リーフィアレジデンス杉並井草森公園【この立地と敷地面積で133戸のパークフロントという贅沢】2階61㎡5,998万円(坪単価323万円)

続けて、リーフィアレジデンス杉並井草森公園。

設計・施工は長谷工で直床です。
8階建総戸数133戸というスケールというだけで長谷工設計・施工にお誂え向きですし、近年は坪単価400万円超の直床マンションも誕生している状況ですので驚きまではありません。

ただ、第2種高度地区(建物が立つ第一種住居地域側)の斜線制限があるとはいえ、全戸南向きに拘る必要は必ずしもなかったわけですし(敷地内のオープンガーデンを望むお部屋なんかがあったとしても魅力的だったとは思います。まぁ、販売単価はやはり全戸南向きの方が上がるので普通にしたらこうするのが無難ですけども)、前回の記事で書いたように"見れば見るほどこの立地やランドプランが貴重なことが分かる物件"ではあるので角住戸のコーナーサッシとかワイドな開口部とかと同様でそこは妥協しない方が良かった気がしますね(物件の「格」や「イメージ」といったところでのマイナスの影響が大きい)。

前回の記事で書いたように、敷地の多くが”容積率100%の第一種低層住居専用地域ながら8階建の高さ"を出せたことで敷地北側のランドプランが非常にゆとりあるものと出来ており、4万ha弱の井草森公園のパークフロントながら敷地の緑空間まで充実した稀有な物件になります。そのため、デベロッパー的(ここは小田急不動産と大和ハウスのJVです)には”特長はこれだけで十分”という結論になったのでしょうし、確かに現実的な判断だとも思うのですが…。

なお、オープンガーデン隣接のエントランスは、車寄せがある上、ライトアップの美しいキャノピーや風合いある天然素材を用いた外壁も印象的なもので、共用面でのデザインという意味でも十分な見所のある物件になります。

ガーデンにはウッドデッキの上にテーブルセットなども設けられており、ガーデンパーティやアウトドアランチなども楽しめる素敵な空間、エントランス脇のラウンジはリモートワークなども可能なそこそこの大きさでデザイン性も高いもの、さらに、建物外観も様々なガラス手摺や木調ルーバーなどにより部分部分でパターンを変えているあたりにも工夫を感じることが出来る物件です。

前回のリーフィアレジデンス杉並井草森公園

公式ホームページ
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お部屋は61㎡の3LDK、南向き中住戸です。新青梅街道の南側にはもちろん井草森公園が広がるポジションです。2階だと歩道沿いの木々や電線などの影響がありますし、新青梅街道沿いの喧騒なども多少気にはなるのでしょうが、日照は半永久的に保たれるであろうポジションですし、低層階だろうがそうそうお目にかかれないものであるのは確かです。

新青梅街道沿いの高さ制限の緩い第一種住居地域内だけで建物(8階建)を完結させる必要があったため、建物を歩道からあまりセットバック出来ておらず、特にこういった低層階は歩道(ないし新青梅街道)との距離がもう少し確保されていたらなぁ…という印象ではありますけれども、この地ならばパークフロントの全戸南向きで完結させたいデベロッパーの気持ちは十分に分かりますし、そのようなランドプランにしたこそ敷地北側にここまでの”ゆとり”が実現出来ているのも確かなことです。

間取りは60㎡そこそこの3LDKということで随分と面積を絞った3LDKになります。当物件は59㎡~の設定なのですが、「59㎡は2LDK」であるのに対し、こちら「61㎡が3LDK」という意味でも少々違和感がありますね。2LDKと3LDKはもう少し面積差(つまりはグロス価格差)を設けないと3LDKの方が人気になるものですからね…。
※このプランをご覧いただくとお分かりのように3LDKはウォールドアを開くとわりときれいに2LDK的に使うことが出来ますんで柔軟性という点で純粋な2LDKよりも優位性があるでしょう。

専有部形状は一般的なものですが、1室が和室になっているのは23区内の物件としては結構珍しいですね。
和室ということでリビングインの行灯部屋にはなりますし、もちろん和室が欲しいか否かで評価が分かれるところにはなるのでしょうが、「ワモダン・プラス」という提案で床下収納を設けているあたりもなかなか気が利いていると思います。

当物件のプランの中にはキッチンにドロワーカウンター(キッチンの対面に食事出来るカウンタースペースを設け、カウンターの下部にカトラリー収納も設置)というのを採用したものもあり、プラン面での工夫も見受けられますね。

坪単価は323万円。59㎡の2LDKとほぼ同じ単価設定になっており、そのように面積差が2㎡もないのでグロス差もとても小さいです。「2LDKに永住志向」があるなど余程のことがない限り3LDKとしても使える柔軟性があった方が良いのでこちらのプランの方が手堅いでしょうね。

そもそもこのような「南面パークフロント」という非常に分かりやすい売りのある物件ですのでここまでの3LDK狭小戦略をとる必要はなかったようにも感じるところもあるのですが、そこはやはり”全戸南面パークフロントの133戸”であることが影響しているのでしょう。

南向き以外に東や西向き住戸があればそういった方角のお部屋で価格差(グロス差)を設けることが出来たのですが、当物件は全戸南向きで全体的に条件が良いがゆえに"全体としてそれなりの単価設定"になっており、"同じ3LDKの中で面積差を設けないことには価格レンジが確保しづらい"状況になっているのです(とは言え「59㎡の2LDK」と「61㎡の3LDK」という組み合わせは疑問です…)。

ちなみに、第一期は44戸ということで、このような稀有な立地のわりには大人しいスタートです。
以下のようにランニングコストが抑えられた物件ですし、もう少し人気を集めてもおかしくないように思いますね。

設備仕様面は、スケールを活かしディスポーザー付、また、食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンのキッチン天板などそれなりのものになっています。浴室照明がダウンライトではなくブラケットタイプとなるなどコストを抑えている部分も見受けられますが、悪くはないでしょう。

管理費は189円/㎡。外廊下ですがディスポーザー付での水準ですのでスケールメリットが感じられる水準です。豊かな植栽の維持管理コストもかかるでしょうし、この水準に抑えられているのは駐車場が全台平置(維持費がほとんどかからない)という点が大きいでしょうね。

駐車場は身障者用1台、来客用2台、カーシェア用1台を含む全68台でいずれも平置になります。およそ50%の平置駐車場を実現出来ているのはこの容積率制限が厳しい敷地面積6,500㎡超あってのものであることは言うまでもありません。

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