パークホームズ調布ザ・レジデンス【ディスポーザーなし×各階ゴミ置場あり】1階67㎡5,990万円(坪単価294万円)

続けて、パークホームズ調布ザ・レジデンス。

設計・施工は長谷工で直床になります。

非常に立派な価格帯の物件ですし、高さ制限からすると二重床でも問題ないと思っていたのでちょっと驚きましたね。
最も大きなブライトテラス(東向き)のある近隣商業地域部分は高度地区指定のない「最高高さ31m」です。向かいのプレミスト調布や後発のシティハウス調布が10階建であることからもお分かりのように31mは10階建まで行ける高さなので8階建ならば十分過ぎるほど階高にゆとりがあるはずです。

太い道路に面しているわけではないので道路斜線制限との兼ね合いが厳しくプレミストほどセットバック出来ていない(後退距離を確保出来ていない)がゆえの8階建というところはあるのでしょうが、仮にそのせいで直床になったのだとしたらあと数十センチ後退すれば二重床が可能だった計算にはなるのでこのような価格帯の物件であればそこは頑張って欲しかったところではあるのかなと。

絶対的な限度である「最高高さ」の影響でどうしても階高が出せず、「空地率が低くなる(階数を減らすとその分建築面積が増えるので空地が小さくなる)ぐらいなら直床で階数をギリギリまで増やそう」というのは理にかなっていると思うのですが(これに関しても賛否はあると思います)、このケースはかなり残念ですね。

なお、デザインに関しては名士・井上家の系譜を継承する地ということもあってかかなり力が入っていると感じます。
最大のポイントとなるのは、前回の記事で書いた南東角住戸の柱・梁を外側(空中)に出したダイレクトサッシ部分のデザインなのですが、基壇部のマテリアルもかなり繊細なので重厚感も十分です。

エントランスホールはその駅からの動線において”顔”となる南東角にあり、なおかつ、ガラス貼の2層吹抜としたことで、外観デザインにも好影響を与えてくれています。
また、エントランスホールの天井部は波のような曲線を描く三層の折り上げ天井とするなどかなり凝ったセンスの良い空間になりますね。

ランドプランに関して言うとプライベートガーデンと言ったような”まとまったゆとり”こそないものの、東側・南側道路沿いをしっかりとセットバックし(これは道路斜線制限を緩和する意味合いもある)、そこに植栽やインターロッキングの歩道(通称:グリーンプロムナード)が施されるので当物件周りの雰囲気はとても良いものになるでしょうね。

前回のパークホームズ調布ザ・レジデンス

公式ホームページ
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お部屋はエアリーテラスの67㎡の3LDK、西向き中住戸です。エアリーテラスは敷地西側の第一種中高層住居専用地域内に位置しており、正面西方向も同一中高になるのでそこまで高い建物があるわけではありません。

少し先にある5階建のアジャンタ調布により冬場の日照への影響はありそうですが、手前は2階建の戸建ですので、このような奥行のあるテラス・専用庭があれば圧迫感は強くないでしょう。

間取りは物件内では小ぶりな3LDKにはなるものの、柱の影響の少ないプランですし、幅のある開口部の先にテラス・専用庭が広がるLDK周りの空間的な広がりからすれば専有面積以上のゆとりを感じることが出来るのは間違いありません。

横長リビングプランのため廊下は多少長めですが、玄関前にはしっかりとしたアルコーブスペースもありますし、バランス的にも悪くないと思います。

坪単価は294万円。平均で330~340万円になるであろう物件の下限となる貴重な300万円未満のお部屋です。

同様に視界が抜けるわけではない2階住戸よりも200万円安くなっていますし、テラス・専用庭付の+α空間のあるプランであることを考えれば魅力ある水準だと思います。

第一種中高層住居専用地域内、かつ、そちら側を向いているということで将来に渡り最低限の日照が保たれる可能性が高いですし、道路に面していないがゆえに落ち着きのある環境が享受出来るのも長所になると思います。

このお部屋は"5,990万円"ということで”パンダ”を意識したお値段設定と言えるでしょうね。

設備仕様面は、平均坪単価330万円はくだらないであろう総戸数162戸でディスポーザーがないのはかなりの衝撃でした。それなりのスケール・価格帯の物件でもディスポーザーを導入しなかった住友不動産が直近に心変わりして小規模コンパクトでもディスポーザーを導入し始めるなど、業界全体的に採算が厳しい中で従前よりも"デベロッパーによる戦略の違い"が浮き彫りになってきていると感じるのですが、これはちょっとやり過ぎではないでしょうか…。

その代わり(?)に当物件は各階ゴミ置場を導入しており、8階建(中低層)での各階ゴミ置場は都心部の億ションなどでしか見られない(後はハルミフラッグとかね)非常に貴重なケースで、一度各階ゴミ置場のマンションに住むとそうではないマンションには住めないぐらい魅力的な設備だと思っているのでそれ自体は非常に良いとは思います。

ただ、ディスポーザーがないことで生ゴミが多くなると各階ゴミ置場の臭気や害虫対策は懸念材料になりますし、この価格帯の総戸数162戸でディスポーザーなしはやはりミスマッチかと…。

また、食洗機はありますが、トイレは手洗いカウンターのないタンクタイプ、浴室照明はダウンライトではなくブラケットになっているなど特に坪単価400万円近い高額住戸にとっては面食らうレベルです…。

管理費は194円/㎡。このスケールでディスポーザーを導入していないだけあって安いです。というか、各階ゴミ置場のゴミ収集作業にはかなりの人件費がかかるはずでそれがあってのこの水準はとってもリーズナブルだと思います。

極端に収集回数が少ないとかなければこの水準はとっても魅力的ですし、この水準がベースならばディスポーザーまで導入してもランニングコストは許容範囲内に収まっていたとすら思いますが…。

駐車場は全54台で身障者用の1台のみが平置、残りの53台が機械式になります(他カーシェア用1台)。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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