クレヴィア渋谷富ヶ谷【手仕事タイルに覆われた趣豊かなデザイン】8階60㎡11,780万円(坪単価648万円)

続けて、クレヴィア渋谷富ヶ谷。

設計はエル設計事務所、施工は京王建設、そしてデザイン監修はエル設計事務所+日尾俊昭一級建築士事務所になります。

デザインは2社が携わっているだけあって、風合いある素材を用いた柱壁とルーバーが生み出すレトロ色の窺えるデザインが非常に印象的な物件になります。外壁の多くを彩る「織部製陶」のタイルは職人の手仕事で作られたもので、バルコニー手摺部分などの外から目立つ部分だけでなくバルコニーの内側(※)に至るまで同様の仕様になっているあたりも特筆すべき点になります。
※掃き出し窓の周り、つまり、住戸の壁となる部分はもちろんのこと、バルコニー手摺の内側(バルコニー内部側)までタイルが貼られているのは非常に珍しいことです。

小規模物件ゆえにエントランス周りはこじんまりとした印象にはなるものの、共用廊下は内廊下設計になっており、デザイン性の高いカーペット敷、かつ、各戸の玄関袖パネルにガラスアートを施すなど高額物件らしい取組みがなされている点も〇でしょう。

前回のクレヴィア渋谷富ヶ谷

公式ホームページ
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お部屋は60㎡の2LDK、北西角住戸です。道路の向かい北側の地は野ざらしの状況のようですが、いずれは何かが立つでしょうし、北西側にも9階建のパークキューブ代々木富ヶ谷があります。
ただ、西側は富ヶ谷公園ですし、その先も高いものでも5~6階建という感じなのでこの上層階住戸からはかなり広域での視界抜けが得られますね。

間取りは2021年ちょっと気になるマンションの記事で取り上げた80㎡の北西角住戸と同じで、パークフロントポジションとは思えないLDの西側開口部が悲しく感じてしまうものになります…。

ただ、その80㎡はLDが角位置(二面採光)なく、こちらのLDよりも大きな”12.9畳のLDで開口部が扉1枚分しかない”という暴挙とすら感じる設計であったのに対し、こちらのLDは二面採光ですので遥かにマシではあるでしょう。パークフロントでのこの開口部はやっぱり残念ですけども…。

パークフロントとなる限られた西面を1フロア3戸で分け合ったためにこのような難しいプランが多く生じてしまったのだとは思いますが、洋室1側の開口部はしっかりとしたものに出来ているわけですし、もう少し”違った形”が見たかったというのが正直なところですね。

また、西面が雁行設計になっているとは言え柱のアウトフレームももう少し頑張って欲しかったところです。

坪単価は648万円。5~7階の北西角住戸はその80㎡の3LDKで、坪単価は600万円前後になりますので、面積が小さくなりグロス価格が嵩まない分、やや単価が乗せられた形でしょうか。

上述のように上層階住戸はかなりの視界抜けが得られ眺望的な魅力も高くはなるものの、とりわけポイントとなる何かが見えるわけではないですし(空気が澄んだ冬季は富士山が見えるはずですが、富士山ビューはとりわけ珍しいものではない)、プラン的な魅力が薄いことを考えても600万円台中盤という水準は強く感じます。

パークフロントとは言っても大きな公園ではないので上層階住戸は"パークフロントならではの魅力"は薄いですしね。

設備仕様面は、少戸数でもディスポーザーが搭載されているあたりは流石といったところですし、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンター、シーザーストーンの水回り天板、さらに、LDビルトインエアコン、タイル貼の廊下など高額物件なりの充実したものです。

管理費は335円/㎡。かなりの小規模ながら内廊下とディスポーザーを採用していることを考えればリーズナブルな水準です。管理形態も「巡回」ではなく「通勤」ですし、以下のように駐車場も大半が機械式になっていること(使用料も27,000~31,000円とエリア内ではかなり安い)を考えればこの管理費はかなり良い方ではないでしょうか。

むろん、駐車場使用料が100%管理費会計に入る形になっているなど、当初の修繕積立金が最低限の設定で、将来的に修繕積立金(当初は121円/㎡)が7倍以上(一般的には30年内で4~5倍ぐらいまで上昇することが多い)などに上昇することが予定されているようなことがなければの話にはなりますが…。

駐車場は全13台で身障者用1台を除いた12台が機械式になります。

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