パークホームズ市ヶ谷ヒルトップレジデンス【直床vs各階ゴミ置場】2階72㎡9,600万円(坪単価444万円)
続けて、パークホームズ市ヶ谷ヒルトップレジデンス。
設計はIAO竹田設計、施工は大末建設でなんと直床です。
最高高さ20m制限に加え、第二種高度地区による斜線制限もありますが、直床とは驚きましたね。斜線制限により1フロア多くできるか否かはランドプランに大きな影響を与えるので(このぐらいの低い階建の物件で1フロア減るとなると建築面積を大幅に増やさないと容積率を満たす十分な延床面積が確保できなくなる)、試行錯誤の末の直床なのだとは思いますが、理由はどうあれこのような高価格帯での直床は違和感ありまくりです。
一方で、外観及び共用面のデザインに関してはいずれもかなりの拘りが窺えるものです。
外観は基壇部の擁壁と最上階の大庇が重厚感と存在感を高め、さらに、先ほど取り上げた南角住戸のガラスウォールも花を添えてくれています。
外壁タイルも複数の質感豊かなものを用いたことで非常に繊細な佇まいになっていますし、こう言っちゃなんですが外観と直床のギャップが凄すぎるな、と(汗)。
共用部のデザインも秀逸です。
前回の記事でも言及したように、当物件には神楽坂エントランスと市谷エントランスの2つがあり、どちらのエントランスホールも拘りのデザインが採用されています。
神楽坂エントランスは床をヘリンボーン貼としたコンフォートな趣、一方で、市谷エントランスは外濠を思わせる石積みを壁面に採用したもので、どちらのエントランスを通っても心地良いものになるでしょうね。
1つ1つのスケールはけして大きなものではありませんが、総戸数64戸でのこの2つのエントランスはなかなかに贅沢なものになるでしょう。
敷地形状的に若干窮屈な動線には感じるものの、神楽坂エントランス側には大庇のある車寄せが設けられているあたりも評価出来る点です。
前回のパークホームズ市ヶ谷ヒルトップレジデンス。
公式ホームページ

お部屋は72㎡の3LDK、南東向き中住戸です。南東側道路の向かいは若葉寮跡地で、現在は建物が取り壊された状態ですがいずれは何かしらの建物になるはずです。最高高さや高度地区は上述の当敷地と同様なので少なくとも当物件と同じような高さのものが建つ可能性が高いことを念頭に置いておくべきでしょうね。
ちなみに、同じ南東向きでも敷地東側は印刷局の宿舎のあった国有地で今後は老人ホームが建つようです。そちらの敷地も当物件の敷地と同じ「高さ限度20m×第二種高度地区」になりますので、低層階でも日照への影響は小さくなるはずですが、接道していない分やはり西寄りの南東向き住戸の方が安心感があるのは確かでしょう。
第二種高度地区の斜線制限は接道している場合、道路の反対側の境界線、つまり、当敷地と道路の境界線からの距離になりますので、接道していようといまいと実質的には大差ない状況にはなるのですが、DNPの寮跡地の方が面積が大きいため道路沿いから建物を離すゆとりを生み出しやすい気もしますし…(何の根拠もない単なる感想ですのでご注意ください。笑)。
間取りは田の字ベースにはなるものの、幅のあるL字サッシが採用された中住戸としてはインパクトのあるものです。共用廊下側の柱がきれいにアウトフレーム化されている点も良いですね。
そもそも立派な物件価格帯からすれば内廊下設計にして欲しかったとも思うわけですが(当物件は最上階だけ内廊下)、「敷地形状的にこういった南東向き中住戸の比率が大きくなるのは不可避、かつ、立地的にファミリータイプを中心にするのが無難」であることを考えればやはり内廊下は難しいですよね。
こういった専有部形状となる中住戸で3LDKにしようとすると内廊下設計では窓のないベッドルームが多くなってしまいますから…。
"共用廊下と住戸との間に吹抜を設けた上で内廊下"にしてくれていたら最高だったとも思うわけですが、それはそれで余計に直床だけが浮きますし(笑)、無理せず”パークホームズでいいんじゃない?"って感じなんですかねぇ。
各階ゴミ置場が設けられているのはパークホームズとして逆の違和感があるわけで(パークホームズの各階ゴミ置場はパークホームズ荻窪ザ・レジデンスやパークホームズ調布ザ・レジデンスぐらいかな)、見れば見るほど強弱入り混じる不思議な物件だと思いますけれども。
