ザ・パークハウス横浜新子安フロント【熊谷組×豊かな面積帯】4階62㎡5,600万円台(予定)(坪単価約297万円)

続けて、ザ・パークハウス横浜新子安フロント。

設計・施工は熊谷組で、前回の記事でも述べたようにザ・パークハウス横浜新子安ガーデン・テラスの流れを継いだ起用とは言え、この物件がこのご時世の”一番手(先鋒)”だったら100%長谷工(※)になるような属性(類)の物件ですので、"前例(既存物件)があって良かった"という感覚にはなるでしょうか。

デベロッパーによってはそんなの関係ない、と言わんばかりに利益をトコトン追求し、後発であっても長谷工で直床とか、これまでの新子安の実績に関係ないものに方針転換していた可能性も十分にありうる話なのですが、流石に突然の「ザ・パークハウスオイコス」、この立地・価格帯での「ザ・パークハウスオイコス」ともなると風評被害がひどそうですし、利益追求にそこまでガツガツしていない印象のある三菱地所ということもあってか引き続きネームバリューのある熊谷組が起用されているのは大いに評価出来る点と言えるでしょう。

ホームページには「Serendipity(ふとした偶然をきっかけに幸運をつかみとること)」の言葉が躍りますが、そういった三菱地所の新子安での歴史をたどればこの物件が三菱地所によってこのようなパフォーマンスのものとして世に出ることは偶然ではなく”必然”だったのではないでしょうか。

さて、抽象的な話はここまでにして、具体的なところに踏み込んでいきましょう。

当物件の最大のポイントとなるのは、やはり3階部分に直結するデッキ(歩道橋)からのアプローチです。
ただ、3階部分にはフロントエントランスというこじんまりとしたエントランスがあるだけで、それ以外には特段の共用空間などは存在しません。デッキ直結物件ではありませんが、最近の物件で言うとガーデンクロス東京王子などと同様で、”主となるアプローチに力を入れづらい状況”になってしまっているのはやはり残念な点になります。

しかしながら、デッキ直結でももっとスケールのあるタワマンとかであればこういったフロアの多くを共用部にしても何ら問題ない反面、こういった10階建総戸数180戸というスケールで3階部分を大々的に共用部に割くのは現実的ではなく、総戸数180戸というほどほどのスケールからすれば1階のエントランス周りの空間設計は悪くないと思います。

敷地南東部のウェルカムラウンジは二層吹抜・二面採光の心地よい空間、また、波打つような天井部の設え、ふんだんに木調ルーバーを設けたデザイン性の高さも評価出来る点になります。

また、当物件の3倍近いスケールのあるザ・パークハウス横浜新子安ガーデン同様に敷地内のガーデン(緑)が非常に充実している点も当物件の大きな特長になるでしょうね。当物件は「横浜市市街地環境設計制度」の認定を受けるために公開空地を充実させた結果、高さ制限の緩和を受けており、”総戸数180戸程度”の規模でこのような緑豊かなランドプランが実現出来ているのは立派と感じます。

オーナーズラウンジに面したポジションにはしっかりとした大きさのコモンズガーデン、敷地南側道路沿いを東西に貫くシーズンズアヴェニューなど、総戸数180戸から受ける印象以上の豊かな空間が広がっています。

共用施設としてはそのオーナーズラウンジの他にゲストルームとコレクティブスタジオ(多目的集会室)があり、こちらも総戸数以上と言えると思います。

やはりメインアクセスはデッキ直結の3階部分になるので、どうせならば3階部分まで吹抜にした"1階エントランスと共通の空間"にしてしまい(1階部分からはホールに面した階段などを設置)、3階エントランスは"その大空間を見下ろすような渡り廊下的なアプローチ"になっていると直結物件らしい差別化に優れたものに仕上がっていたと思いますけれども、そこまで求めるのは流石に酷でしょうか…。

