パークコート虎ノ門【絶品のガーデン×純住宅】3階67㎡16,290万円(坪単価810万円)

続けて、パークコート虎ノ門。

設計・施工は大林組、かつ、免震構造が採用されているという21階建総戸数120戸として良好なパフォーマンスを有した物件になります。まぁ、免震に関しては、近隣で分譲された19階建総戸数62戸のプラウド虎ノ門が免震構造を採用していたぐらいなのでこちらが採用しないわけにはいかない的な事情もあるでしょうね。

ただ、当物件はそれだけではないというか、個人的にはそれ以上と思える大きな特長が2つあり、まず1点目になるのが二次元・三次元共に優れたプランです。

三次元に関しては、前回の記事で書いた通りの「最大天井高2.8m×梁による凹凸が一切ない空間設計」、一方、二次元に関して言うと「雁行設計による角住戸率約90%のフロア設計」が特筆すべき点になるでしょうね。

中低層階は1フロア7戸あるのですが、南西面と北東面を雁行設計にしたことで通常1フロア4戸となるはずの角住戸を6戸に出来ており、中住戸は1フロア1戸しかありません(高層階は1フロアの住戸数が6戸以下になるので全戸角住戸に出来ている)。

そして、もう1点の特長となるのが傾斜地を活かしたランドプランとデザインになります。
当物件は南傾斜に位置しており、敷地北西部が道路境界からかなり下がった崖下的なポジションになるのですが、その部分に高低差約3.5mの傾斜に沿った形で水が流れ落ちるプライベートガーデンが施されています。このプライベートガーデンはスケール的にもかなり大きなものになる上(歩行できるスペースは大きくはない)、その高低差を活かした大々的に施された水の流れを伴う庭園的なデザインが秀逸で、2層吹抜の瀟洒な空間デザインが実現したエントランスホール(兼ラウンジ)から一望できるその庭園風の借景は少なくともマンションにおいては過去に類を見ないものと言ってもいいかもしれないですね。

心を奪われたザ・パークハウスグラン千鳥ヶ淵のガーデンのような正統派の日本庭園風ではないのですが、スケールではこちらが遥かに上回っていますし、外部から閉ざされた場所にこれだけのスケールの瀟洒なガーデンというのはスペシャル過ぎます。

傾斜地万歳ですね(笑)。

なお、このスケールでは通常共用施設には期待しづらいところなのですが、パーティーサロンや屋上スカイテラスなども備えた物件で、タワマンを好む層のニーズもしっかりと満たしているあたりは三井不動産らしい点と言えるかもしれませんね。ザ・レジデンス六本木とは対照的です。

視界面で厳しいお部屋も少なくないため“純住宅(ちなみに、デザインに光井純氏が携わっているとかではありません。笑)”というコンセプトながら40~60㎡台が結構あるのが疑問だったりもするのですが、40~60㎡台が100㎡台などと同一のここまで高グレードになるケースは珍しいので、”面積的な贅沢さ”は求めていないけれど共用部や専有部のグレード感に”最高水準”を求めたい方にとってはこの物件は凄く向いていると思います。

なお、外観に関しては角住戸周りのダイレクトサッシの多さからお分かりかと思いますが、一言でいうと"ガラスウォール"です。
ただ、高層階は階間のスラブ(梁)部分にもガラスを貼っており、ガラスウォール以上にガラスウォールなデザインは、ここいらへんではけして高くない21階建でも存在感を放つものとなることでしょう。

前回のパークコート虎ノ門

公式ホームページ
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お部屋は67㎡の2LDK、北角住戸です。北側は虎ノ門タワーズオフィス、北東が虎ノ門タワーズレジデンスとなる周囲の建物の影響が大きいポジションです。ただ、その2棟の間にはそれらの敷地内空地(ピロティ的な空間)を望むことが出来、将来的にも変わる可能性が低いという点では悪くないでしょう。

間取りは上述のように北東面が雁行設計になっていることで角住戸に出来ています。
ただ、先ほどの本来の角住戸とは異なりLDが角位置になく、サッシの連続性という点でもインパクトは大きなものではありません。

ただ、むろん2.8mの最大天井高や梁の凹凸のない三次元構造はそのままですし、上述のようにこういった面積帯ではなかなかお目にかかれない設計になります。

気になるのは面積帯のわりにゆとりがあり過ぎる玄関周りでしょうか。
ゆとりがあるとはいえ一直線なのでプライバシー面への配慮はイマイチですし、居室畳数がそこまで大きく出来ているわけではないのでこの廊下周りのスペースはちょっと勿体なく感じてしまいます。

坪単価は810万円。19階(当プランでは最も上階)でも818万円という水準で上階でもそれら2棟に視界が妨げられるポジションということで階差はめちゃくちゃ小さくなっています。

流石にこのお値段設定だと上の方に魅力を感じますが、下は下でその虎ノ門タワーズ内の空地の恩恵を感じやすくなっており、中層が一番中途半端な印象になるのでしょうね。

一昨年のプラウド虎ノ門の低層階は坪単価600万円台中盤であり、差はけして小さくはありません。ただ、2年間で周辺の再開発が実現・進行・具体化しましたし、低層でも一般的に言う"プレミアム住戸"となる専有部、そしてそのような共用面での特長(グレード感)も加味すれば違和感まではないでしょう。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、水回りの天然石天板仕様、トイレ手洗いカウンターなどはもちろんのこと、突板フローリング、廊下や水回り床のタイル貼、カップボード、全室ビルトインエアコン、全熱交換型24時間換気、スロップシンク(こういった都心立地の高額物件ではむしろ珍しいのですがこのあたりも純住宅らしい点でしょうか)など非常に充実しています。

管理費は610円/㎡。ディスポーザー付、かつ、内廊下、そして、コンシェルジュサービス、24時間有人管理もあっての総戸数120戸なので違和感まではないですが、お高いのは確かです。

駐車場は機械式とは言え6万円前後と超高額で台数的にも以下のように多めであることを考えると案外管理費の埋め合わせをしてくれそうな印象もあるんですけどもね…。修繕積立金会計に入れる割合が多いのかなぁ…。

駐車場は全68台(うち平置2台。地権者用含む)で一般分譲住戸は機械式のみになります。
ただ、台数自体は多めで、ここいらへんも”純住宅”らしいものと言えるでしょうね。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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