二重床が今のように広く採用されていなかった時代の物件や関西のタワマンを除き、直床と各階ゴミ置場が両立する物件なんてあったっけ?っと一瞬思いましたが、そのパークホームズ調布ザ・レジデンスがそうでしたね…。パークホームズ調布ザ・レジデンスはスケール感がありながらディスポーザーがなかったですし最近の三井物件なんか凄いかも…。
坪単価は444万円。将来的な前建リスクは不可避ですが、日照が保たれる可能性が高いことを考えれば魅力ある水準だと思います。
ザ・パークハウス市谷加賀町レジデンスの低層階中住戸(市谷の杜を望む南向き以外は坪単価400万円以下がほとんど)の1割増し(逆に言うと、定借のパークハウスがこのパークホームズの9掛け程度)という水準で、少々駅距離はあれどこのご時世にしては現実的な設定と言えるでしょう。
1階住戸(テラス付)には400万円前後、囲まれ感の強いポジションながらも東角住戸には3階でも坪単価410万円台のものなどもあり、物件内での単価差はかなり大きいと感じますね。
当物件はプレミアム住戸の単価が強烈なので平均単価はザ・パークハウス市谷加賀町レジデンス(約400万円)と大きな差が出るはずですが、下限で言うと定借だったザ・パークハウスとの単価差は思っていたよりも小さかったです。
マンションに2つとして同じお部屋はないですし、そもそもの立地の違いもあるので難しいところではあるのですが、ザ・パークハウスの似た条件のお部屋と比べ5%程度しか差がないと感じるようなお部屋は特に魅力を感じやすいでしょう。
中住戸でもそこそこしっかりした面積のファミリータイプになっているので賃貸向きという印象はないですし、売却益がガッツリ乗るような水準でもないので投資などとしての魅力を感じることはありませんが、坪単価400万円ちょっとのお部屋は人気が高いようですね。
ザ・パークハウスの記事で書いたように、都心のファミリータイプで8,000万円台中盤ぐらいまでのものの実需でのニーズは旺盛で、所有権・定借問わずそういった水準の新築での供給が少なくなっているので余計に人気になりやすいのでしょう。
ブリリアシティ西早稲田やプレミスト文京千石なんかもそのケースです。
2~3年前までならば8,000万円ぐらいと認識していましたが、マンションの値段が下がらず供給も減っていることで8,000万円中盤ぐらいまでならば頑張ろうという方が増えている印象があります。
設備仕様面は、一般住戸でもディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンの水回り天板に加え、食器棚(キッチンバックカウンター)や廊下・洗面・トイレ床のタイル貼も備えたグレード感のあるものです。
管理費は275円/㎡。外廊下(最上階のみ内廊下)ですが、ディスポーザー付はもちろんのこと、上述のように各階ゴミ置場がついての水準ですのでかなりリーズナブルですね。総戸数64戸とちょうど良い規模ゆえにエレベーターを無理なく1基に出来ているといった点も功を奏しているとは思いますが、この価格帯・パフォーマンスでの275円はかなり魅力的だと思います。
ザ・パークハウスはコンシェルジュサービス付で241円/㎡と安かったのですが、こちらの各階ゴミ置場付の275円/㎡負けず劣らず安い印象で、何か凄く対抗心を感じるのは気のせいでしょうか…(三井の物件は他社よりも管理費が高いことが多いと感じるので尚更)。ザ・パークハウスは当初から売れ行き好調で最近完売しましたので対抗心を燃やす必要はなかったはずですが、そもそものお値段設定(下限)などを見ても不思議なほど意識しているみたいですね。検討者にとってはいいことですけど。笑
駐車場は全19台で平置は1台のみ、残りの18台が機械式になります。駅へのアクセスは良いとまでは言えないポジションですし、少なめの台数や機械式という点はやはり”パークホームズ”なんでしょうね…。
これでもザ・パークハウスよりは附置率が高いですけどこちらには突出したお値段のプレミアム住戸がありますので実質的にはこちらの方が少ない印象にはなりますかね。
