2021年7月の首都圏マンション発売戸数

不動産経済研究所の発表によると7月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数1,952戸(前年同月比6.3%減)
1戸あたり価格6,498万円(前年同月比6.1%アップ)
契約率68.3%(前年同月比5.9ポイントアップ)
とのことです。

発売戸数は前月の記事で予想した感じの結果になったのですが、価格帯別供給戸数を見ると3億以上のお部屋は全体で4戸しかなくパークコート神宮北参道ザ・タワーの第1期160戸はやはり今月の数字には含まれていないようです(間に合わなかったようです)。

それに伴いパークコート千代田一番町(第1期20戸)、プラウドタワー小岩ファースト(第1期88戸)、プラウドタワー芝浦(第1期105戸)がカウントされている(間に合っている)かどうかもやや疑問ではあるものの、それらは戸数・価格帯的にパークコート神宮北参道ほどのインパクトはなく、6,000万円台中盤に達した平均価格からはジワジワと価格上昇圧力を感じるのは気のせいでしょうか。

前月(6月)も都区部比率が低め、かつ、高額大規模供給がなかった中でしっかりとした価格水準でしたし、在庫圧縮を追い風に価格上昇圧力が高まりつつあるのかなと…。

7月末での在庫は6月末に比べ300戸超減り、前年同月末に比べると1,200戸近く少ない6,087戸まで減少しています。

特定の超高額物件の第一期(大量供給)が行われた月でなければ2017年あたりから平均価格は6,000万円超と未満を行ったり来たりという感じが長らく続いていたのですが、実際、ここ最近は2017~2018年あたりの近隣供給事例と比べ強いお値段設定に感じるケースが増えてきていますし、コロナ禍以降の供給減・在庫減を経て価格上昇が数字としても表れるレベルになってきていると感じます。

今月は契約率が7割を切ってはいるものの、そのように在庫が大分減っていることから底堅いニーズがあることが分かりますし、毎月のように述べているように中古においてもコロナ禍で供給(新規売出)が追いつかないような状況にあり、新築・中古問わず不動産市場全体で需給が乱れている(供給が少なめ)ことが価格上昇の最大の要因になっています。

ま今月の億ション比率は10.5%とかなり高く、高額住戸の供給が平均価格を押し上げている面もあるのは確かなのですが、2億以上は少なく大半が1億台のお部屋になりますのでそういった影響を抜きにしても価格上昇圧力を感じてしまう結果ですね。

お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの月例速報です。

・中古マンション成約物件(首都圏)
3,002件(前年同月比-4.9%)
60.71万円/㎡(前年同月比+8.4%)
3,913万円(前年同月比+7.9%)
専有面積64.46㎡(前年同月比-0.5%)
築年数22.68年(前年同月21.80年)

今月も凄い数字ですね。成約件数こそ前年同月(緊急事態宣言明けの反動があった)を下回りましたが、価格は前年同月比での大幅上昇はもちろんのこと、前月比でも価格・㎡単価共にしっかりと上昇しており、ここ数か月述べているように中古狙いの方にとっては非常に厳しい状況、さらに厳しい状況になってしまっています。

成約件数の減少は、やはり新規登録件数(新規売出物件)の減少(前年同月比10.4%減。23ヶ月連続減少)によるところが大きく、その様子は在庫件数の減少(前年同月比23.0%の大幅減)からも痛いほどお分かりいただけるのではないでしょうか。

上述のように新築も在庫減により需給の乱れが高まってきており、これまでは中古のような顕著な値上がりを感じなかった新築にも価格上昇圧力が強まっていることから近々でマンションを買いたい方にとっては"逃げ場がない状況"になっていると思います。

コロナが今後早期のうちに収束する気配はありませんし、余程の経済ショックなどでも起きない限りは新築・中古共に在庫の急増が考えづらい状況になっているので、お子さんの進学などを理由にここ1年内を目途に購入を検討しているようなご家族にとっては本当に厳しく悩ましいものになっていますよね…。

レインズによると7月は中古戸建の成約価格も前年同月比で12.2%という大幅上昇を記録しています…。

さて、新築マンションの来月ですが、お盆期間はモデルルームをお休みするところが多いので例年8月は低調です。ただ、そのパークコート神宮北参道ザ・タワーの第1期が入ってくるのではないかと思いますし、パークホームズ初台ザ・レジデンスの第1期もありました。全体戸数が少なめの中、そういった物件のシェアが高くなることで平均価格はとんでもない水準になりそうです…。

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