2020年9月の首都圏マンション発売戸数
不動産経済研究所の発表によると9月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,477戸(前年同月比5.0%増)
1戸あたり価格5,812万円(前年同月比3.0%ダウン)
契約率73.4%(前年同月比16.6ポイントアップ)
とのことです。
発売戸数は昨年よりは増えましたが、9月はお盆休み明けの秋商戦の始まりとなる時期で、一昨年は3,300戸超、3年前も3,000戸弱だったことからも分かるように例年それなりの戸数が出てくるタイミングなので今年はむしろ少ない方になります。
ただ、前月(8月)の記事で書いたように、今年はコロナ自粛期間の余波でお盆休みの時期に営業しているモデルルームもわりとありましたし、その8月の反動や在庫自体もその8月末から400戸余りも減少しているように、そこそこ供給されている(売れている)印象ではありますよね。
“自粛期間の反動”とまでは言えないレベルではありますが、月末在庫は昨年・一昨年の9月よりも少ないですし、目に見えない在庫(既に完成していようが販売開始されていなければ在庫としてはカウントされない。さらに言うと、売れる目途が立たないため販売すらせずに賃貸に流すケースも少なくない)はともかくとして、数字上の需給面はかなりの改善傾向が見られる状況にあります。
今月の契約率は73.4%と今年2番目に高い水準であることからも消費者心理の改善傾向が窺えますね。
なお、価格に関しては今年最も低い水準で、前月の時点では高額物件の供給で上がると見込んでいたので予想を裏切られました。
原因は主に2点あり、都内のシェアがかなり低かったこと、そして1都3県の中で平均価格の安い千葉県の供給が盛んだったこと、が挙げられます。
都内のシェアは47.7%で、前月の45.4%よりは高かったものの、昨年9月の58.8%と比べるとかなり低くなっており、5割を切ってくると余程の高額物件の大量供給がない限り平均価格は伸びづらい傾向にありますね。
9月の数字に大きな影響を与えているであろう主な供給物件として、即日完売したプラウドタワー東池袋ステーションアリーナ(第1期1次115戸の平均価格は11,222万円)に加え、戸数は少ないながらもザ・レジデンス四谷があったのでもう少し高くなるかと思ったのですが、一方で千葉県ではメイツ西白井(即日完売の第1期1次50戸の平均価格は3,587万円)が供給されており、少なからず相殺されたようです。
千葉県での供給は前年比で334%増となる560戸とかなり多く、その中には千葉県最高水準のプラウド浦安の第1期1次47戸も含まれているはずなので、必ずしも大人しい価格帯の物件ばかりではありません。ただ、560戸の平均は4,718万円でしかなく、これだけ千葉県全体で供給が多くなるとやはり全体の平均価格は下がりますよね。
なお、恒例の億ション比率は約5.1%ということで今月も平均的な水準でした。
また、こちらも恒例になってきているのですが、レインズ発表による中古市場の傾向についても一言。
9月の中古マンションは前年同月比で成約件数減の中、単価上昇(前年同月比だけでなく、”前月に比べても上昇”)ということで、またもや購入検討者にとって嬉しくない状況に逆戻りしてしまいました…。
前月に引き続き平均専有面積は約66㎡ということでコロナによるトレンドの変化もあってか狭小感の強い新築から中古へ流れている様子が窺える結果なのですが、面積が大きくなることでグロス価格は単価以上に上昇しているわけで平均価格(グロス)で言うと前年同月比で6.6%も高くなっているというのは…。
さて、来月(10月)ですが、都心部ではパークコート虎ノ門とブリリアシティ西早稲田、横浜ではプラウド馬車道などグロスの張った物件の供給が行われているので平均価格は高めになる可能性が高いと思います(今月のように都区部のシェアがどのぐらいになるか次第でもありますが…)。
上述のように数字上の在庫自体は減ってきており、秋商戦が本格化する中で発売戸数・契約率共に高い水準になるようであれば、当面は価格面での下押し圧力は小さくなりそうです。
コロナの影響を微塵も感じさせない強気なお値段設定のものが少なくないのですが、こちらが思う以上に売れているので…。
