プラウド神田駿河台【物珍しさは言わずもがなですけど…】2階49㎡7,499万円(坪単価511万円)

続けて、プラウド神田駿河台。

設計・施工は竹中工務店です。最近で言うとザ・リーフィアレジデンス成城のような小規模物件であろうとも、心臓を鷲掴みされるぐらいのインパクトのあるデザイン(主に共用部)を実現してくれるのが竹中が竹中たる所以であり、ここも小規模ながら端正なフォルムを纏った瀟洒な仕上がりです。

外観に関して言うと、コーナーサッシの透明感とバルコニー隔て板の木調の組み合わせがやっぱり素晴らしいですね。

ただ、木目調のデザインを取り入れるというのは近年のそれなりの価格帯の物件では頻繁に見られるもので、当物件は"竹中による物件"という意味ではと”デザイン”よりも”技術・構造”つまりは「木材」に焦点を当てたものになるでしょうね(別の言い方をすれば見た目のインパクトや驚きという点では期待を裏切るほどのものではなかったということです)。

前回の記事で言及した「燃エンウッド」に加えLVLハイブリッド耐震壁、CLT耐震壁などで木材を積極的に活用した物件で、五輪の競技場等で一般の方にも広く知られるまで知名度が高まった隈研吾氏の作品に代表されるように高層建築物にも木材を活用するなど数年前から”木材を見直す動き”が高まる中でこのような取り組みを行うこと自体非常に意味のあることでしょう。

ただ、構造上(耐力上)、当物件の木材は補助的な役割に過ぎませんし、内装の無垢材及び共用部に木材を積極的に利用すること自体は高額物件であればそこまで珍しいことではなく、語弊があるかもしれませんが、デベロッパーやゼネコンの”エゴ”が勝ってしまっている感があるのは気のせいでしょうか。

階高をしっかりと確保し、コーナーサッシを強調した外観フォルムはやはり格好良いとは思うのですが、この価格帯の「野村×竹中物件」ということを思うとさらに驚かせて欲しかった、そういった思い湧いてしまうのも事実です。

前回のプラウド神田駿河台

公式ホームページ
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お部屋は49㎡の2LDK、南向き中住戸です。前回の記事で述べたように南側の明治大学の敷地とはグラウンドレベルが全く異なり、この2階でも14号館(いずれ建替えられる予定なので将来的にはどうなるか分かりません)を越えるか越えないかぐらいのポジションになります。圧迫感は皆無ですし、日照も良好ですね。

間取りは物件内で最も小さなもので、2LDKなのに50㎡に満たないという少々ざわつくプランです(私だけ?笑)。

ここ1~2年の賃貸の記事で頻繁に述べているように住宅ローン控除を加味する必要のない賃貸マンションは50㎡前後の2LDKのシェアがかなり高まっているのですが、この立地の分譲マンション、ましてプラウドで50㎡未満の2LDKというのは面食らいました…。

LDKは12.3畳とは言え、LDドア位置からお分かりのように実質的な廊下部分が大きく混入しての畳数ですし、これはなかなか衝撃的な2LDKですね。

先日のイニシア日暮里アベニューの記事で言及したようにモリモトやコスモスイニシアなどの差別化を得意とするデベロッパーですら50㎡台中盤の3LDKを強いられてしまう時代で、”民意が後押ししての結果"であればまだしもコロナの影響(まだ大きな流れにはなっていないが広めのお部屋を求めるトレンドの変化が出てきている)でむしろ”民意に反した”ものとなってきている感すらあるのがちょっと気になりますね。

坪単価は511万円。むろんパークコートにはこんな大きさの2LDKはありませんでしたが、2LDK低層階と言う意味では近似した単価であり、所有権と定借の差、そして物件時自体のグレード差を考えるとかなり強めの印象になります。このような小さなプランは床暖房すらないですからね…。

ここからは想像にはなってしまうのですが、十中八九こういった木材を多用した特殊な構造や内装を採用したことで一般的なものに比べ建築コストはかなり高く付いているはずです。
こういった技術の積み重ねが今後のさらなる木材利用につながるのは言うまでもなく意味のあるコンセプトではあると思うのですが、自身がそこにわざわざ高い金を払うか?と言うとちょっとどうなのかなと…。

なお、地代等は497円/㎡(地代事務管理費及び解体準備金含む。地主側が小規模住宅用地の特例を受けられる2年目以降は地代が安くなり353円/㎡)で、解体準備金が影響したそれなりの金額ではあるものの、これだけの立地の物件ですので土地の固定資産税がかからないことを考えれば悪い水準ではないでしょう。

設備仕様面は、全体で言うとディスポーザーがないのはどうかと思いますし、11階以下の40~50㎡台のお部屋に至っては床暖房すらないのが驚きを通り越しますね(汗)。12階以上の約80㎡のお部屋は全室LDビルトインエアコン(11階以下もLDにはビルトインエアコン)、全熱交換器型24時間換気などそれなりですし、食洗機、トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、LDに照明(ライティングレール)が標準搭載されるなどの特色もありはするのですが…。

管理費は406円/㎡。ディスポーザーなしの外廊下ですし、コンシェルジュサービスや各階ゴミ置場もありませんので小規模とは言えども高いですね…。この販売単価帯の物件であれば平均的な水準ではあるのですが、この内容だと割高感があります。

駐車場は身障者用を含む3台のみですが平置になります。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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