ガーデンクロス東京王子【容積率200%のゆとりがあっても一筋縄ではいかないランドプラン】3階71㎡6,398万円(坪単価297万円)

続けて、ガーデンクロス東京王子。

設計・施工は長谷工ですが二重床が採用されています。ザ・ガーデンズ東京王子は直床でしたので昨今のマンション価格高騰を加味して~というところがあるのでしょうか。

一方、設計面に関しては前回の記事で書いたようにザ・ガーデンズ東京王子のようなコーナーサッシ周りの特長がなく(ザ・ガーデンズ東京王子の角住戸もそういった特長があったのはごく一部だけですけど…)、共用廊下側の柱の食い込みなどを見てもごくごく一般的な長谷工物件という印象になります。

前回の記事で”団地型”と揶揄してしまったように、南北に南向きが2棟並んだランドプランも"芸がない"と感じてしまうところではあるのですが、正方形に近い敷地形状で、南北の奥行も結構しっかりしており、2棟間の離隔がそれなりに図れることを考えればこれ以外の選択肢はないと感じるのも事実です。

ただ、当エリア及び北側隣接地は工業地域で日影規制はないですし、高度地区指定などもありませんので(北側隣地は倉庫なので日照で文句を言われることもないはず)、もっと敷地北側にガーデンコートを寄せる、もしくはザ・ガーデンズ東京王子のように背後のガーデンコートを”南西に傾ける”といった配棟もアリだったようには思いますが…。

傾けた場合には敷地内に歪なスペースが生じるため、現状のように北側にきれいに平置駐車場を配置するのが難しくなりますし、口で言うほど簡単ではないんですけどもね。

なお、容積率200%しかない敷地なので、普通にしてても空地が大きくなるわけで空地率は約67%と高めです。
駐車場や駐輪場でかなりの面積を消費しても敷地中央にしっかりとした大きさのセントラルガーデン、敷地外周部にサクラプラザやガーデンパスなどの充実したスペースを設ける余裕があるぐらいですし、大規模物件ならではの魅力的な点の1つだと思うのですが、一方でエントランス周りの設計は気になりますね。

メインエントランス(グランドエントランス)は敷地東側中央部にあり東側の主接道を考慮してのもので、駅側からのアプローチはサブエントランス(ゲートエントランス)になります。

当物件の共用施設(メインエントランスと一体化した独立したコモンハウス棟内)の一部は外部の近隣住民等が利用できるようになっており、最近で言うとプラウドシティ日吉などに近い地域開放型・地域貢献型の提案を行っていることも影響してのものなのでしょうが、やはりメインエントランスは駅側に設計し、住民が毎日の出入りの際に心地よいものとなるような配慮があって欲しかったですね。メールボックスもメインエントランス側ですし、エレベーターもそちら寄りにあるなど日常の動線面で少なからず難を感じてしまいます。
別にコモンハウス側を共用施設をメインとした"サブエントランス"にしたって良かったわけで…。

なお、共用空間はガーデンラウンジ、パーティルーム、ゲストルーム、コワーキングルームの他、地域貢献施設「クロスデッキ」としてイロドリラウンジ、ファミリーラウンジ、ジャパニーズルームなどがあり、総戸数300戸のスケール以上に充実したものと言えるでしょう。

外廊下ですが、ディスポーザー付、そして共用施設が充実した中での管理費168円/㎡というリーズナブルさは駐車場106台を全て平置(維持費がほとんどかからない)に出来ているがゆえの恩恵と言えるでしょうね。

前回のガーデンクロス東京王子

公式ホームページ
SnapCrab_NoName_2020-10-29_9-21-22_No-00.png
お部屋はガーデンコートの71㎡の3LDK、南向き中住戸です。西寄りの中住戸ですが、南側はセントラルガーデンの西端にかかってくるポジションで、、低層階ならが視界面の魅力は小さくありません。11階建のブライトコートまでは30m以上の離隔が図れているので低層階でも日照への影響は少ないです。

間取りは中住戸でも70㎡超を確保しており、先ほどの角住戸同様にマルチワークカウンターを設置する余裕があります。
洋室3のウォールドアはかなりきれいに開け放つことが出来るようになっていますし、ちょっとした点ではありますが、中住戸のバルコニー形状にひと工夫施されている点も好感の持てる点になるでしょう。

これ自体はそこまでインパクトのあるものではないものの、当物件は堀船アドレスということもあり豪華客船をイメージしているようで、特長ある角住戸部分の最上部が夜間にライティングされるあたりはかなり異例のことと言えるでしょうね。タワマンなどでは何ら珍しくはありませんが、ここは14階建ですんで凄いと思います。

坪単価は297万円。中住戸にしては面積がそれなりなのでグロスで優に6,000万円を超えてしまっているのは気になるところではあるでしょう。
ただ、ガーデン隣接なのはやはり魅力的な点ですし、上述のように当物件は管理費がかなり抑えられているので(修繕積立金も当初80円/㎡と安いです。修繕積立計画により将来的にどのぐらいまで上昇するかをきちんと確認しましょう)、その点は少なからずカバーしてくれる要素にはなるでしょうね。

一昔前は同様のパフォーマンスでも管理費の安い物件はたくさんありましたが、ここ数年はランニングコストに関してもインフレ傾向が顕著で、このパフォーマンスでこのような管理費単価を実現出来ている物件は非常に少ないので、永住を視野に入れるぐらい長く当物件に住むことを予定している方にとっては魅力でしょうね。まぁ、やっぱりガーデンズが同リーズナブル水準だったがゆえにこちらも頑張らざるを得なかったと推測されますが…。

設備仕様面は、スケールを活かしディスポーザー、それ以外にも食洗機、トイレ手洗いカウンターなどまずまずです。ただ、浴室照明はダウンライトではなくブラケットタイプとなるなどコストダウンしている箇所も見受けられます。

駐車場はそのように身障者用を含む全106台で、いずれも平置です。他に来客用が2台あります。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

0 Comments



Post a comment