2021年4月の首都圏マンション市場動向
不動産経済研究所の発表によると4月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,089戸(前年同月比204.5%増)
1戸あたり価格7,764万円(前年同月比24.9%アップ)
契約率73.6%(前年同月比5.3ポイントダウン)
とのことです。
昨年4月は"初め"の緊急事態宣言下でモデルルームは軒並み営業自粛という状況でしたので、200%超の増加は当然のことです。それ以前の3年間(2017~2019年)の4月は「2,741、2,342、1,421」という感じですので4月の約2,000戸は平年並といったところでしょうか。
ただ、在庫も少なかった前月末からさらに減少し7,000戸ほどになりましたし、契約率も前々月の76%、前月の73%に続き依然として高めの水準を保てていることからもかなり堅調な市況であることが窺えます。
なお、平均価格が大幅上昇し8,000万円近くなっているのですが、これはパークコート千代田四番町の影響が非常に大きいですね。
3月中旬に登録が行われていたので3月(前月)の数字に含まれているものと思っていたのですが、価格帯別供給戸数を見ると確かに前月には含まれていなかったですね(前月は2億台及び3億超の戸数が少なく3億超が少なくなかったパークコートがカウントされていないことは明らか)。失礼しました。
そんなわけで今月(4月)の数字にはパークコートの1期1次130戸がガッツリカウントされていまして、都区部の平均に至っては10,180円(前年同月比43%)という大台になっているのですが、この物件に加えパークタワー勝どきミッドに代表されるような大規模高額タワマンの人気自体が今の市況を表しているとも言え、"パークコートのせいで平均価格が上がっただけ"とは言い難い状況にもなってきてはいるのかなと。
まぁ、恒例の億ション比率は、14.8%ということで平時の4~6台%程度に比べ倍以上の数字を記録していることからもお分かりのように、パークコートの影響は非常に大きいのは間違いないわけですが…。
なお、4月の都区部比率は約51%と、前々月の約47%、前月の約39%などと比べても高くなっており、平均価格の上昇にはそういった都心物件比率の高まりも影響を与えているようです。
一時期はよく報道されているような郊外人気(?)も窺えましたが、少なくとも今月の数字(エリア別契約率も郊外は目立っていない)からはそのような様子は感じられません。
ちなみに、先月の記事で言及していたように4月の主な供給としては他にブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘ブルーミングレジデンスの第一期170戸があり、都下の平均価格も前年同月比で47.2%上昇という強烈な数字が記録されています。
お次は中古市場を見ていきましょう。
レインズマーケットウォッチの月例速報によると、
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,428件(前年同月比+110.4%)
59.10万円/㎡(前年同月比+16.1%)
3,826万円(前年同月比+19.5%)
専有面積64.74㎡(前年同月比+2.9%)
築年数22.47年(前年同月24.02年)
となっており、昨年の4月は上述の新築同様に緊急事態宣言による営業自粛の影響が非常に大きかったので件数の倍増自体は既定路線になります。一昨年の4月が3,440件ですので平年並と言ってよいでしょう。
ただ、やはり気になるのは価格でしょうね。前年4月はそういった状況で新規供給物件も少なく(平均築年数の高さからもその状況が窺えると思います)、価格も前後月に比べかなり下がっていたのでそれに比しての19.5%上昇という数字には大きな意味はありません。
しかしながら、㎡単価の「前年同月比」での上昇は12ヶ月連続ですし、「前月比」で言ってもコロナ禍突入後はほとんどの月で上昇する右肩上がりの状況になっているのです。
2019年末頃は54万円/㎡だったのですが、緊急事態宣言下の昨年4~5月で一旦下落した後、昨夏には早くも54万円/㎡を回復、そしてそこからの右肩上がりで今年3~4月は59万円/㎡にまで上昇しており、コロナによる下落どころかこんな短期間でここまで上昇するというのは本当に驚きですよね。
最大の上昇要因は、この分析の中で毎月のように述べているように、基本的にはコロナ禍による新規売出物件の減少による需給の乱れによるものではあるのですが、それにしても…という感じではありますよね。
依然としてコロナ禍は収束が見えず、当分は需給が乱れたままの状況が続きそうですが、例年で言うと、3~4月に比べ夏場は価格が落ち着いたり伸び悩んだりする傾向があるのでその時期にどう動いていくかが気になりますね。
最後に、来月5月の新築マンション動向について言及しておきましょう。
またもや緊急事態宣言ということもあってかGW中は低調な印象があったのですが、宣言明けまで待てないとばかりにGW明けぐらいから供給が活発になってきたと感じるので、戸数としては平年に近い水準になるのではないでしょうか。
なお、大規模物件の第1期など全体の数字に与える影響の大きな物件は見当たりませんが、そのパークコート千代田四番町は早くも完売したのでその後の供給が5月分としてカウントされてくるはずですし、高額物件の第1期としてはプラウド新虎通りやディアナコート池田山公園などもあるので価格もしっかりとしたものになりそうですね。
