2020年管理費ランキング(トップ10/ワースト10)【341物件の平均は290円/㎡】
今年も管理費部門のおまけコンテンツとして例年ご好評いただいております「管理費トップ10・ワースト10」を掲載します。
【※ご注意】
対象となるのはあくまでモモレジが把握している物件のみで2020年に首都圏で販売された全ての物件のトップ及びワーストではありません。しかしながら、物件数は341物件にもなりますし、「東京都及び神奈川県の物件(いわゆるワンルーム投資マンションは除く)の9割以上+埼玉県と千葉県の東京寄りの物件の多く」はカバー出来ているはずです。
(当ブログで取り上げている物件はもちろんですが、それ以外の物件でも把握できるものについてはなるべく含めるようにしています。)
今年の341物件の平均値を計算してみたところ約290円/㎡ということで昨年の約280円/㎡から一段と上昇し、やはりインフレ傾向に歯止めがかかることはありませんでした。
消費税増税の影響もいくらかあるでしょう。
しかしながら、ここ数年の推移は、242⇒258⇒248⇒269⇒270⇒281⇒280⇒290となっており、それだけで片付けられる話でないのは明らかです。
データや数字で表せるレベルの話でこそないものの、私が広いエリアで様々な物件を見ていて感じている点の1つに、ここ1~2年はそれ以前の物件に比べ「ディスポーザー、内廊下、コンシェルジュサービスの採用が減っている(気がする)」というのがあります。
すなわち、単純に管理費単価が上昇傾向にあるだけでなく、そのパフォーマンス面の低下を考慮すると実質的には”その数字以上のインフレ傾向”にある可能性が高く、特に都心部の小ぶりな物件などでは400円/㎡超がざらですので、本当に高いと感じますよね…(そもそもコンパクト中心の小規模物件の供給が増えていること自体が管理費単価上昇の一因でもあるのでしょうが…)。
建築コスト等の上昇により修繕積立金(当初の設定はデベロッパーによりけりでもあるのであまりアテにならないのですが、全体的な傾向としてやはり上昇傾向にある)もひと頃よりも上昇していると感じますし、マンションの維持費は本当に馬鹿にならないと改めて実感することが多い今日この頃です…。
※こういった時勢ではランニング面では中古物件のメリットが大きく、昨年以前の同記事でそういった点について言及しているので、興味がある方はそちらもご覧下さい。
⇒2019年管理費ランキング
ちなみに、管理費というとこれまでは全住戸一律の単価設定になっているものでしたが、今年分譲されたプラウドタワー東池袋ステーションアリーナでは一風変わった試みがなされていましたね。
固定資産税の改正でタワマンの固定資産税評価額に「階数補正」がなされるようになったこととの兼ね合いなどもあって一律ではなく403~440円/㎡ほどのレンジで階数が上のお部屋ほど単価が高くなるというものでした(今回の平均単価の算出においては中ほどの421円/㎡にしました。笑)。高層階と低層階とではエレベーターに伴うエネルギー消費量に差が出るのは確かですけど、そこに配慮してのものではないようですしそこまでする必要性があるかどうかは少々疑問ですが…。
さて、まずはトップ10からいってみましょう。
【トップ10】
①ファインスクェア大泉学園(104円/㎡)
②ウエリスアーデル湘南平塚(133円/㎡)
③ブランシエラ川口ザ・エアリーサイト(145円/㎡)
③パークホームズ昭島中神(145円/㎡)
⑤グレーシア湘南藤沢テラス(146円/㎡)
⑥ライフレビュー川崎久地グランヒル(148円/㎡)
⑦ミオカステーロ橋本(150円/㎡)
⑧リビオ成増フォレストエア(154円/㎡)
⑧ポレスター昭和記念公園(154円/㎡)
⑩バウス津田沼(155円/㎡)
⑩ルピアコート大宮フィオーレ(155円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです。)
【金賞】受賞のファインスクェア大泉学園が頭1つ抜けており、昨年・一昨年に続き今年もファインスクェアシリーズが1位になりました。
それ自体は驚くに値しないのですが、2位のウエリスアーデル湘南平塚との差はかなり大きく、他デベロッパー物件との差が一段と広がっている印象もありますね。
341物件の平均だけでなく、トップ10の全体的な管理費水準からも前年からの上昇傾向が窺えてしまいますし、やはり例外的な一部の物件を除いた多くがインフレ基調にあると感じます。
