件は全戸南向きなのですが、当住戸は先ほどの南西角の東隣に位置した敷地西寄りの中住戸であり、南側には8階建のレオーダ藤沢があるので、この階だと視界的な影響は小さくありません。ただ、当物件の敷地内南側はシーニックガーデン(小さ目の中庭)や駐車場が施されており、前建まで約25mの離隔が図れているのでこの階ならば日照は問題ありません。

間取りはなかなかに魅力的なものです。「スーパーワイド」をコンセプトにしているだけのことはありますね。

「スーパーワイド」という表現が用いられるのはヴィークコート立川以来でしょうか。
ヴィークコート立川は単なるワイドスパンプランに限らず、1階住戸において”トリプルワイド”(「ワイドテラス」×「ワイドスパン」×「ワイドガーデン」)という試みもなされていた非常に興味深い物件でした。

当物件はワイドスパンとは言え、見ての通り中住戸は洋室2室が共用廊下側に並ぶのが基本ではありますし(世の中には3LDK全居室がバルコニー側に並ぶものもあります)、”スーパー”は少々大袈裟な印象もなくはないものの、洋室2のウォールドアを開け放つことでかなりのワイドな空間が実現するという意味での珍しさは大いに評価出来る点でしょう。LDの開口部にはセンターオープンサッシが採用されているのでそういった意味での開放感もあります。

当プランはそれに加え玄関を共用廊下からかなり奥まった位置に設計することで動線面の工夫が施されているあたりも好感の持てる点になりますね。

柱の食い込みもほとんどないですし、効率性という意味でも高い評価が出来ます。

坪単価は232万円。眺望らしい眺望が得られる高層階は同プランでも坪単価300万円を超えており、低層中住戸の中でも前建の影響の強いポジションなりのお値段設定と言えるでしょう。

ただ、上述のように離隔はわりと図れていますし、日照的にも問題がないことを考えればこの単価は魅力あるものと言えそうです。ワイドスパンゆえの高い採光性と効率性を兼ね備えているわけですしね。

そのグレーシア藤沢鵠沼やプレディア藤沢鵠沼ローレルコートの低層階と同水準で、駅距離で勝っていることを考えても魅力ある水準ではないでしょうか。

そのプレディアの記事でも言及したように近年の藤沢駅界隈での供給は非常に盛んですし(この後もプレイ藤沢プロジェクトやプラウド湘南藤沢ガーデン)、そのあたりやコロナの影響も幾らか考慮しているのでしょう。
※ちなみに、第1期は46戸の50%の供給でこのご時世にしては上々のスタートです。むろん契約率次第でもありますが…。

設備仕様面は、水回りの天然石天板はないものの、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗い器は付いています。ただ、トイレ自体はロータンクなどではなくタンクが結構目立ったタイプであり、そこはもうひと頑張り欲しかったですね。

管理費は268円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザーが付いていますし、エレベーターもしっかりと2基ありますので、この水準ならば御の字でしょう。

駐車場は全51台で、身障者用を含む9台が平置、残りの42台が機械式になります。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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