ザ・パークハウス横浜新子安フロント【駅直結感は薄いけどやっぱり特別な立地】7階93㎡8,988万円(坪単価321万円)

ザ・パークハウス横浜新子安フロント。

所在地:神奈川県横浜市神奈川区新子安1-24-3他(地番)
交通:新子安駅徒歩3分、京急新子安駅徒歩4分、大口駅徒歩14分
用途地域:第一種住居地域、近隣商業地域
階建・総戸数:10階建、180戸

子安小学校跡地に誕生するペデストリアンデッキ駅直結物件です。

正確には「オルトスカイデッキ」・「オルトステーションデッキ」から歩行者専用通路を介してつながる新子安歩道橋に直結する形で、駅からの動線は高低差があるため階段などを上る必要があったり、一連の動線に屋根がないなど、”歩道橋直結”感の強さが残念ではあるものの(三菱地所と野村不動産による磯子駅直結のトワイシア横濱磯子に近いものがあります)、むろん信号などを渡ることなく駅までアクセスできるわけですし、”JR駅直結徒歩3分(※)”は曲がりなりにも魅力的な条件であることは間違いないでしょう。
※当物件は、そのようにもともとは横浜市の土地だったということもあり、近隣住民の動線をより便利のものとしたい横浜市とデベロッパー(三菱地所)の意向が一致したために実現したもので、駅周り(JRや京急)はこれまでと変わりません。駅周りが動線面も含めリニューアルされると大分イメージも変わるのですが…。

なお、南方向には2000年頃の再開発により誕生したオルトヨコハマがあり(その手前にはロータリーがあるので離隔はそれなりに図れている)、当物件の南西方向んはその象徴的存在である40階建のURオルトヨコハマビュータワーが聳えるため、南面条件は芳しいものと言えません。ただ、オルトヨコハマがいい塩梅で線路の喧騒を妨げてくれる面もありますし、駅北側の住宅地の入口になるので多くのいわゆるペデストリアンデッキ直結物件と比べ落ち着きがあるというのは魅力の1つになるでしょう。

横浜市の西端、瀬谷駅のデッキ直結物件になるライオンズ横濱瀬谷ステーションスクエアの環境(良好な南面と落ち着き)には流石にかないませんが、将来性はあるとはいえ流石に現状の瀬谷駅前と比べるのは失礼ですし、直結物件としては落ち着きがあるのは長所になると思います。
駅南の低地に比べ標高が高く、さらに、線路に加え第一・第二京浜や首都高などからも適度な距離があるという点も良い材料でしょうね。

なお、日照に配慮が必要な住居系の第一種住居地域ゆえに「最高高さ20mの第4種高度地区」になるのですが、同地区指定のザ・パークハウス横浜新子安ガーデン同様に「横浜市市街地環境設計制度」の認定を受けたことで10階建が実現しており、無理なく南向き住戸率が高くなっているのも◎です(視界は良いとは言えませんが、日照に関しては良好)。

ちなみに、そのザ・パークハウス横浜新子安ガーデンを自分の中で振り返るために当時の記事を自身で確認したところ「第1期での497分の240戸(進捗率5割に満たない)は良い状況とは言えない」的なことを書いていて2013年頃の市況と今の市況があまりに違い過ぎてちょっとゾッとしました…(汗)。

その間にデベロッパーの販売手法が変遷を遂げたというのもありますが、当初は青田売りでありながらも結局完成売りになってしまう物件(住友不動産は初めから数年かけて売るスタンスなので論外ですが…)が少なくない価格面の魅力に欠ける昨今の市況はやはり少々行き過ぎているとの思いがあります…。

超低金利時代が続き月々のローンの支払い額になるとそこまで大きな差がないことがこういった状況を可能にしているとは言え、いつまでもたっても下がらないマンション価格に多くの方が根負け(やはりマンションを買うには”適切なタイミング”があるので仕方のないことで、それを否定するような意味合いは全くありません)するかのように徐々に徐々にマンションが売れていく様はなんとも言えないやりきれなさがありますね。