設計はIAO竹田設計、施工は大末建設でなんと直床です。
最高高さ20m制限に加え、第二種高度地区による斜線制限もありますが、直床とは驚きましたね。斜線制限により1フロア多くできるか否かはランドプランに大きな影響を与えるので(このぐらいの低い階建の物件で1フロア減るとなると建築面積を大幅に増やさないと容積率を満たす十分な延床面積が確保できなくなる)、試行錯誤の末の直床なのだとは思いますが、理由はどうあれこのような高価格帯での直床は違和感ありまくりです。
一方で、外観及び共用面のデザインに関してはいずれもかなりの拘りが窺えるものです。
外観は基壇部の擁壁と最上階の大庇が重厚感と存在感を高め、さらに、先ほど取り上げた南角住戸のガラスウォールも花を添えてくれています。
外壁タイルも複数の質感豊かなものを用いたことで非常に繊細な佇まいになっていますし、こう言っちゃなんですが外観と直床のギャップが凄すぎるな、と(汗)。
共用部のデザインも秀逸です。
前回の記事でも言及したように、当物件には神楽坂エントランスと市谷エントランスの2つがあり、どちらのエントランスホールも拘りのデザインが採用されています。
神楽坂エントランスは床をヘリンボーン貼としたコンフォートな趣、一方で、市谷エントランスは外濠を思わせる石積みを壁面に採用したもので、どちらのエントランスを通っても心地良いものになるでしょうね。
1つ1つのスケールはけして大きなものではありませんが、総戸数64戸でのこの2つのエントランスはなかなかに贅沢なものになるでしょう。
敷地形状的に若干窮屈な動線には感じるものの、神楽坂エントランス側には大庇のある車寄せが設けられているあたりも評価出来る点です。
前回のパークホームズ市ヶ谷ヒルトップレジデンス。
公式ホームページ

お部屋は72㎡の3LDK、南東向き中住戸です。南東側道路の向かいは若葉寮跡地で、現在は建物が取り壊された状態ですがいずれは何かしらの建物になるはずです。最高高さや高度地区は上述の当敷地と同様なので少なくとも当物件と同じような高さのものが建つ可能性が高いことを念頭に置いておくべきでしょうね。
ちなみに、同じ南東向きでも敷地東側は印刷局の宿舎のあった国有地で今後は老人ホームが建つようです。そちらの敷地も当物件の敷地と同じ「高さ限度20m×第二種高度地区」になりますので、低層階でも日照への影響は小さくなるはずですが、接道していない分やはり西寄りの南東向き住戸の方が安心感があるのは確かでしょう。
第二種高度地区の斜線制限は接道している場合、道路の反対側の境界線、つまり、当敷地と道路の境界線からの距離になりますので、接道していようといまいと実質的には大差ない状況にはなるのですが、DNPの寮跡地の方が面積が大きいため道路沿いから建物を離すゆとりを生み出しやすい気もしますし…(何の根拠もない単なる感想ですのでご注意ください。笑)。
間取りは田の字ベースにはなるものの、幅のあるL字サッシが採用された中住戸としてはインパクトのあるものです。共用廊下側の柱がきれいにアウトフレーム化されている点も良いですね。
そもそも立派な物件価格帯からすれば内廊下設計にして欲しかったとも思うわけですが(当物件は最上階だけ内廊下)、「敷地形状的にこういった南東向き中住戸の比率が大きくなるのは不可避、かつ、立地的にファミリータイプを中心にするのが無難」であることを考えればやはり内廊下は難しいですよね。
こういった専有部形状となる中住戸で3LDKにしようとすると内廊下設計では窓のないベッドルームが多くなってしまいますから…。
"共用廊下と住戸との間に吹抜を設けた上で内廊下"にしてくれていたら最高だったとも思うわけですが、それはそれで余計に直床だけが浮きますし(笑)、無理せず”パークホームズでいいんじゃない?"って感じなんですかねぇ。
各階ゴミ置場が設けられているのはパークホームズとして逆の違和感があるわけで(パークホームズの各階ゴミ置場はパークホームズ荻窪ザ・レジデンスやパークホームズ調布ザ・レジデンスぐらいかな)、見れば見るほど強弱入り混じる不思議な物件だと思いますけれども。
