ブリリアシティふじみ野【駅距離はあるがゆとりある約26,500㎡】2階70㎡3,848万円(坪単価181万円)

続けて、ブリリアシティふじみ野。

設計・施工は長谷工で、直床になります。
この価格帯・スケールの板状マンションで長谷工とくれば直床になることに違和感はないでしょう。ちなみに、この物件のスケールには及びませんが上野台1丁目で2013年に分譲された大規模物件オハナふじみ野上野台ブロッサムも長谷工設計・施工で直床ですね。

当物件はエリア内最大級のスケールを有しているのはもちろんのこと、敷地面積26,500㎡弱という大きさがありながら建築面積が約9,600㎡という空地の豊かさも大きなポイントになるでしょう。

緩和を受けたことで15階建が実現出来ていますが、容積率(200%)が緩和されているわけではないので高さを出せた分、空地が非常に豊かなものになっています。
2つに分かれた自走式駐車場と平置駐車場で490台分の駐車場を確保していることからもお分かりのように駐車場が占める割合もそれなりではありますが、それでもこれだけの空地があればランドスケープはとても豊かで、特にA棟南西部の木立のプレイパーク、B棟とC棟の間の潤いのガーデン、B・C棟の東側の風のプロムナードというまとまった空間が印象的です。

共用施設は、そういったガーデンの屋外空間以外ももちろん充実していて、各棟にリモートワークなども出来るしっかりとした大きさのラウンジ(パーティールームやワークスペースとしての貸し切り使用にも対応)、B棟にワーキングキャビン、C棟に3つのゲストルームという感じで充実しています。

また、デザイン的なところで言うと敷地南東頂点部(敷地入口)に設けられたA棟の2層吹抜のエントランスホールがとても印象的です。その上部には先ほど取り上げた南東角住戸のダイレクトサッシ(とサッシ上部の大庇)もあるので透明感も高いですし、エントランスホール天井部の装飾なんかも見所の1つですね。

総戸数708戸という稀なスケールの物件ですので"驚くようなパフォーマンス"こそ見当たらないものの、容積率の低い土地を活かした全体的にゆとりある設計が実現出来ているあたりはシンプルに魅力的な点になるでしょう。

前回のブリリアシティふじみ野

公式ホームページ
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お部屋はA棟の70㎡の3LDK、南西向き中住戸です。西南西に近い南西向きではあるものの、日照時間はかなり長いですし、その木立のプレイパーク向きで前建までの距離が十分過ぎるほど確保されている低層階でも魅力的なポジションになります。その先も広域に渡り第一種中高層住居専用地域の戸建住宅街が広がっているので、低層階でも将来的なリスクがほとんどありません。

間取りは中住戸でも70㎡に乗せており、A棟の中住戸の多くがこのような田の字ベースのプランで構成されています。
また、細かな違いはあれど縦長リビングプランと横長リビングプランの2つに大別され、こちらは縦長リビングプランになりますね。

前回の記事でも述べたようにザ・ガーデンズ東京王子のような玄関窓はないですし、共用廊下側の柱もガッツリ食い込んだどこにでもあるような田の字プランではあるものの、田の字なりに効率性は高く、収納面の充実は評価出来る点になるでしょう。
洋室1のウォークインクローゼットは間口が扉1枚分しかなく(この位置・形状ならばもっと間口を広げて欲しかった)、大きさのわりに収納力がなさそうなのは気になりますが…。

坪単価は181万円。最上階でギリギリ200万円を超えるぐらいの設定です。A棟東半分に位置した”南向き中住戸”と比べると気持ち安くはなっていますが、そのようにこちらの低層階は木立のプレイパークに隣接するポジションであることが考慮されてのものでしょう。

なお、近隣供給事例として最も参考に資するのはやはりオハナふじみ野上野台ブロッサムでしょう。2013年の分譲なので今とは相場が大きく異なりますが、駅徒歩9分での平均坪単価約135万円ということで当物件の200万円弱は5割弱も上昇している計算に…。

ふじみ野駅では近年ライオンズふじみ野グランテラスが平均坪単価約215万円、プラウドふじみ野が平均坪単価約240万円、ファインレジデンスふじみ野もプラウドとほぼ同様(現在も分譲中で正確な平均は不明)という水準になっているとは言え、急行停車駅とでは駅力が違いますし(上福岡駅での直近の分譲は2017年駅徒歩2分のコンフォルシア上福岡で平均坪単価約180万円)、以下のような貧弱な設備面も考慮すると若干強めの印象ではありますね。

前回の記事でも書いたように第一期は110戸とまずまずですし、イオンタウンとヤオコーが至近となる買物利便の高さや再開発物件らしいランドマーク感・スケール感も十分な物件ですのでこのようなお値段設定でもそこそこの人気を集めることは出来ると思うのですが、今後販売されるB・C棟は条件が悪くなっていきますし、700戸超の販売戸数を考えるともうちょっとパンチある価格帯としてスタートダッシュを図るのが現実的だったような印象ではあるでしょうか。

ちなみに、オハナはスケールのある物件なりに中古での成約事例がわりと多く、過去1年ほどの間の6件は145~160万円になっています。年あたりの減価率を2%と想定し新築時からの減価を13%(築6~7年のため)と仮定するとおおよそ170万円台中盤という感じになるのでそういった点から言ってもやや強めの印象にはなってしまいますね。

設備仕様面は、既に言及しているように床暖房がないのはとても残念なのですが、さらに総戸数708戸というスケールがありながらディスポーザーがないというあたりもチャレンジングですね…。
スケールを活かし共用部で差別化が出来ているとは言え、専有部にスケールが活かせていない(ディスポーザーがない)というのは…。トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、食洗機すらもない分譲マンションとしては最低レベルのシンプル過ぎる仕様で平均坪単価100万円台中盤の物件ならまだしも200万円超のお部屋もそこそこある物件ですのでコストに厳しいこのご時世であることを考えてもちょっとやり過ぎな印象を受けます。

管理費は175円/㎡。ディスポーザーなしの外廊下ですが、駐車場は自走式と平置なのでそれほど維持費がかからないですし、これだけのスケールメリットがあるわりには安くないです。

駐車場は全490台で、内訳は自走式338台、平置が152台(来客者用3台・カーシェア用2台・車椅子使用者優先駐車場3台含む)になります。

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