バウス湘南台【気の利いたランドプランで緑を充実】5階67㎡5,168万円(坪単価254万円)

続けて、バウス湘南台。

設計は宮田建築事務所、施工はファーストコーポレーション及び三信住建、さらにランドスケープデザインにはコスモスイニシアの物件での実績が非常に豊富ないろ葉デザインを起用したことでかなり特色のある物件に仕上がっています。

コンセプトは「邸園街区構想」であり、お隣の超大規模物件エスタテラの緑との連動性を高めたランドプランがいい感じに"win-win"で素晴らしいと感じるのですが、当物件の工夫はそれだけではありません。

私が当物件で強調したい点に、”敷地に沿わない配棟計画”と”敷地北側道路沿いに設けられた駐車場”があります。

敷地はきれいな四角形をしているので、一般的には敷地南端に沿った南向きと敷地東端に沿った東向きのL字配棟になります。

しかしながら、敷地南端のラインと平行にはせずにやや斜めに傾けることで、サウスサイトとフロントサイト双方の日照時間をより良いものとすることに成功していますし、敷地とあえて平行に配棟しなかったことで敷地のコーナー部などに”余白”を残しそこを緑豊かな空間にしている(コーナー部のお部屋からは緑も望める)あたりもとても上手ですね。

また、駐車場を敷地北側道路沿いに配置し(平置。敷地北西部の道路沿いでない部分にもあります(機械式中心))、駐車場と道路との間に必要なアプローチによる面積消費を最小限に抑えたことが緑の豊かさにつながっているのも確かな点ではないでしょうか。

敷地面積3,300㎡超あり、空地率も約6割を達成している物件なので普通にしててもある程度豊かなランドプランに出来るのですが、当物件はそういったさらなる工夫を行ったことでより一層緑が印象的なランドプランを実現出来ているように思います。

エントランスアプローチも両サイドの豊かな緑がおもてなししてくれるものですし、傾けた配棟により実現した斜めに入る奥行あるアプローチも素敵ですね。

共用施設としては、デンマークのヒュッゲスタイルを取り入れたコミュニティルームがあり、約97㎡(総戸数97戸に合わせている?)という結構大きなものになるのでリモートワークも含め様々な場面で利用できることでしょう。

前回のバウス湘南台

公式ホームページ
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お部屋はフロントサイトの67㎡の3LDK、東向き中住戸です。上述のようにフロントサイトも東側道路に平行に立てられるのではなく、やや傾けた配棟になっていることで本来ならば北東寄りになるところを「真東向き」ぐらいの方角にすることが出来ています。

真東向きなので日照時間はけして長いものではありませんが、道路の向かい東方向は3階建などの低層建物が多いエリアになっているので、この階でも視界抜けが出てきますね。

間取りはやはりやや小ぶりな田の字3LDKであり、インパクトには欠けるのですが、やはり共用廊下側の柱がきれいにアウトフレーム化されているのは気持ちがいいでしょう。それにより玄関前にもアルコーブ的な空間が生まれていますし、近年はこういった価格帯の物件でこれほどきれいにアウトフレームされるケースはほとんど見かけることが出来ません。

パイプスペースなどとの兼ね合いもあるのでしょうが、連窓サッシはもうサッシ1枚分程度大きくして欲しかったという思いはありますが、洋室3のきれいに開け放てる引き戸設計×連窓サッシは普通に魅力的ですし、押さえるべきところを押さえた好感の持てるプランだと思います。

坪単価は254万円。視界抜けが得られることが考慮されてのものとは言え、真東向きだと日照時間はどうしても短くなりますし、そこを重視する方にとってはやや強めに感じるかもしれません。ただ、そういった豊かな緑や共用面で総戸数97戸以上の存在感を放つことの出来る物件だと思いますし、効率性の高い設計面を考えればこのご時世なりに悪くない水準と言えそうです。

中古市場においてはグレーシア藤沢湘南台(2014年築)など築浅の駅近物件が200万円台前半で成約している感じで、そういった点からも違和感のない水準と感じます。

設備仕様面は、スケール感を活かしディスポーザーが付いています。水回りの天然石天板仕様がないのは単価的に当然と感じる反面、トイレ手洗いカウンターぐらいは欲しかったという思いもありますが、食洗機は付いていますし違和感まではないですね。

管理費は183円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での水準なのでスケールメリットを感じることが出来ます。

駐車場は全55台で身障者用を含む13台が平置、残りの42台が機械式になります。

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