発売戸数2,477戸(前年同月比5.0%増)
1戸あたり価格5,812万円(前年同月比3.0%ダウン)
契約率73.4%(前年同月比16.6ポイントアップ)
とのことです。
発売戸数は昨年よりは増えましたが、9月はお盆休み明けの秋商戦の始まりとなる時期で、一昨年は3,300戸超、3年前も3,000戸弱だったことからも分かるように例年それなりの戸数が出てくるタイミングなので今年はむしろ少ない方になります。
ただ、前月(8月)の記事で書いたように、今年はコロナ自粛期間の余波でお盆休みの時期に営業しているモデルルームもわりとありましたし、その8月の反動や在庫自体もその8月末から400戸余りも減少しているように、そこそこ供給されている(売れている)印象ではありますよね。
“自粛期間の反動”とまでは言えないレベルではありますが、月末在庫は昨年・一昨年の9月よりも少ないですし、目に見えない在庫(既に完成していようが販売開始されていなければ在庫としてはカウントされない。さらに言うと、売れる目途が立たないため販売すらせずに賃貸に流すケースも少なくない)はともかくとして、数字上の需給面はかなりの改善傾向が見られる状況にあります。
今月の契約率は73.4%と今年2番目に高い水準であることからも消費者心理の改善傾向が窺えますね。
なお、価格に関しては今年最も低い水準で、前月の時点では高額物件の供給で上がると見込んでいたので予想を裏切られました。
原因は主に2点あり、都内のシェアがかなり低かったこと、そして1都3県の中で平均価格の安い千葉県の供給が盛んだったこと、が挙げられます。
都内のシェアは47.7%で、前月の45.4%よりは高かったものの、昨年9月の58.8%と比べるとかなり低くなっており、5割を切ってくると余程の高額物件の大量供給がない限り平均価格は伸びづらい傾向にありますね。
9月の数字に大きな影響を与えているであろう主な供給物件として、即日完売したプラウドタワー東池袋ステーションアリーナ(第1期1次115戸の平均価格は11,222万円)に加え、戸数は少ないながらもザ・レジデンス四谷があったのでもう少し高くなるかと思ったのですが、一方で千葉県ではメイツ西白井(即日完売の第1期1次50戸の平均価格は3,587万円)が供給されており、少なからず相殺されたようです。
千葉県での供給は前年比で334%増となる560戸とかなり多く、その中には千葉県最高水準のプラウド浦安の第1期1次47戸も含まれているはずなので、必ずしも大人しい価格帯の物件ばかりではありません。ただ、560戸の平均は4,718万円でしかなく、これだけ千葉県全体で供給が多くなるとやはり全体の平均価格は下がりますよね。
なお、恒例の億ション比率は約5.1%ということで今月も平均的な水準でした。
また、こちらも恒例になってきているのですが、レインズ発表による中古市場の傾向についても一言。
9月の中古マンションは前年同月比で成約件数減の中、単価上昇(前年同月比だけでなく、”前月に比べても上昇”)ということで、またもや購入検討者にとって嬉しくない状況に逆戻りしてしまいました…。
前月に引き続き平均専有面積は約66㎡ということでコロナによるトレンドの変化もあってか狭小感の強い新築から中古へ流れている様子が窺える結果なのですが、面積が大きくなることでグロス価格は単価以上に上昇しているわけで平均価格(グロス)で言うと前年同月比で6.6%も高くなっているというのは…。
さて、来月(10月)ですが、都心部ではパークコート虎ノ門とブリリアシティ西早稲田、横浜ではプラウド馬車道などグロスの張った物件の供給が行われているので平均価格は高めになる可能性が高いと思います(今月のように都区部のシェアがどのぐらいになるか次第でもありますが…)。
上述のように数字上の在庫自体は減ってきており、秋商戦が本格化する中で発売戸数・契約率共に高い水準になるようであれば、当面は価格面での下押し圧力は小さくなりそうです。
コロナの影響を微塵も感じさせない強気なお値段設定のものが少なくないのですが、こちらが思う以上に売れているので…。
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