※いくら管理費が安くても管理組合が赤字、また、管理が杜撰であっては意味がありません。ただ、「管理費が高い=管理がしっかりしている」というのもちょっと違うので、収支計算書の内容を吟味し、無駄なところ(重視すべきでないところ)と必要なところ(重視すべきところ)を組合員でしっかりと話し合って適材適所でコストをかけるべきなのは言うまでもありません。
【ワースト10】
①プラウド代官山テラス(766円/㎡)
②プラウド代官山フロント(620円/㎡)
③パークコート虎ノ門(610円/㎡)
④ザ・パークハウス目黒青葉台(599円/㎡)
⑤ディアナガーデン鷹番(574円/㎡)
⑥グランドメゾン白金台五丁目(554円/㎡)
⑥グランドヒルズ南青山(554円/㎡)
⑧グランドヒルズ目黒一丁目(533円/㎡)
⑨ウエリス市谷加賀町(525円/㎡)
⑩プラウド馬車道(499円/㎡)
⑩ルジェンテ木場(499円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです)
プラウド代官山の隣接2物件がワンツーフィニッシュという結果になりました。
テラスは総戸数20戸というかなりの小規模ながらコンシェルジュサービスが設けられていたので高くなるのは当然でしょう。当時の記事でも述べましたが隣接するフロント(総戸数75戸)と共用サービスを一体に出来ていればランニング面でのメリットはかなり大きかったはずなのですが、流石にこのクラスの物件を購入される方にとっては管理費単価が200円/㎡下がったところでさして意味はないのでしょうね。
なお、ワースト10全体で言うと、昨年よりも大分安くなっています。その年に供給される物件の巡りあわせももちろんあるのですが、都心部の超高額物件であってもスケールメリットが得にくいものにおいて以前よりもコンシェルジュサービスが導入されにくくなったと感じており、そのあたりの影響もいくらかあるのではないでしょうか。
ワースト10にこのような傾向がある中での全体平均290円/㎡ですので、その数字以上に平均的な水準の物件の管理費にインフレ傾向があるという見方も出来ますね…。
【※ご注意】
対象となるのはあくまでモモレジが把握している物件のみで2020年に首都圏で販売された全ての物件のトップ及びワーストではありません。しかしながら、物件数は341物件にもなりますし、「東京都及び神奈川県の物件(いわゆるワンルーム投資マンションは除く)の9割以上+埼玉県と千葉県の東京寄りの物件の多く」はカバー出来ているはずです。
(当ブログで取り上げている物件はもちろんですが、それ以外の物件でも把握できるものについてはなるべく含めるようにしています。)
今年の341物件の平均値を計算してみたところ約290円/㎡ということで昨年の約280円/㎡から一段と上昇し、やはりインフレ傾向に歯止めがかかることはありませんでした。
消費税増税の影響もいくらかあるでしょう。
しかしながら、ここ数年の推移は、242⇒258⇒248⇒269⇒270⇒281⇒280⇒290となっており、それだけで片付けられる話でないのは明らかです。
データや数字で表せるレベルの話でこそないものの、私が広いエリアで様々な物件を見ていて感じている点の1つに、ここ1~2年はそれ以前の物件に比べ「ディスポーザー、内廊下、コンシェルジュサービスの採用が減っている(気がする)」というのがあります。
すなわち、単純に管理費単価が上昇傾向にあるだけでなく、そのパフォーマンス面の低下を考慮すると実質的には”その数字以上のインフレ傾向”にある可能性が高く、特に都心部の小ぶりな物件などでは400円/㎡超がざらですので、本当に高いと感じますよね…(そもそもコンパクト中心の小規模物件の供給が増えていること自体が管理費単価上昇の一因でもあるのでしょうが…)。
建築コスト等の上昇により修繕積立金(当初の設定はデベロッパーによりけりでもあるのであまりアテにならないのですが、全体的な傾向としてやはり上昇傾向にある)もひと頃よりも上昇していると感じますし、マンションの維持費は本当に馬鹿にならないと改めて実感することが多い今日この頃です…。
※こういった時勢ではランニング面では中古物件のメリットが大きく、昨年以前の同記事でそういった点について言及しているので、興味がある方はそちらもご覧下さい。
⇒2019年管理費ランキング
