プラウドタワー小岩ファースト【駅前特等席なりの強いデザインへの拘り】9階58㎡5,800万円台(予定)(坪単価約329万円)

続けて、プラウドタワー小岩ファースト。

設計・施工は清水建設(監理は梓設計)で、制振構造とスケルトンインフィルが採用されています。

最大の特長は、前回の記事でもちらっと述べた駅前ランドマークになりうる外観デザインでしょうか。そのように駅方向から見ると同再開発のⅢ街区(33階建)の”手前”にあり、そちらを隠すような位置関係にあるので駅前からは非常に目立つポジションになります。そのポジションを活かすためにコーナー部には幅のあるダイレクトサッシが採用されており、タワマンとしてはありがちなものではあるのですが、これがあるのとないのとではやっぱり大きな差があると思います。

角住戸のフルバルコニーは屋外部分の+α空間が大きくなり空間的な広がりが生まれるのでそれはそれで魅力的ではあるのですが、外観デザインではダイレクトサッシの圧勝ですし、バルコニーがないことによる視界面での開放感という点でも優れていますね。

窓際の下り天高の約2.1m(サッシ高は床上30cmほどから約2.1mまで)はタワマンとして秀でた水準とまでは言えないのですが、そのダイレクトな8連サッシの存在感はかなりのものですし、階高の高い基壇部(ファスタ)の商業部分(店舗・保育施設が入居予定)やファスタ小岩Ⅰ(Ⅰ街区)からつながるデッキ部分も含め当物件は22階建総戸数233戸という数字以上の存在感を放つのは間違いないところです。

なお、デザイン監修は南條設計室の野呂氏なのですが、南條設計室とは別にカラーデザインとしてコトナというデザイン事務所も起用されており、そういった点からも見た目に力を入れたプロジェクトであることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

バルコニー手摺はフロアや住戸位置によって異なる設え、さらにランダムに縦のライン(ルーバー)を強調しており全体として爽やか、かつ、繊細なデザインになっていると思います。

また、さらに共用部のデザイナーにフィールドフォーデザインオフィスを起用しており、共用面のデザイン性も高いです。フィールドフォーデザインオフィスは三井の大規模タワマンであるキャピタルゲートプレイスグローバルフロントタワーなどの実績がありますね。
特に存在感があるのが2階部分に設けられたデッキからつながるメインエントランスで、デンマークのヒュッゲの考えを取り入れた光の演出が素敵な2層吹抜になっています。デッキからつながる”2階部分”ですし、そもそも店舗なども入る2階は階高もそれ相応に高いのでこういったケースだと2層吹抜を採用しない(1フロアで十分)ことの方が多い印象なのですが、ここは2~3階にかけての2層吹抜を採用しており三次元でのインパクトがとても高い空間設計(天井高約8m)になっていますね。

共用施設は、22階建ということもあってか低層部のみになるのですが、ライブラリーラウンジ、コミュニティラウンジ(キッズスペース、キッチンスペース)、さらにゲストルームもあり総戸数233戸というスケールを考えればまずまずと言えるでしょう。

そして、江戸川区らしい標高2mほどの低地になるためか、防水板や地下電気室の水密扉などの対策をしっかりとしていてそのあたりもモデルルーム等でアピールしているあたりも抜け目がないと思える点になります。

なお、管理費は388円/㎡とそこそこ高くはあるのですが、内廊下に加え、各階ゴミ置場、24時間有人管理(防災センターあり)でのものなので、233戸というスケールのわりには抑えられていると思います(総戸数100戸台はもちろんのこと、200戸台ぐらいだとランニングコストの関係で各階ゴミ置場をなくすケースはけして少なくありません)。流石にコンシェルジュサービスはないですけど…。

前回のプラウドタワー小岩ファースト

公式ホームページ
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お部屋は58㎡の2LDK、南向き中住戸です。南向きの中でも西寄りではあるものの、III街区のタワマン(33階建)はこのお部屋からでも南西側になるので正面方向(南方向)への影響はありません。ただ、こちらは低層階で正面方向に商業棟が出来ますのでこの階だとギリギリ視界面での影響を受けてしまいますね。なお、道路も挟みますので日照に関しては商業等の影響は皆無で、タワマンのある南西側のみ影響を受ける感じになります。

間取りとしては内廊下設計のマンションにありがちな洋室1室が行灯部屋になったタイプなのですが、平均的なものよりもスパンが確保されているのは魅力でしょう。
柱の影響で洋室1側の開口部は残念ですけどLD側の開口部は3連サッシで良好です。

LDは入口付近のわりと大きなスペースを含めての10畳なので58㎡のわりには若干小さな印象ではあるものの、収納は充実していますし大きな違和感のない設計です。

このポジションならばやっぱり二重サッシはいらない気はしますけど、エコではありますね…。

坪単価は予定価格で約329万円。低層階にわずかにある30~40㎡台の分譲住戸は坪単価400万円弱の水準で、流石にコンパクトなりの単価になっていますが、こちらは分譲住戸の多くを占める60~70㎡台と同様の単価設定(むろん向きや日照によっての差はある)ですね。東向きの60㎡ちょっとの2LDKが高層階でこれと同単価帯(330万円ほど)なのは少々疑問ではありますが(この大きさの2LDK、ましてタワマンで南向きが重視されることは多くない)、このエリアなりのお値段設定(南向き信仰の強い地元高齢者需要などを加味)というところもあるのかもしれません。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、水回りの天然石天板仕様、LDダウンライトなど違和感のないものですが、ミストサウナはありません。なお、24時間換気は1種換気が採用されており、室内横壁に給気口がないのでそういった意味でも室内への音の侵入は抑えられています。

駐車場は身障者用2台を含む全88台でタワー内部の機械式になります。8階以下は30~40㎡台(ほとんどが地権者住戸)が多くなっておりそれだけで約50戸あり、実質的には4~5割の設置率になるので駅前タワマンとしてはまずまずだと思います。

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