本年も最後まで有難うございました!【2020年を振り返って】
※マンション番付2020年完全版及びマンションオブザイヤーをご覧になりたい方はこちら。
昨年に続き、2020年の振り返りをしていこうと思います。今年はやはり「withコロナ、afterコロナ(まだafterと言えるような状況ではないですけど…)」の話題がどうしても多くなってしまいがちですが、少しでも明るい話題を…と考えた時に思い浮かんだのが「あつ森」と「鬼滅の刃」でした。
2020年の明るい話題というかコロナと直接的な関係がないながらもヒットしたものとして「あつ森」と「鬼滅の刃」があると思います。
マンションや不動産とは全く関係ないように感じるのでいきなり何?と思われる方も多いかもしれませんが(鬼滅の刃に出てくる「柱」とマンションの柱は関係ありません。笑)、私のようなマンションオタクともなると何事もマンションの話題にこじつけることが出来ます(笑)。
まず、「あつまれ動物の森」なのですが、英語表記では何というかご存知でしょうか。
英語では「Animal Crossing: New Horizons」となっているのです。
あつまれ動物の森の発売日こそ今年の3月20日ですが、名称自体(英語表記も)は2019年から決まっていたようですし、英語表記において直訳に加え「New Horizons」と入っている点に軽く感銘を受けました。
“新しい視野””新しい価値”などといった言葉は、ゲームに限らずあらゆるものの販売促進、販売トークなどとして聞こえの良いのは間違いなく、実際、広く使われている言葉なのでタイミングが良かったということもあるのでしょうが、まるで世界的なwithコロナ(afterコロナ)によるライフスタイル等の変化を予言したかのようで、先んじてヒット作にこういったネーミングがなされているというのはなかなか凄いことですよね。
そんなこんなでこれからの時代はこれまで以上にマンションや住宅においても”新しい視野””新しい価値”というのが大きなキーワードになるのは間違いないところなのですが、そのような中気になるのがもう1つの鬼滅の刃の"あまりの人気っぷり”です。
私も鬼滅の刃で泣きましたし、漫画もとっても面白いです。「鬼⇔人間」が描かれた人間ドラマは”人間誰しもが感じたことのある行き場のない感情、醜いとは思いつつも時として生じてしまう感情”を隠すことなく表現したもので、コロナ禍でいつにもまして疲弊する人々の心にいつも以上に刺さったことと思います。
そのため、ヒットすること自体は至極当然と思うのですが、コミックは過去類を見ないレベルで売上ランキングを独占するぐらいの異常な売り上げを記録していますし、映画「無限列車」の興行収入が千と千尋を抜くなど、その勢いには”行き過ぎ感”というか若干の恐怖すら覚えてしまいます。
鬼滅に限らずこういった傾向は、SNS全盛時代の特徴と言ってしまえばそれまでで、もう大分前から始まっていることだとも思うのですが、今まで以上に”ヒットがヒットを呼ぶという構図”が完全に出来上がってしまっており、このケースに限らず多くのケースで本来のパフォーマンス以上に”上下の格差が広がってしまっている”と感じることに対しほんのりと危機感や恐怖のようなものを覚えてしまう自分がいます(情報に受け身になって日常を何気なく過ごしていると何か自分に必要なものを見逃してしまっているのではないか、というようなモヤモヤした思い)。
そのように表に出てくる以上に大きな水面下のクジラのような多数派が主導する世界自体も”新しさ”の1つに他なりませんし、SNSがあったからこそ日の目の見ることが出来たケースも山ほどあるのでそういった"緩いつながり"は弊害以上の価値を生み出すことは紛れもない事実だと思います。
ただ、”多数派”の勢いが行き過ぎた影響を与えてしまうケースがあるのは確かだと思っていて、特にマンションや不動産のような人生を左右する大きな買い物、かつ、資産の大部分を占めるであろうものがそういった"緩いつながり""実態が見えにくい水面下のクジラ"に翻弄されてしまうというのは少々危険なことではないのかなと。
投資としてたくさんのマンションを持っているうちの1つなどであるならまだしも普通の方は"たった1つのマンション(住戸)"を選ぶのです。そのため、手堅さで言えば話題のマンション、盛り上がっているマンションを選んでおくのが無難であり、少なくとも"短期的"に大コケする可能性は低いでしょう。
ただ、そういった中で購入を決断するにあたりしっかりと意識して欲しい点として「本当にその物件がご自身が望んでいたものなのか」「みんなが欲しいと言っている、モデルルームが賑わっているから欲しくなったのではないのか」「今のトレンドを過信していないか」というのがあります。
あつ森で遊ぶ、鬼滅の映画を見るのであればもちろん心構えは不要です(笑)。緩いつながりに翻弄され、クジラに乗って深く考えずに楽しむくらいの方がむしろ人生豊かになるとも思います。
でも、マンションや不動産購入はやはりそれとは違うと思っていて、最初は知識がない中でSNSやウェブ上の情報などを参考にするのは良いにしても購入に至るまでの間に知識を蓄積し"なぜそのマンションを選んだのかを人に堂々と言えるレベルの「ご自身だけの価値観」”をマンションを購入する皆様に持って欲しいなと私は思っています。
例えば、コロナにより面積的なゆとりや郊外のマンションが注目されるという事象が生じていますが、まだそこまで大きな潮流にはなっていないと思いますし、今後その流れがどのぐらい続くかは分かりません。ただ、今回のコロナのケースでもお分かりのようにそういった何らかの社会情勢・経済情勢の変化により"マンションにおける価値観"は今後も大きく変わっていくことでしょう。
すなわち、現在の"多数派の価値観"が長期的に続くと考える方が無理な話ですので、特に長期的な視野(長く住む予定)で物件を買われる方にはご自身の心の中の声に深く耳を傾けて判断して欲しいと思うのです。
長年読んでいただいている方々ならばなんとなくお分かりいただいているかもしれませんが、実のところ当ブログではなるべく”余白を残した表現”を心掛けています。
もちろん悪い面、良い面共に事実はしっかりと伝えますが、それによって「買うべきか否か、と言ったような個人の購入可否に影響を及ぼすような表現」は極力しないようにしているのです。そのように”余白を残している”方が記事を読んでいただいた方がその物件をフラットな視点で考えやすいと思っていますし、そういった視点で"能動的"にマンションを"自分なり"に吟味して欲しい、との思いがあってのものになりますね。
当ブログはマンションを検討される方の”1つの視野””新しい視野”を提供していけるようこれからもできる限り書き続けていこうと思いますので引き続きどうぞ宜しくお願い致します。
最後に…
本年も読者の方々を初めとしてとてもとてもたくさんの方々に支えられ無事に完走することが出来ました。普段の記事はとかく客観性を意識して書いており、"自身"を出さないようにしているので私の感情が見えづらいと思いますが、本当に感謝してもしきれないぐらいの思いがあり、本当に有難く思っております。
コロナ禍で大変な方、悩みの尽きない方も少なくないとは思いますが、皆様どうぞ良いお年をお過ごしください。