二重床が今のように広く採用されていなかった時代の物件や関西のタワマンを除き、直床と各階ゴミ置場が両立する物件なんてあったっけ?っと一瞬思いましたが、そのパークホームズ調布ザ・レジデンスがそうでしたね…。パークホームズ調布ザ・レジデンスはスケール感がありながらディスポーザーがなかったですし最近の三井物件なんか凄いかも…。
坪単価は444万円。将来的な前建リスクは不可避ですが、日照が保たれる可能性が高いことを考えれば魅力ある水準だと思います。
ザ・パークハウス市谷加賀町レジデンスの低層階中住戸(市谷の杜を望む南向き以外は坪単価400万円以下がほとんど)の1割増し(逆に言うと、定借のパークハウスがこのパークホームズの9掛け程度)という水準で、少々駅距離はあれどこのご時世にしては現実的な設定と言えるでしょう。
1階住戸(テラス付)には400万円前後、囲まれ感の強いポジションながらも東角住戸には3階でも坪単価410万円台のものなどもあり、物件内での単価差はかなり大きいと感じますね。
当物件はプレミアム住戸の単価が強烈なので平均単価はザ・パークハウス市谷加賀町レジデンス(約400万円)と大きな差が出るはずですが、下限で言うと定借だったザ・パークハウスとの単価差は思っていたよりも小さかったです。
マンションに2つとして同じお部屋はないですし、そもそもの立地の違いもあるので難しいところではあるのですが、ザ・パークハウスの似た条件のお部屋と比べ5%程度しか差がないと感じるようなお部屋は特に魅力を感じやすいでしょう。
中住戸でもそこそこしっかりした面積のファミリータイプになっているので賃貸向きという印象はないですし、売却益がガッツリ乗るような水準でもないので投資などとしての魅力を感じることはありませんが、坪単価400万円ちょっとのお部屋は人気が高いようですね。
ザ・パークハウスの記事で書いたように、都心のファミリータイプで8,000万円台中盤ぐらいまでのものの実需でのニーズは旺盛で、所有権・定借問わずそういった水準の新築での供給が少なくなっているので余計に人気になりやすいのでしょう。
ブリリアシティ西早稲田やプレミスト文京千石なんかもそのケースです。
2~3年前までならば8,000万円ぐらいと認識していましたが、マンションの値段が下がらず供給も減っていることで8,000万円中盤ぐらいまでならば頑張ろうという方が増えている印象があります。
設備仕様面は、一般住戸でもディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンの水回り天板に加え、食器棚(キッチンバックカウンター)や廊下・洗面・トイレ床のタイル貼も備えたグレード感のあるものです。
管理費は275円/㎡。外廊下(最上階のみ内廊下)ですが、ディスポーザー付はもちろんのこと、上述のように各階ゴミ置場がついての水準ですのでかなりリーズナブルですね。総戸数64戸とちょうど良い規模ゆえにエレベーターを無理なく1基に出来ているといった点も功を奏しているとは思いますが、この価格帯・パフォーマンスでの275円はかなり魅力的だと思います。
ザ・パークハウスはコンシェルジュサービス付で241円/㎡と安かったのですが、こちらの各階ゴミ置場付の275円/㎡負けず劣らず安い印象で、何か凄く対抗心を感じるのは気のせいでしょうか…(三井の物件は他社よりも管理費が高いことが多いと感じるので尚更)。ザ・パークハウスは当初から売れ行き好調で最近完売しましたので対抗心を燃やす必要はなかったはずですが、そもそものお値段設定(下限)などを見ても不思議なほど意識しているみたいですね。検討者にとってはいいことですけど。笑
駐車場は全19台で平置は1台のみ、残りの18台が機械式になります。駅へのアクセスは良いとまでは言えないポジションですし、少なめの台数や機械式という点はやはり”パークホームズ”なんでしょうね…。
これでもザ・パークハウスよりは附置率が高いですけどこちらには突出したお値段のプレミアム住戸がありますので実質的にはこちらの方が少ない印象にはなりますかね。
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