ブリリア大島パークサイド【クセの強いランドプランながら5階建で屋上庭園】2階69㎡5,598万円(坪単価268万円)

続けて、ブリリア大島パークサイド。

設計はスターテック、施工は木内建設です。

前回の記事で書いたように、「パークサイド×大通りなどに面していない落ち着き×大島小松川公園徒歩8分×買物教育関係施設も良好な敷地面積2,100㎡超」ということで、派手さはないながらもなかなかに貴重な存在に映る物件になります。

一方で、明確なウィークポイントと感じるのが南北に長めの敷地形状でしょう。
大島7丁目公園は北側なのでパークフロントになるのは北側にも開口部のある角住戸だけですし、敷地形状が影響し南向き住戸率も非常に低くなっています。

立地環境を加味しほぼファミリータイプで構成された物件ですし、南向き住戸率の低さはやはり気になる点ですね。

多くの住戸が東向きと西向きで構成されており、その中央部を南北に貫く共用廊下に面した位置に複数の吹抜を設けてはいるものの、共用廊下側の居室の採光は芳しいものとは言えません。

吹抜を設けることで建築基準法上の採光基準を満たす居室を多くしているのだと思いますし、共用廊下自体の採光にも好影響を与えるのだとは思いますが、吹抜を設けるのであれば共用廊下を内廊下にするのも一案ではあったでしょうか。

当物件のように中住戸が3LDKファミリータイプで構成される物件だと、相当な数の吹抜を設けないと行灯部屋が生じてしまいますし、内廊下へのハードルが高かったのは間違いありませんが、最寄駅まで徒歩7分ならば「50㎡台2LDK」のディンクスニーズもそれなりにあるはずで、フロア中央部(内側)を共用廊下が貫く形にするのであれば思い切って内廊下にするのも面白かったのかなと。

まぁ、当敷地は第三種高度地区による北方向の斜線制限がなされている中での南北に長い敷地形状ですので、敷地南端はもっと高さを出すことが出来たはずですし、部分的に高さを出すことで通常フロアにその分のゆとりを生み出すことも可能だったはずです(容積率は一定であることを前提)、。

以下で言及するように駐車場もろくに確保出来ていない物件ですし、ランドプランはもう少しやりようがあったように感じてしまうわけですが、1階には事業協力者事務所も入居しますし、そのあたりとの兼ね合いもあってのものでしょうか。

一方で、共用施設は特徴がありますね。
5階建ながら屋上庭園が設けられており、Wi-Fi環境もあるパークサイドの庭園はなかなかに魅力的ですね。芝生が施されベンチやテーブルも充実した心地よいスペースになります。

大島7丁目公園は敷地北側なので住戸からの視界面で恩恵を受ける住戸は限られていますし、そもそも北側である以上”パークフロント”を活かすのは簡単ではないものなのですが、こういった屋上庭園ならば南向き住戸にお住まいの方以外もお日様も浴びられますし、東向きと西向きの多い物件においては上手い試みと言えるでしょうね。5階建でも周囲は低層建物ばかりのエリアなので視界抜けは申し分なくスカイツリーも望めます。

そのように1階には事業協力者事務所があることもあってかエントランス周りはスケールのわりに小ぶりに映ります。ただ、外観はポイントとなる一部のルーバーに加え、バルコニー戸境壁を全てコンクリートで仕切ることで縦のラインを強調していることもありスケールなりの存在感を醸し出すことが出来ているように思います。

前回のブリリア大島パークサイド

公式ホームページ
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お部屋は69㎡の3LDK、西向き中住戸です。この階では視界抜けは得られないものの、西側は戸建が立ち並ぶエリアになりますので圧迫感はなく日照も得られますね。

気になるのはやはり間取りでしょう。
連窓サッシが採用されていないのでLDの開口部は今一つですし、洋室1は吹抜に面した開口部、洋室3は行灯部屋という厳しめの構成です。

そのように玄関から近いところに東向き住戸があり、採光が芳しくありませんのでこの専有部形状である以上こういった設計にせざるを得ないわけですが、そうであれば西面には連窓サッシを採用するなどの努力があって欲しかったとも思いますよね。
隣合う2戸で1つの吹抜を共有する形なのでプライバシー面もあまり良いものとは言えません。

玄関は共用廊下から窪ませてはいるものの、洋室側はそのようにしていないのでアルコーブとしてのゆとりはイマイチですし、多くを占める中住戸がこのようなプランになってしまっているのはやはり気になるところではありますね。

坪単価は268万円。低層階でこの水準なので先ほどの最上階北東角住戸ルーバルプラン(87㎡)や南東角住戸(82㎡)などの面積の大きなものと比較すると単価差が小さく感じると思いますが、前回の記事で書いたようにこちらが高いというよりはあちらの単価が良好な条件面のわりにこなれているというのが適切なのだとは思います。

近年この界隈ではファミリータイプ物件の供給がないので適切な比較対象はないものの、これまで言及しているように非常にバランスのとれた立地条件ですし、この間取りであろうとも現実的な設定と言って良いように思います。

駅の反対側で大島小松川公園までの距離感が大きく異なるのであまり参考にはなりませんが、大島駅徒歩8分のところで2015年に分譲されたクリオ大島サザンプレイスの平均坪単価が約225万円(その近くの2019年のブリリア大島は定借のため参考外)でしたので、流石に2015年の物件と比べると値上がり感はあります。

ただ、路線は違えど南砂町駅徒歩12分のジオ南砂町は平均坪単価で300万円を超えていますし、西大島駅徒歩9分のプラウド住吉も同様の水準でしたので、平均坪単価約280万円ほどになるであろう当物件のお値段設定はこのご時世としては見やすい方になるでしょうね。

設備仕様面は、ディスポーザーや水回りの天然石天板仕様がないのは違和感はありませんが、トイレ手洗いカウンターがないのは残念です。ただ、食洗機はもちろん付いていますし、キッチン水栓がタッチレスなのは魅力ですね。

管理費は274円/㎡。ディスポーザーなしの外廊下ですが、ほぼほぼファミリータイプで構成された総戸数67戸というそこそこのスケールを考えると高く感じます。

駐車場は身障者用1台のみ平置、残りの6台(うち1台は事業協力者用)が機械式になります。ほぼファミリータイプで構成された物件ですので駅距離を加味しても少な過ぎですね…。

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