発売戸数2,089戸(前年同月比204.5%増)
1戸あたり価格7,764万円(前年同月比24.9%アップ)
契約率73.6%(前年同月比5.3ポイントダウン)
とのことです。
昨年4月は"初め"の緊急事態宣言下でモデルルームは軒並み営業自粛という状況でしたので、200%超の増加は当然のことです。それ以前の3年間(2017~2019年)の4月は「2,741、2,342、1,421」という感じですので4月の約2,000戸は平年並といったところでしょうか。
ただ、在庫も少なかった前月末からさらに減少し7,000戸ほどになりましたし、契約率も前々月の76%、前月の73%に続き依然として高めの水準を保てていることからもかなり堅調な市況であることが窺えます。
なお、平均価格が大幅上昇し8,000万円近くなっているのですが、これはパークコート千代田四番町の影響が非常に大きいですね。
3月中旬に登録が行われていたので3月(前月)の数字に含まれているものと思っていたのですが、価格帯別供給戸数を見ると確かに前月には含まれていなかったですね(前月は2億台及び3億超の戸数が少なく3億超が少なくなかったパークコートがカウントされていないことは明らか)。失礼しました。
そんなわけで今月(4月)の数字にはパークコートの1期1次130戸がガッツリカウントされていまして、都区部の平均に至っては10,180円(前年同月比43%)という大台になっているのですが、この物件に加えパークタワー勝どきミッドに代表されるような大規模高額タワマンの人気自体が今の市況を表しているとも言え、"パークコートのせいで平均価格が上がっただけ"とは言い難い状況にもなってきてはいるのかなと。
まぁ、恒例の億ション比率は、14.8%ということで平時の4~6台%程度に比べ倍以上の数字を記録していることからもお分かりのように、パークコートの影響は非常に大きいのは間違いないわけですが…。
なお、4月の都区部比率は約51%と、前々月の約47%、前月の約39%などと比べても高くなっており、平均価格の上昇にはそういった都心物件比率の高まりも影響を与えているようです。
一時期はよく報道されているような郊外人気(?)も窺えましたが、少なくとも今月の数字(エリア別契約率も郊外は目立っていない)からはそのような様子は感じられません。
ちなみに、先月の記事で言及していたように4月の主な供給としては他にブリリアタワー聖蹟桜ヶ丘ブルーミングレジデンスの第一期170戸があり、都下の平均価格も前年同月比で47.2%上昇という強烈な数字が記録されています。
お次は中古市場を見ていきましょう。
レインズマーケットウォッチの月例速報によると、
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,428件(前年同月比+110.4%)
59.10万円/㎡(前年同月比+16.1%)
3,826万円(前年同月比+19.5%)
専有面積64.74㎡(前年同月比+2.9%)
築年数22.47年(前年同月24.02年)
となっており、昨年の4月は上述の新築同様に緊急事態宣言による営業自粛の影響が非常に大きかったので件数の倍増自体は既定路線になります。一昨年の4月が3,440件ですので平年並と言ってよいでしょう。
ただ、やはり気になるのは価格でしょうね。前年4月はそういった状況で新規供給物件も少なく(平均築年数の高さからもその状況が窺えると思います)、価格も前後月に比べかなり下がっていたのでそれに比しての19.5%上昇という数字には大きな意味はありません。
しかしながら、㎡単価の「前年同月比」での上昇は12ヶ月連続ですし、「前月比」で言ってもコロナ禍突入後はほとんどの月で上昇する右肩上がりの状況になっているのです。
2019年末頃は54万円/㎡だったのですが、緊急事態宣言下の昨年4~5月で一旦下落した後、昨夏には早くも54万円/㎡を回復、そしてそこからの右肩上がりで今年3~4月は59万円/㎡にまで上昇しており、コロナによる下落どころかこんな短期間でここまで上昇するというのは本当に驚きですよね。
最大の上昇要因は、この分析の中で毎月のように述べているように、基本的にはコロナ禍による新規売出物件の減少による需給の乱れによるものではあるのですが、それにしても…という感じではありますよね。
依然としてコロナ禍は収束が見えず、当分は需給が乱れたままの状況が続きそうですが、例年で言うと、3~4月に比べ夏場は価格が落ち着いたり伸び悩んだりする傾向があるのでその時期にどう動いていくかが気になりますね。
最後に、来月5月の新築マンション動向について言及しておきましょう。
またもや緊急事態宣言ということもあってかGW中は低調な印象があったのですが、宣言明けまで待てないとばかりにGW明けぐらいから供給が活発になってきたと感じるので、戸数としては平年に近い水準になるのではないでしょうか。
なお、大規模物件の第1期など全体の数字に与える影響の大きな物件は見当たりませんが、そのパークコート千代田四番町は早くも完売したのでその後の供給が5月分としてカウントされてくるはずですし、高額物件の第1期としてはプラウド新虎通りやディアナコート池田山公園などもあるので価格もしっかりとしたものになりそうですね。