2020年8月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると8月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数1,669戸(前年同月比8.2%減)
1戸あたり価格6,011万円(前年同月比6.2%ダウン)
契約率68.5%(前年同月比6.9ポイントダウン)
とのことです。

契約率は前月よりも上がったとはいえ60%台ですし、発売戸数も前年同月比で減少と、緊急事態宣言後の”反動”を感じることの出来た前月と比べると一見低調な数字ではあります。

ただ、反動を感じるまではいかなくともそんなに悪い数字ではないでしょう。なぜなら昨年の約1,800戸のうち600戸がハルミフラッグの第1期によるものなのでハルミフラッグがなければ昨年よりも遥かに多いですし、一昨年8月の約1,500戸も上回っています。

在庫に関しても前月末(7月末)に比べ392戸減少しており、目立つ数字とまではいかずともお盆があり例年低調になりがちな8月の中ではむしろ良い方と言えるのではないでしょうか(例年とは異なりお盆も休まないモデルルームが結構あったのも影響しているとは思います)。

なお、平均価格は今年最も低い約6,000万円になっています。
ただ、今月は都区部の供給が低調で、都区部のシェアが低いことが影響した結果になります。全体として価格に下落傾向があるということではありません。恒例の億ション比率も、今月は5.5%ということで平均的な水準でしたね。

ちなみに、神奈川はやはり前月の記事で申し上げたザ・パークハウス鎌倉の影響で平均価格・単価共に前年比3割前後の上昇とすんごいことになっています。

なお、不可解な傾向を感じていた最近の中古市場の動きですが(7月の記事ご参照)、8月の数字はまともっちゃまともです。

レインズマーケットウォッチによると、マンション・戸建いずれも成約件数が前年同月比で2割前後と大幅に増加すると共に価格も上昇(前年同月比ではどちらも上昇していますが、前月と比較するとマンションは約2.1%安(前月が不可解なほど上昇し過ぎていた影響)、戸建は3.7%高と大分"歪み"が小さくなりました)しています。
マンションの方はここ最近成約件数減の中で価格上昇という不可解な傾向があり、心配していたのですが、今月の数字からは”新築に比して相対的にゆとりある専有面積のお部屋を手にすることが出来る中古に流れる”傾向が明確に見て取れ、需要増の流れが価格上昇につながった自然な結果だと思います。

平均専有面積は66.44㎡ということで前年同月比3.4%の大幅上昇なのはもちろんのこと、ここ数年の首都圏の年間平均専有面積63~64㎡台と比べても明確に高い数字を記録しています。

個人的にコロナが経済に及ぼす影響はこれでおしまいとは思っていないので(助成金などがあるとはいえ懐具合が厳しい事業者・就業者は相当数存在しているので景気の下押し要因になる)、いくら需要が増えたとはいえ中古価格の顕著な上昇は少々理不尽に感じてしまうのですが、新築の狭小トレンド自体はすぐに方向転換出来るものではないですし、特に今時期はある程度強めの価格で妥協するしかないのかもしれませんね…。

さて、来月の新築ですが、現時点で把握できているだけでもザ・レジデンス四谷、プラウドタワー東池袋ステーションアリーナを筆頭に、プラウド神田駿河台、プラウド荻窪三丁目、リビオ蒲田ザ・ゲート藤沢ザ・タワーなどなかなかのラインナップです。
平均価格は随分高くなるでしょうね…。

ただ一方で、タワーのプラウドもそこまでスケールのある物件ではないですし(第1期は115戸)、目立った大規模供給があるわけではないので戸数自体は例年の9月よりも少なくなるかもしれないですね。むしろそういった中で契約率がどの程度になるのか注目しましょう。

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