2021年3月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると3月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数3,103戸(前年同月比44.9%増)
1戸あたり価格6,330万円(前年同月比2.8%アップ)
契約率73.6%(前年同月比3.6ポイントアップ)
とのことです。

発売戸数は昨年3月に比べ大幅増という結果ではあるものの、3月は年度末ということで例年多めの戸数が供給されるのが通例で、2017~2019年はいずれの年も3,000戸前半~中盤という今年以上の数字を記録していますので”平時に戻った”という表現が正しいでしょうね。

ただ、在庫に関して言うと、前月末に比べ500戸以上も減った7,357戸で、昨年3月末の7,888戸や一昨年3月末の8,267戸と比べ大分少なくなっているので、ここ数年の中でもかなり在庫が整理された状況になっていると感じます。
前月の記事でも述べたように、コロナ禍で本来は分譲(販売)される予定だったマンションが一棟売りなどとして賃貸になるなど(中には田売りだったものも完成売りに変更し販売を遅らせているケースもあるでしょう)一時的に供給が減った後に、自粛期間の反動などもあり急激に需要が戻ったことであっという間に市況が回復してしまいましたね…。

契約率は前月の76%よりは下がりましたが、73%台はここ数年の中ではかなり良い方ですし、マンションの売れ行き不振による価格下落を期待していた方にとってはかなり難しい状況になってしまいましたね…。

ジャブジャブな資金供給がいつまでも続くわけではありませんし、今後はお金の流れも徐々に落ち着いてくるのではないかと思ってはいるのですが、ここまで在庫が減ってしまうと大きな経済ショックでも起きない限りは"急激な需給悪化"は期待しづらいです…。

なお、価格に関しても前月からほぼ横ばいという形で「ここ2~3年の横ばい相場下の”レンジ内の上限水準(イレギュラーな数字となった2020年1月を除く)”」と書いた前月同様の高水準を当然のように維持している状況になります。

ただ、前月と大きく違うのは都区部比率で、前月の約47%に比べ今月は約39%とかなり下がった上でのこの価格という点に着目すべきでしょう。
埼玉県や千葉県は前年同月に比べ下落していますが、反面、都下や神奈川県は大きく上昇しており、都区部の価格上昇だけが原因とは言い難い状況にあります。

まぁ、価格上昇の最大の要因は、パークコート千代田四番町の第1期1次130戸を筆頭にパークホームズ日本橋時の鐘通りパークホームズ日本橋本町の第1期も行った三井不動産の都心高額物件の連続供給ではあるのでしょうが…。
※神奈川県の供給が939戸とかなりシェアが多く、かつ、平均価格がかなり上昇しているのはプラウドシティ日吉レジデンスⅢの第一期200戸の影響が大きい

なお、恒例の億ション比率はそれら三井の高額物件が重なったことで約8.3%という例月よりもかなり高めの数字を記録しています。

お次は中古市場を見ていきましょう。レインズマーケットウォッチの月例速報によると、

・中古マンション成約物件(首都圏)
4,228件(前年同月比+16.1%)
59.02万円/㎡(前年同月比+9.2%)
3,837万円(前年同月比+10.0%)
専有面積65.02㎡(前年同月比+0.7%)
築年数22.13年(前年同月21.82年)

という感じで、昨今の価格上昇トレンドが一段と加速した深刻(?)な状況になります。

新規登録件数が例年に比べ2割ほど少ないという相変わらずの”コロナ禍での供給不足下”において需要ばかりが高まった中での成約件数増加で、前年同月比での大幅上昇はもちろんのこと前月比でも上昇した結果となりました。

例年に比べ長期間に渡り新規登録(新規供給)が大きく減っているということを考えれば"相対的に物件の質が落ちている"のはまず間違いないはずで、その中でのこの大幅上昇というのは非常に心配ですね。
見ての通り平均築年数もしっかりと上昇していますし(つまり古めの物件が増えている)、"新築の価格が明確な上昇傾向にはない中でこれだけ中古の価格が上昇する"ということに違和感がありまくりというのが正直な感想になります…。

駅・エリアによっては新築が供給されていないところももちろんありますし、同じエリアでも物件のパフォーマンスや立地的な好み等で中古に魅力を感じることは少なくないでしょう。また、そもそもマンション選びというのは"新築と中古を見比べてこそ"だと思うのでこのような状況下での中古の検討を否定するつもりは毛頭ありません。

ただ、こういった状況は中古検討者にとっては少なくともここ数年の中で最悪(というか過去一?)なのではないかと思いますし、”そういった中で中古を検討している”ということは意識しておくべき(心構えとして持っておくべき)と思いますね。単純に「新築よりも価格が安い(築年数が経過している分安くなるのは当たり前のこと)」というだけで中古を検討するのは資産価値を考慮した場合に不利になることが少なくないのでぜひとも注意して欲しい点になります("築年分の減価"を考慮した上で、新築と比べるのがベスト)。

ご参照)新築と中古の坪単価比較分析2019

ちなみに、中古戸建は今月もマンションを上回るぐらいの数字を記録しています。
成約件数は前月・前々月に続き機構発足以降の過去最高をまたもや更新し(マンションも今月は更新しています)、件数は前年同月比で+25.8%、価格も+11.5%となっての大盛況の様相です。

マンションと異なるのは平均築年数で20.67年(前年同月21.93年)と大幅に若返っており、多少の価格上昇ならば納得ではあるのですが、優に1割を超える上昇ですから凄いとしかいいようがありません。

さて、来月4月の新築マンションの動向は、緊急事態宣言下だった昨年4月(686戸)に比べたら大幅増加するはずですが、そこまで目立った大量供給はない感じ(ブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘ブルーミングレジデンスぐらい?)で、平年並かそれよりもやや少ないぐらいになるのではないでしょうか。

話題性のある物件が多くない中でどのぐらいの戸数になるか、2・3月に続き7割超の契約率を維持できるか、という点に注目しましょう。

0 Comments



Post a comment