2020年12月の首都圏マンション発売戸数
不動産経済研究所の発表によると12月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数7,362戸(前年同月比15.2%増)
1戸あたり価格5,623万円(前年同月比4.3%ダウン)
契約率62.6%(前年同月比1.3ポイントアップ)
とのことです。
不動産経済研究所の予想は4,500戸でしたし、先月半ばの時点における私の感覚からしても例年(6,000~7,000戸台)よりも少なくなるのではないかと思っていたのですが、まさかの7,000戸超でした…。
過去5年の12月の中でも2018年(シティタワーズ東京ベイなどの住友不動産による売れもしない大量供給があった。※年間供給戸数No.1を達成するため)の次に多く、今年はそのような特定の住不大規模物件の"上乗せ"も確認出来ていないので、ここまでの数字になるとは思わなかったですね。
エリア別でみると都区部のシェアがおよそ3割ほどとかなり低下しており、それ以外のエリア、つまり、郊外寄りのエリアでの供給が活発だったことによるもののようです(平均価格の下落もこの影響に外なりません)。
※都区部には案の定パークタワー勝どきミッドの第1期1次237戸(即日完売。平均2.7倍、最高27倍)がズレ込んでいましたけど(11月だったはずが12月にカウントされていました)、7,000戸超のこの数字はそれを持ってどうこう言うレベルではないでしょう。
コロナ禍で広まったテレワークの影響で相対的に広めのお部屋に手が届く郊外寄りのエリアでのニーズが高まっているところもあるのだとは思いますが、話題性のある大規模物件の第1期は先月の当該記事で名前を挙げたザ・パークハウス横浜新子安フロントと1000ドリームプロジェクト(セントガーデン海老名)ぐらいのはずで、チリツモ的にここまでの数字になるとはね…。
都下(約37%)と埼玉県(約51%)の契約率はかなり悲惨であり、契約率は低くとも年内にある程度出しちゃおうというデベロッパー(物件)が多かったのも事実なので、これをもって「マンションの売れ行きが好調」どころか「コロナ禍で郊外人気が凄い」と言うのも抵抗があるのですが、都区部のシェアがこれだけ低くなる(それ以外のシェアが高くなる)というのは稀なことであり今後の動向により一層注視したいですね。
なお、今月の大量供給の影響もあり、年末の在庫は8,905戸と前月末に比べ2,064戸増加していますが、2019年末の9,095戸よりは少なく、62.6%の契約率とは言え"市況が悪い"という印象にないのも確かでしょうね。
ちなみに、恒例の億ション比率は約4.5%ということで、やはり郊外寄りの供給比率が高かった影響で例月よりも低めの結果になりました。
中古市場についても言及しておきましょう。
レインズマーケットウォッチによる月例速報によると、中古マンションは、前年同月比での件数9.9%減に対し、価格は5.3%増ということでまたも価格の上昇ばかりが目立つ結果になりました。平均専有面積は7月以来の64㎡台ということで価格(単価)上昇のためか伸び悩んでいますし、新規登録物件が減っている中(※)での結果とは言え、長期に渡り新築の価格が伸びていない中で中古の価格がズンズンと上がっていくのはやっぱり違和感がありますね…。
※新規登録物件の減少はコロナ後に始まったわけではなく、2019年の9月から続く16ヶ月連続のものになります。ただ、コロナ禍でさらに強まった印象もあり、短期的には需給面が価格に及ぼす影響が大きくなるので注意が必要です(長期的(大きな流れ)にはやはり”新築の価格”に追従するでしょう)。
ちなみに、夏ぐらいまではマンションに比べ低調な数字が見られた中古戸建なのですが、12月は件数が約9.3%増、価格が約10.7%上昇ということでバブリーな感じになっていますね…。
テレワーク普及が作ったこの流れが”本流”になるのであればいいのですが、現状ではまだまだ半信半疑な状況で…。
さて、1月の主な新築マンションの供給なのですが、現状とりわけ目立つものはないですね。高単価の第一期の供給という意味ではブランズ文京白山一丁目がありますが30戸ですしね。
例年1月は12月の反動で低調になるものですし、不動産経済研究所による見込みも1,200戸ということで例年よりも幾らか少なめです。