投資家ニーズや賃貸ニーズの強い都心部やコンパクト物件はさておきこういったファミリー向けマンションはもう少しなんとかならないものかと…。

そのための住宅ローン控除なのだと思いますが、住宅ローン控除自体は遥か昔からありますし、ここ数年だけで3~4割(4,000万円台だったエリアが5,000~6,000万円台とか)上昇している状況下においてはもっと”ファミリータイプ取得層”にとっての税制優遇などの手厚い政策があっても良いような気がしますよね(2021年度税制改正で対象住戸を50㎡以上から40㎡以上に変更されることとなりましたが、最も変更すべきはそこじゃないような…)。

まぁ、いずれにしろそういった優遇策は結局は"デベロッパー(企業)のためのもの"という印象が強く、減税を盾にデベロッパーがもっと高くとも売れるとふんでさらに高い値付けや仕入を行うだけなんじゃないか、という話なんですけども…。

公式ホームページ
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お部屋はブリージースクエアの93㎡の4LDK、南西角住戸です。敷地南西頂点部に位置したお部屋で、南向き住戸の中では南西方向のオルトヨコハマビュータワーの影響が大きい方になりますし、もちろん南方向の視界も抜けはしないのですが、西方向に関してはこの敷地と同じ「最高高さ20mの第4種高度地区」なので、この物件のように緩和を受けない限りは半永久的にこのお部屋からの視界が妨げられることはありません。

そういった点もあり、物件内では南東角の最上階に1戸だけある98㎡超のプランに次ぐ大きな面積となっており(このプランは1~8階にあります※1階はテラス付)、80㎡台半ばなどではなく93㎡というかなりしっかりとした面積が確保されているあたりはエリアNo.1を目指した物件のプライドのようなものを感じますね。

93㎡という面積がありながらも玄関廊下が一直線なのは賛否あるところなのでしょうが、効率性自体は良くなりますし、居室畳数と収納とのバランスにも違和感のない整ったプランという印象になります。

そのように西側の視界的な魅力の高いポジションになるのでLDの西側開口部はもう少ししっかりとしたものであって欲しかったところですし、さらに言うとL字バルコニーだったらなぁ…という思いもありますけれどもね。

坪単価は321万円。最上階ルーバルプランには360万円超のものもありますが、そういった特殊プランを除けば物件内で上限レベルの設定になります。

単価としては違和感はないものの、そのようにいわゆるペデストリアンデッキ直結とはちょっと違いますし、タワマンなどの分かりやすい高級感もあるとは言えない物件なのでおよそ9,000万円という立派なグロスは気になる要素ではあるでしょうね。

このエリアこの属性の物件ならば80㎡ギリギリで8,000万円を切るプランの方が無難だった気がします。こういった面積大でグロスが嵩むお部屋はそれこそ最上階などの特殊プランのいくつかだけで良かったのではないでしょうか。当物件の場合、最上階でも南方向の視界が抜けないというあたりがプラン面や価格設定に影響を与えているとも思いますけど…。

なお、平均では300万円ほどになると思われます。新子安界隈でのいわゆるファミリータイプの分譲マンションの供給は三菱地所による2014年のザ・パークハウス横浜新子安テラス(駅徒歩6分の小規模物件)以来のことで、そのテラスが平均坪単価約200万円、その前のその大規模×駅徒歩4分のガーデンが平均坪単価約210万円という水準でしたのでやはりかなり差が生じています。

ただ、当物件はそれらの既存物件に比べデッキ直結(歩道橋ですけど…)という魅力があるので実質的には5割ということはなく3割ほどの上昇という印象になるでしょうか(仮にその当時分譲されていたら220~230というイメージ)。上層階でも南面の視界抜けが得られないのは少々気になる要素ではあるものの、曲がりなりにもJR駅直結の3LDKが6,000万円台中心ならばニーズは十分にあるでしょうね。

ちなみに、このご時世は大手・中小問わずちょっとスケール感のある板状マンションになると長谷工設計・施工のオンパレードなのが現実です。
しかしながら、三菱地所レジは”ザ・パークハウスオイコス(三菱地所レジ×長谷工設計・施工専用のブランドを設けてしまっている)”を作ったことで自身の首を絞めてしまった感があり(常々言っているように個人的には長谷工の存在意義は我が国のマンション市場において非常に高いと思っていますが、どうしてもブランドイメージがついてきていないところがあり、”ザ・パークハウスオイコス”のブランディングがそのパフォーマンス以上に下に見られているところがある)、ここはガーデン・テラスに次いで"今時珍しい熊谷組を起用してのこの価格帯"という点も評価出来る点の1つになると思っています。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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