ヴェレーナシティパレ・ド・マジェステ【豊かなランドプランと個性あるデザイン】4階71㎡4,998万円(坪単価232万円)

続けて、ヴェレーナシティパレ・ド・マジェステ。

設計はDAN総合設計、施工は大勝、そしてデザイン監修はお馴染みインターデザインになります。

当物件はフランス東部のシャモニーモンブランのリゾートホテルを目指したとのことで、ヴェレーナシリーズらしいユーロ調なのですが、やはり近年のヴェレーナの流れそのままに"コテコテのユーロデザインではなく、モダンさを融合したもの"になります。

外観の特長としては、前回取り上げた角住戸周りに設けられたコーナーサッシ、窓・バルコニー周りに設けられたマリオン、ボーダー、トリム(縁取り)といった繊細な造り込み、そしてブライトヴィラ(B棟)の低層部の軒天に設けられた金属化粧板などが挙げられるでしょうか。

オープンエアリビングバルコニーなどによる凹凸も外観にインパクトを与えている物件で、総戸数193戸というスケールも相まり非常に存在感の高い物件に仕上がっていますね。

また、当物件は敷地面積が約10,000㎡あり、ランドプランもかなりゆとりあるものとなっています。
空地率は約59%と高く、敷地南側の優雅な車寄せのあるグランドエントランス(アクアウォールがあり水景も魅力です)、敷地中央付近のセンターガーデン(センターキャビンというガラス張りのログハウスもある)、そして敷地南西部(敷地外)に約670㎡もの提供公園を施すなど”敷地面積から受ける印象以上”のインパクトを感じる物件です。

一方で、前回の記事で言及したように、この便利とはお世辞にも言い難い立地であれば駐車場設置率は7割よりももっと高い方が良かった印象がありますし、駐車場138台中118台が機械式(残り20台のみが平置)という設計を考えると、ガーデンなどの共用空間をもう少し減らしてでも平置駐車場を増やした方が良かったような印象があるのも確かでしょう。

平置比率が高ければ仮に空きが多くなった場合にも管理組合での対応がしやすくなりますし、この立地(車利用がカギになる立地)、これだけの敷地面積がありながら大半が機械式駐車場というのは残念な点でしょうね。

パーティールーム&キッズスペース、ライブラリーラウンジといった共用施設、さらにコンシェルジュサービスまでありながら管理費が196円/㎡と意外なほどにリーズナブルな設定になっており、そういった意味では機械式駐車場率の高さは気にならないのですが、この水準に出来ているということは駐車場使用料の多くが管理費会計に組み入れられている(※)可能性が高く、将来的な修繕積立金の値上がりがどの程度予定されているかについては注意を払うべきでしょうね。
※管理費を安く見せるために「管理費会計」への組み入れ割合を高くするケースは多く、管理組合の収支予算案を確認して吟味することが重要になります。実のところ当物件の収支予算がどのようになっているのかは定かではありませんが、ガーデンだけでなく敷地内の擁壁を覆うように大々的に植栽も施されますし、植栽管理費も結構かかってくるはずなので、このパフォーマンスでこの管理費は不思議なほど安く感じるのです(いずれ修繕積立金にシワ寄せがくるような気がするのです)。

前回のヴェレーナシティパレ・ド・マジェステ

公式ホームページ
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お部屋はW棟の71㎡の3LDK、西向き中住戸です。W棟は敷地の南西部に設けられる提供公園の北側に位置しており、北西方向には道路を挟んで4階建のリストレジデンス上大岡ブライトがありますが、西側正面方向は2階建ですので日照はもちろんのこと、視界抜けも得ることの出来るポジションですね。

ちなみに、当物件は5棟構成になっており、この西向きのW棟、東向きのA棟を除いた3棟が南向きになるのですが、3棟は南北に並んでおり、ざっくり言うと「日」の字のような配棟になっています。

こちらの間取りは、オープンエアリビングバルコニーほどの奥行はありませんが、デッキ敷のオープンエアスペースのあるタイプで、「連窓サッシ×センターオープンサッシ」の採用により一般的な中住戸に比べ遥かに開放感の高いものになります。

連窓サッシは方立てが小さいですし、洋室2の引き戸がきれいに開け放つことが出来るようになっているのも魅力ですね。

居室配置などはよくある田の字ベースですが、2WAYのビッグウォークインクローゼットはこのシリーズらしい特徴の1つですし、玄関下足スペースがわりと奥行のある設計になっているあたりも好感が持てます。

ちなみに、当物件は46~93㎡とスケール感のある物件なりに面積レンジがあり、そのような5棟構成による豊富なプランバリエーションも大きな特長と言えるでしょう。

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特にH棟(敷地北側にある南向きの棟)のこちらの89㎡のプランには驚かされました。
プラン中ほどをえぐるようにバルコニーが設計されていること自体が凄いのですが、おまけにバルコニーが人工芝敷という点も面白いです…。パターの練習をしろということ???

坪単価は232万円。上大岡駅西側の高台エリアでの分譲は2013年のアトラス上大岡レジデンス(上大岡駅徒歩8分/平均坪単価約205万円)以来で、やはり時期的にかなりの値上がりが窺えますし、上大岡駅東の高台物件で同ヴェレーナシリーズのヴェレーナシティ上大岡(2019年分譲/上大岡駅徒歩13分/平均坪単価約175万円)、パークナード横濱上大岡(2018年分譲/上大岡駅徒歩10分/平均坪単価約240万円)などと比べるとやはり利便性で劣るわりに立派なお値段であるのは否めません。

ただ、ヴェレーナシティ上大岡は平均専有面積100㎡超という大きな特徴のあった物件で、グロスの嵩みを考慮したお値段設定であったのは事実ですし、前回の記事で書いたように専有部・共用部共に差別化が行き届いた物件ですので価格で勝負するつもりはないのでしょう。

とは言え、平均では250万円を超えてくるはずで、193戸という数を捌かなければならないことを考えれば強気な設定とは感じますけれどもね…。

設備仕様面は、これだけのスケールがありながらディスポーザーがないのは残念です。ただ、食洗機は付いていますし、面積帯が大き目のプランにはトイレ手洗いカウンターやタイル貼の廊下が採用されるなど単価帯の割に高級感があるのはヴェレーナシリーズらしい点になるでしょう。

管理費は196円/㎡。外廊下、かつ、ディスポーザーなしですが、上述のように充実した共用施設とコンシェルジュサービス、そして水物(アクアウォール)やダイレクトサッシ(ゴンドラによる窓清掃)もあってのものですのでリーズナブルでしょう。

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