発売戸数7,362戸(前年同月比15.2%増)
1戸あたり価格5,623万円(前年同月比4.3%ダウン)
契約率62.6%(前年同月比1.3ポイントアップ)
とのことです。
不動産経済研究所の予想は4,500戸でしたし、先月半ばの時点における私の感覚からしても例年(6,000~7,000戸台)よりも少なくなるのではないかと思っていたのですが、まさかの7,000戸超でした…。
過去5年の12月の中でも2018年(シティタワーズ東京ベイなどの住友不動産による売れもしない大量供給があった。※年間供給戸数No.1を達成するため)の次に多く、今年はそのような特定の住不大規模物件の"上乗せ"も確認出来ていないので、ここまでの数字になるとは思わなかったですね。
エリア別でみると都区部のシェアがおよそ3割ほどとかなり低下しており、それ以外のエリア、つまり、郊外寄りのエリアでの供給が活発だったことによるもののようです(平均価格の下落もこの影響に外なりません)。
※都区部には案の定パークタワー勝どきミッドの第1期1次237戸(即日完売。平均2.7倍、最高27倍)がズレ込んでいましたけど(11月だったはずが12月にカウントされていました)、7,000戸超のこの数字はそれを持ってどうこう言うレベルではないでしょう。
コロナ禍で広まったテレワークの影響で相対的に広めのお部屋に手が届く郊外寄りのエリアでのニーズが高まっているところもあるのだとは思いますが、話題性のある大規模物件の第1期は先月の当該記事で名前を挙げたザ・パークハウス横浜新子安フロントと1000ドリームプロジェクト(セントガーデン海老名)ぐらいのはずで、チリツモ的にここまでの数字になるとはね…。
都下(約37%)と埼玉県(約51%)の契約率はかなり悲惨であり、契約率は低くとも年内にある程度出しちゃおうというデベロッパー(物件)が多かったのも事実なので、これをもって「マンションの売れ行きが好調」どころか「コロナ禍で郊外人気が凄い」と言うのも抵抗があるのですが、都区部のシェアがこれだけ低くなる(それ以外のシェアが高くなる)というのは稀なことであり今後の動向により一層注視したいですね。
なお、今月の大量供給の影響もあり、年末の在庫は8,905戸と前月末に比べ2,064戸増加していますが、2019年末の9,095戸よりは少なく、62.6%の契約率とは言え"市況が悪い"という印象にないのも確かでしょうね。
ちなみに、恒例の億ション比率は約4.5%ということで、やはり郊外寄りの供給比率が高かった影響で例月よりも低めの結果になりました。
中古市場についても言及しておきましょう。
レインズマーケットウォッチによる月例速報によると、中古マンションは、前年同月比での件数9.9%減に対し、価格は5.3%増ということでまたも価格の上昇ばかりが目立つ結果になりました。平均専有面積は7月以来の64㎡台ということで価格(単価)上昇のためか伸び悩んでいますし、新規登録物件が減っている中(※)での結果とは言え、長期に渡り新築の価格が伸びていない中で中古の価格がズンズンと上がっていくのはやっぱり違和感がありますね…。
※新規登録物件の減少はコロナ後に始まったわけではなく、2019年の9月から続く16ヶ月連続のものになります。ただ、コロナ禍でさらに強まった印象もあり、短期的には需給面が価格に及ぼす影響が大きくなるので注意が必要です(長期的(大きな流れ)にはやはり”新築の価格”に追従するでしょう)。
ちなみに、夏ぐらいまではマンションに比べ低調な数字が見られた中古戸建なのですが、12月は件数が約9.3%増、価格が約10.7%上昇ということでバブリーな感じになっていますね…。
テレワーク普及が作ったこの流れが”本流”になるのであればいいのですが、現状ではまだまだ半信半疑な状況で…。
さて、1月の主な新築マンションの供給なのですが、現状とりわけ目立つものはないですね。高単価の第一期の供給という意味ではブランズ文京白山一丁目がありますが30戸ですしね。
例年1月は12月の反動で低調になるものですし、不動産経済研究所による見込みも1,200戸ということで例年よりも幾らか少なめです。
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