1000ドリームプロジェクト【角住戸はもっとお値段抑えるべきだった?】15階85㎡6,348万円(坪単価246万円)

1000ドリームプロジェクト(セントガーデン海老名)。

所在地:神奈川県海老名市泉2-953-4(地番)
交通:海老名駅徒歩5分(JR線。小田急線及び相鉄線は徒歩8分)
用途地域:工業地域
階建・総戸数:15階建、500戸(1街区)

今回の1街区だけだと500戸ですが、北側隣接地に同規模の500戸が予定されているので合わせると1,000世帯になる超大規模プロジェクトになります。

海老名駅前ではビナマークス、海老名ザ・レジデンスグレーシアタワーズ海老名リーフィアタワー海老名と、近年は特に目覚ましく開発が行われているわけですが、”マンションのスケール(総戸数)”で言うと当物件が最大ですし、データのある1993年以降小田急小田原線・相鉄全線における分譲マンションの中でも最大戸数になるという特大のプロジェクトになります。

ただ、海老名駅は都心直通線の開通及び駅間地区の再開発により非常に注目を浴びている反面、その駅間地区のリーフィアタワー海老名ですらデベロッパーが思うように販売出来ていない状況(当初は分譲タワマン3棟計画だったが、2棟目がなかなか完売しない状況で、当初は決まっていたはずの3棟目の建設がグレーな状況)にあるので、このタイミングでの1,000戸(とりあえずは500戸)ともなるとデベロッパーは大変だろうな…というのが正直な感想になるでしょうか。
※デベロッパーは日鉄興和不動産、JR西日本不動産開発、東急不動産、小田急不動産、相鉄不動産と実績のある5社ということで単純に5で割ると1社あたり200戸スケールでしかないのでリスクヘッジは出来ていると思います。

当物件はららぽーとが目の前になるのはやはり大きなメリットですし、2016年から分譲された海老名ザ・レジデンスの"15階建412戸という類似物件"に比べ駅に近くなっているのはやはり魅力ではあるでしょう。当プロジェクトと海老名ザ・レジデンスの間には大型スーパーの予定もありますし、先行するタワーとの価格差をしっかりと設けることが出来ればそこそこの数が捌けるはずですが、1,000戸完売の道程は長くなりそうです。

そういった状況もあり大事なスタートダッシュのためにイメージキャラクターとしてのんさんを起用しているのでしょうが、そのやり方自体がちょっと古い気がして…。

公式ホームページ
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お部屋はC棟の85㎡の4LDK、東角住戸です。敷地西側からA・B・Cと並んでいるのですが、南西向きのA棟・B棟に対し、C棟は南東向きになっており、この角住戸は東端に位置しています。
南方向にはグレーシアタワーズ海老名の被りがありはするものの、離隔はしっかりあるので日照などへの影響は一切ないですし、南東~北東方向にかけては申し分のない視界抜けが得られる最上階住戸になります。海老名ザ・レジデンスの東端のお部屋とは異なり鉄塔や高圧線との離隔が図れているのも良い材料でしょうか。

間取りはそのような物件内でも条件の良いお部屋ということで、少なくとも1街区においては最も大きなものになっています。

3LDKではなく4LDKではあるものの、80㎡台中盤ということで各居室は違和感のない大きさ、また、収納面に関してもしっかりしたものと言えますね。

ただその一方で気になるのは洋室4の形状とリビングインの洗面所でしょうか。洋室4は柱の食い込みが顕著で、これはちょっと使いづらそうです。

また、近年は60~70㎡台の中住戸において洗面所がリビングインのケースの方が多いぐらいの状況にありますし、キッチンからの家事動線を考えればリビングインもアリだとは思うのですが、4LDKである以上、ある程度の人数でお住まいになることが想定されますし、廊下からの動線の方が手堅い印象ではありますよね。
さらに言うと、お子さんが2~3人いるご家庭なども多いかと思いますので、こういった4LDKにおいては浴室も1418でなく1620が相応しかったように思います。

また、この専有面積帯のお部屋では玄関の下足スペースが随分と小さく、何人かで一緒に帰ってきた場合に玄関が狭そうなのも気になる点の1つでしょうか。

洋室2の引き戸がきれいに開け放てるようになっており、広々LDの3LDKとしても使える柔軟性があるのは◎ですね。

坪単価は246万円。タワマン(グレーシアタワーズ海老名及びリーフィアタワー海老名)の中層階と大差ない水準で、「マンションあるある(※)」ではあるものの、それらとは駅距離にも差があるわけですし、やはり強気に感じずにはいられません。
※タワマンとノンタワマンで"同階"の価格差を比べた場合大差ないことが少なくない。タワマンは高層部分があるので全体平均だと高くなるが、中低層階だけの平均だとノンタワマンと大きな差がないことがままある。

第一期の供給住戸を見ると、こういった物件内で条件の良い角住戸は、中低層階よりは上層階の供給が多くなってはいるのですが、角住戸率(棟間のお見合いにより、角住戸らしい角住戸は1フロア2~3戸レベルでしかない)が低い物件ながら、角住戸の供給がそれ以上に少なく感じる状況(つまり、あまり要望が集まっていない。こういった角住戸率が低い物件は角住戸に人気が集まり角住戸に人気が集まることが少なくないがそうなっていない)にあります。

やはり先行する"タワマンと大差ない水準"というのは違和感がありますし、このような6,000万円前後の需要はタワマンでかなり枯渇してしまったと考えられます。

海老名ザ・レジデンス(平均坪単価約200万円)の最上階南東角住戸は218万円ということで、当時随分と最上階及び角住戸プレイアムが小さく感じたものですが、こちらは平均で210~220万円ぐらいだと思いますし、246万円は少々プレミアムを乗せすぎな感があるのは否定出来ません。

第一期は165戸と思っていたよりも多いのですが(要望書が入っている数よりもいくらか多めに供給しているので契約率次第ではあります)、やはり"4,000万円台前半~中盤"のお部屋の供給が多く、タワマンだとご予算的に厳しかったファミリー層の受け皿になっている印象ですね。

◎コロナショックについて(大きな影響を与える可能性の高い事象なので全ての記事に追記しています)
コロナショックは株価暴落による資産効果の剥落や消費者心理の悪化・収入減少などを通じて不動産市場にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなっています。したがって、今時期にマンション購入をするのはオススメ出来ないのですが、マンションに関しては2つとして同じものがないわけですし、株式市場のようにすぐさま価格に反映されるわけでもないので悩ましい思いをしている方は少なくないでしょう。仮に不動産相場(マンション価格)がかなり下がったとしても後悔しないぐらい気に入った物件か否かそういった点を判断基準にすると良いかもしれませんね。

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