プラウドタワー芝浦【木×緑×ガラスが織りなす竹中デザイン】12階55㎡8,090万円(坪単価484万円)

続けて、プラウドタワー芝浦。

設計・施工は竹中工務店で免震構造が採用されています。

近年の首都圏都心部で竹中工務店が設計・施工に携わったタワマンはブリリアタワーズ目黒ザ・パークハウス白金二丁目タワーザ・レジデンス六本木と少なく(この物件の後に分譲されるプラウドタワー目黒マークも竹中です)、かつ、蒼々たるラインナップになっており竹中設計・施工が判明した時点からワクワクしていた物件でもあります。

前回の記事でも書いたようにエリア内には50階建近い物件が複数ある中での33階建ということで高さ的には目立つものではないですし、総戸数421戸も一般的なエリアでは大きくとも1棟で1,000戸前後のタワマンが少なくないこの界隈においては”並”に過ぎません。

ただ、そのような中でやはりポイントとなるのが拘りの意匠を実現することが少なくない竹中工務店による設計・施工だと思っていて、当物件もそのセンスの良さを随所に感じることが出来ます。

当物件のコンセプトは”Advanced×Relax:先進に住む、快適に暮らす”というもので、前回の記事で書いたように築古物件が中心になってきたこの界隈において”新しいもの好きにはたまらない上手に違いを演出したもの"と言えると思います。

デザイン的にはコーナー部のガラスウォールが最大のポイントと言っても過言ではなく、このあたりは前回の記事で書いたようにこの界隈の清水建設設計・施工の物件でもみられるため”竹中工務店らしいもの”とは思いませんが、基壇部では豊かなガラス面と共に石や木といった自然素材をふんだんに用い、かつ、最高部の弓形のティアラの軒裏(最上部以外のバルコニーにも一部採用)にも木目を施すなど、ザ・レジデンス六本木などでもみられた”木”をクローズアップしたデザインはやはり素敵ですよね。

そもそも木材を使ったデザインは近年のトレンドでもありますし、高輪ゲートウェイ駅(やはり木材が特徴的に用いられている)を設計・デザインした隈研吾氏は木材を使ったデザインがとても上手な方で、当物件は"高輪ゲートウェイ駅周りの再開発"が大きなストロングポイントになっていることを考えてもこの物件のデザインは”竹中にしちゃ捻りが感じられない(※)”という印象もあるのですが、日常を過ごす住まいとして時代を反映させた心地よいデザインであることは間違いないでしょう。
※「野村×竹中」は高額物件プラウド神田駿河台でも木材に焦点を当てたデザインを採用していますし、近年は竹中自体にもそういった傾向が強いです。

また、ランドプラン的な特徴も高い物件です。
空地率は約62%とタワマンの中でも高めの水準に出来ており、旧海岸通り沿いに設けられた敷地の半分弱はあるであろうプラザ(公開空地)は植栽豊かなとても心地よい空間になることでしょう。エントランスホールはそのプラザ側に面した位置にあり、なおかつ、ガラス面豊かな2層吹抜空間になっていますので、これはとても魅力的ですね。プラザ内には水盤も用意されています。

ブランズタワー芝浦の桜並木沿いのガラス面豊かな2層吹抜エントランスもとても素敵で、あちらは歩道沿いの桜並木を上手に活かしたものでしたが、こちらは敷地内にわざわざ緑を充実させてのものですのでさらに手がかかっています。ブランズタワー同様に分譲時期的に価格帯が立派なこともあるのでしょうが、そのブランズタワーのエントランス周りなどの出来が良かっただけにこちらも手を抜けなかった(より一層力を入れた)ところもあるのだと思いますね。

共用施設としては、27~28階(西側)に2層吹抜のスカイラウンジ、27階にゲストルーム、28階にフィットネスルーム、さらに屋上デッキも施されており、ブランズタワー以上に高層部が充実していると言えます。湾岸エリアのタワマンの中では33階建はけして高いものとは言えないのですが、そういったあたりも考慮し高層階中心にしているのでしょう。2階にはプラザビューテラスなどリモートワークなどに快適な空間も用意されています。