前回のザ・パークハウス横浜新子安フロント

公式ホームページ
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お部屋は62㎡の1LDK+S、南向き中住戸です。当物件の南向きは2つの棟に分かれており(中央部でエキスパンションジョイントで連結)、このプランは西側の棟に位置しています。同じ南向きでも西寄りのお部屋の方が南西方向の40階建のオルトヨコハマタワーの影響が大きくなるのですが、南東~南の日照は何ら問題ないですし、視界面に関してはどの南向き住戸もオルトヨコハマ(商業棟)で塞がれますので、大きな差ではないでしょう。

間取りは物件内唯一の60㎡台になります。実質的に2LDKとなるプランで2LDK自体(実質的に3LDKになる2LDK+S除く)もこのプラン1つだけになります(1階には同面積の専用テラス付のものがあります)。

3LDK(2LDK+S含む)が70㎡台以上で構成されていることからもお分かりのように全体的にこのご時世にしてはゆとりある設計が採用された物件で、このような2LDK(1LDK+S)に関しても同様の印象になるでしょう。

62㎡は2LDKとしては大きいですし、柱が完全にアウトフレーム化されてのものですので有効面積という意味でも一般的な50㎡台の2LDKとの差は小さくありません。

LDの入口付近には事実上の廊下スペースがやや長めに混入してはいるものの、LD単体で12.4畳は60㎡超ならではの大きさですし、洋室のウォールドアを開くことで22畳超の大空間が実現するあたりもこの面積帯ならではと言えるでしょう。

南面にはしっかりとした幅の連窓サッシ、かつ、バルコニーの奥行も2mあるということでかなり空間的な広がりに期待出来るプランになります。

最大天井高は2.41mということで分譲マンションとしては最低水準になるのですが、経験上、最大天井高の10cm程度の差はほとんど感じることはないので特に気にはならないですね。下り天井は目線にかかってくるので、下り天井高(目視で推測するに2mぐらいでしょうか)がもう少し高いと良かった印象ではありますが、一般的な範疇ではあります。

坪単価は予定価格で約297万円。70㎡台の3LDK中住戸と同水準であり、3LDKに比べグロスが嵩んでいないのをいいことに単価が盛られているといったようなことはありません。
2LDK(実質)のプランとしては面積が大き目でグロスがそれなりなことも影響していると思います。

そもそも当物件はそのように全体的に面積が大き目で、3LDK(2LDK+S含む)が数多くあるにもかかわらず、60㎡台の3LDKがなく70㎡台後半の中住戸がわりとあるのが大きな特徴と言えるのですが、そのように部屋数のわりに面積が大きくなっていることで単価が伸びきらない面が生じていると感じます。

眺望などが良ければまた違うのでしょうが、この物件は残念ながらそういった面はほとんど期待出来ず、"予算が青天井的な方のニーズ"はどうしても限られてしまいます。そういう意味では"予算に限りがあり何かを妥協してデッキ直結を望む層"のニーズを最大限キャッチすべきだったように思うわけで、中層階に「67~68㎡の3LDK6,200万円台(理想は同単価の6,000万円台だが、坪単価304万円となるこのぐらいでもニーズは確実にあったはず)」、低層階では3LDK5,900万円台みたいな提案があるとwin-winだった気はしますよね…。

駅距離があったりさして特徴のない物件において安易に面積を絞るのは得策ではありません。しかしながら、こういった注目度が高く、かつ、スケール(総戸数)もそれなりな物件であれば面積幅はもっとあって良かったはずで、そうすることが購入者の利益にもつながったことでしょう(将来的なリセール時などにも幅広いニーズを吸収出来、全体的な価格下落を抑えることが出来る)。

設備仕様面は、スケールを活かしディスポーザーが付いているのはもちろんのこと、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンター、ダウンライトの浴室照明など違和感のないものです。
ただ、全体的に面積が大きいのでグロス価格は立派であり、高額住戸には水回りの天然石天板仕様があってもおかしくなかったレベルだとは思います。

管理費は178円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での水準ですし、充実した植栽などの維持管理費コストを考えれば魅力ある水準でしょう。総戸数180戸なのでエレベーターは2基かと思いきや3基ありますしね。

駐車場は全87台でカーシェア用1台を含む11台が平置、残りの76台が機械式になります。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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