リビオ東中野ヒルトップ【「2種類の庇」が生み出す存在感】4階54㎡6,870万円(坪単価420万円)

続けて、リビオ東中野ヒルトップ。

設計は日建ハウジングシステム、施工はアイサワ工業です。

前回の記事で書いたように、用途地域が影響しタワー棟だけでなく5階建の低層棟との2棟構成となった物件で、"全体で高さを出せているわけではない"こともありとりわけ空地(空地率は約58%)にゆとりを感じることはありません。

ただ、やはり南東方向に傾けて配棟したことで低層エリアを望む全戸南東向きのランドプランが実現しているのは素晴らしい点ですし、そういった一風変わったランドプランを採用しつつもエントランス周りを上手にまとめている印象を受ける物件でもありますね。

エントランス横には緩やかなカーブを描く車動線(駐車場へのアプローチ)が施され、印象的なデザインの大庇が施された空間設計は山手通り沿いを行きかう人や車窓から一目置かれるものとなることでしょう。

エントランスホールは2層吹抜などのスケール感のあるものではなく、もうひと頑張り欲しかった印象もありますが、敷地中央部に設けられた枯山水の中庭、そして、南西面の庇が生み出すランダムパターン(階によって異なる)など日建ハウジングシステムらしい確かな工夫にも好感を覚える物件ですね。

前回のリビオ東中野ヒルトップ

公式ホームページ
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お部屋はやはりタワー棟の54㎡の2LDK、南東向き中住戸です。南東方向には当物件の低層棟(5階建)があるので視界抜けこそないものの、日照に関しては半永久的に保たれるであろうポジションです。

間取りは一般的な居室配置の2LDKという感じなのですが、「全戸南東向き」としたことの弊害かスパンが少々短い印象ではありますね。

ただ、開口部はスパン目一杯に確保出来ているので開口部はきちんとありますし、玄関を共用廊下からセットバックした位置に設計出来ているので廊下も長くありません。

セットバックしたことで柱の食い込みは抑えられていますし、玄関前にゆとりあるアルコーブ空間が実現出来ているのも評価出来る点でしょう。

坪単価は420万円。日照が保たれるポジションではあるものの、視界面を考えると少々強めの印象になるでしょうか。同じタワー棟でも3LDKの低層階は坪単価400万円未満があるのに対し、面積が小さく相対的にグロス価格が嵩まない2LDKは結構差のある設定になっています。
こういった面積差により単価差が生じることはけして珍しいことではないというかむしろ定番の値付けとも言えるぐらいなのですが、単価差はもう少し小さくあるべきだった印象はありますかね。

設備仕様面は、2棟構成とは言え総戸数135戸のスケール、そして平均でも優に400万円を超える価格帯の物件であることを考えるとディスポーザーがないのは違和感があります。ただ、食洗機、トイレ手洗いカウンター、クオーツストーンの水回り天板、廊下・洗面・トイレ床のタイル貼などそれ以外はそれなりですね。

管理費は220円/㎡。そこそこのスケールがありながらの「ディスポーザーなし×外廊下」物件ですので高くはありませんが、むろん各階ゴミ置場やコンシェルジュサービスなどコストがかかる設備やサービスもありませんので、だったら200円/㎡を切るぐらいであって欲しかったですね。
2棟が住戸階で連結しているわけではないので、総戸数135戸でエレベーターが3基(タワー棟は2基)と基あたりの戸数が少なめなことも影響(エレベーターの点検・メンテナンスコストの影響)してはいるのだとは思いますが…。

駐車場は全30台で身障者用を含む2台のみが平置、残りの28台が機械式になります。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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