プラザビューテラスは分譲マンションに限らずカフェなどでの実績も豊富なパーカーズが監修しておりその緑豊かな設えも注目点の1つになりますね。

前回のプラウドタワー芝浦

公式ホームページ
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お部屋は55㎡の2LDK、西向き中住戸です。西側旧海岸通りの向かいには11階建のメゾン田町がありますが、それを越えるぐらいの高さがあり、なおかつ、半分は芝浦小学校の校庭という感じになるので中層階でも良好なポジションです。
当プランは12階以下にあり、その大きなプラザ空間を望むポジションであることを考えるとさらに低層の方が良いような気もしますが…。

間取りは50㎡台中盤の2LDKで、居室配置は内廊下タワマンの中住戸では非常によく見かけるタイプのものになります。

そういったよくあるプランと比べ異なるのは玄関周りの設計で、玄関は南東端にあり、廊下が長めになっています。

他プランや共用部との兼ね合いもあったのだとは思いますが、この位置だと廊下が長め(LD内の実質的な廊下部分を含めての話)になってしまいますし、せめてもう少し北寄りにして欲しかったですね。

もう少し北寄りにすると梁のラインが直撃してしまい玄関の天井高がかなり低くなってしまうことを考慮したのだと思いますが、むしろ北東側にしたっていいわけですし、ちょっと勿体ない印象があります。

柱の影響でスパン以上に開口部が貧弱ですし、いずれの洋室もLDと一体利用しやすい設計になっていないあたりも疑問ですね。

ディンクス住まいで2人とも日常的にリモートワークをすることを想定すればこういった設計の方が良いのでしょうが、そうであればそもそも洋室はリビングインでない方が良いですし…。

坪単価は484万円。同じ中層階でも70㎡台3LDKに比べ1割弱高い設定になっています。3LDKに比べ面積が小さめでグロス価格が嵩まないことを考慮してのものなのでしょうが、間取り面での魅力や効率性がイマイチであることを考えるとやや強く感じる水準でしょうか。
プラザを望みやすくなる低層階は450万円ほどと中層階よりも普通に安いお値段設定になっていますし、もうちょい控えめな設定であって欲しかったですかね。

ブランズタワーの中層階2LDK(50~60㎡台)と近似したお値段設定で、駅距離や微妙な間取り面からしてもそのように感じます。

7月末の第1期1次では105戸というまずまずの数字を記録してはいるものの、プラウドタワーにしては地味な数字(コロナ禍で来場者数を制限していることも影響してはいるとは思いますが…)で、”坪単価500万円台前半に押さえられた高層階”を除くと現時点においてはやや強めの印象(高輪ゲートウェイ駅周りのなどの再開発を若干折り込んだ水準)になってしまいます。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、トイレ手洗いカウンター、水回りの天然石天板仕様、LDビルトインエアコンなどが備わっており、24時間換気も1種が採用されているのも魅力ですね。プレミアムは浴室が高額物件御用達の日ポリ化工のものになるなど全体的にワンランク上のものになっています。

管理費は474円/㎡。ディスポーザー付の内廊下、さらに各階ゴミ置場、24時間有人管理、コンシェルジュサービスもありますので致し方ない範疇ではあるものの、坪単価400~500万円台の物件(を購入される方の懐具合)としてはわりと負担感が伴う水準ではないでしょうか。必要な警備員の人件費が通常よりも嵩むことが最大の要因のようですけど、そうは言っても随分とねぇ…。
600万円以上の物件ともなるとサラリーマン世帯は手が届きづらいですが、400~500だとパワーカップルがメインですので、月1~2万円は馬鹿にするような金額ではありません。ましてこの界隈の中古はマンション価格が安かった時代に出来ていることもあってか管理費も200円/㎡前後などといったかなり安いものが多いため、ざっくり言って当物件の管理費は”倍”の水準にもなってしまうのです。

駐車場は全166台で、身障者用を含む6台のみが平置、残りの160台がタワーパーキングになります。

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