ちなみに、管理費というとこれまでは全住戸一律の単価設定になっているものでしたが、今年分譲されたプラウドタワー東池袋ステーションアリーナでは一風変わった試みがなされていましたね。
固定資産税の改正でタワマンの固定資産税評価額に「階数補正」がなされるようになったこととの兼ね合いなどもあって一律ではなく403~440円/㎡ほどのレンジで階数が上のお部屋ほど単価が高くなるというものでした(今回の平均単価の算出においては中ほどの421円/㎡にしました。笑)。高層階と低層階とではエレベーターに伴うエネルギー消費量に差が出るのは確かですけど、そこに配慮してのものではないようですしそこまでする必要性があるかどうかは少々疑問ですが…。
さて、まずはトップ10からいってみましょう。
【トップ10】
①ファインスクェア大泉学園(104円/㎡)
②ウエリスアーデル湘南平塚(133円/㎡)
③ブランシエラ川口ザ・エアリーサイト(145円/㎡)
③パークホームズ昭島中神(145円/㎡)
⑤グレーシア湘南藤沢テラス(146円/㎡)
⑥ライフレビュー川崎久地グランヒル(148円/㎡)
⑦ミオカステーロ橋本(150円/㎡)
⑧リビオ成増フォレストエア(154円/㎡)
⑧ポレスター昭和記念公園(154円/㎡)
⑩バウス津田沼(155円/㎡)
⑩ルピアコート大宮フィオーレ(155円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです。)
【金賞】受賞のファインスクェア大泉学園が頭1つ抜けており、昨年・一昨年に続き今年もファインスクェアシリーズが1位になりました。
それ自体は驚くに値しないのですが、2位のウエリスアーデル湘南平塚との差はかなり大きく、他デベロッパー物件との差が一段と広がっている印象もありますね。
341物件の平均だけでなく、トップ10の全体的な管理費水準からも前年からの上昇傾向が窺えてしまいますし、やはり例外的な一部の物件を除いた多くがインフレ基調にあると感じます。
※いくら管理費が安くても管理組合が赤字、また、管理が杜撰であっては意味がありません。ただ、「管理費が高い=管理がしっかりしている」というのもちょっと違うので、収支計算書の内容を吟味し、無駄なところ(重視すべきでないところ)と必要なところ(重視すべきところ)を組合員でしっかりと話し合って適材適所でコストをかけるべきなのは言うまでもありません。
【ワースト10】
①プラウド代官山テラス(766円/㎡)
②プラウド代官山フロント(620円/㎡)
③パークコート虎ノ門(610円/㎡)
④ザ・パークハウス目黒青葉台(599円/㎡)
⑤ディアナガーデン鷹番(574円/㎡)
⑥グランドメゾン白金台五丁目(554円/㎡)
⑥グランドヒルズ南青山(554円/㎡)
⑧グランドヒルズ目黒一丁目(533円/㎡)
⑨ウエリス市谷加賀町(525円/㎡)
⑩プラウド馬車道(499円/㎡)
⑩ルジェンテ木場(499円/㎡)
(※管理費単価は住戸により端数切捨等の関係で誤差が生じている可能性があります。また、販売開始当初から金額が変更されるケースもあるので金額に大きな相違が生じている場合にはご連絡いただければ幸いです)
プラウド代官山の隣接2物件がワンツーフィニッシュという結果になりました。
テラスは総戸数20戸というかなりの小規模ながらコンシェルジュサービスが設けられていたので高くなるのは当然でしょう。当時の記事でも述べましたが隣接するフロント(総戸数75戸)と共用サービスを一体に出来ていればランニング面でのメリットはかなり大きかったはずなのですが、流石にこのクラスの物件を購入される方にとっては管理費単価が200円/㎡下がったところでさして意味はないのでしょうね。
なお、ワースト10全体で言うと、昨年よりも大分安くなっています。その年に供給される物件の巡りあわせももちろんあるのですが、都心部の超高額物件であってもスケールメリットが得にくいものにおいて以前よりもコンシェルジュサービスが導入されにくくなったと感じており、そのあたりの影響もいくらかあるのではないでしょうか。
ワースト10にこのような傾向がある中での全体平均290円/㎡ですので、その数字以上に平均的な水準の物件の管理費にインフレ傾向があるという見方も出来ますね…。
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