パークタワー勝どきサウス【よく見ると違いが盛りだくさん】27階74㎡8,620万円(坪単価385万円)

続けて、パークタワー勝どきサウス。

設計・施工はデベロッパーとしても参画している鹿島建設で、前回の記事で詳細を言及したように、清水建設によるパークタワー勝どきミッドとは違いが感じられる物件になります。

ミッドの免震(杭基礎)に対し、こちらは制震(直接基礎。近隣は埋立地で基本的には杭が必要になるのですが、勝どきザ・タワーがこんもりとした形状の島のようになっていた部分にあり直接基礎が採用されていたようにこちらもそういったケースになるようですね)という違いもありますが、個人的に大きな差を感じるのがそのコーナー部分のデザインですね。

ランドスケープデザインを含むトータルデザインは、ホシノアーキテクツの星野氏(ミッドの方で詳細を言及しています)によるものなので統一感がありますし、2棟の中央セントラルラグーン周りに限らず、超大規模物件らしく存在感の高いものに仕上がってるのですが、ミッドとの比較という点で言うとやっぱりコーナーサッシ周りのガラス面(透明感)が物足りないと感じるのです。

トライスター形状によるインパクトはもちろんありますが、近隣に近いスケールの勝どきザ・タワー(同鹿島建設によるもの※)があるので、唯一無二感まではないですし隣には同58階建のツインタワーであるザ・トーキョータワーズもあるので高さやスケールだけでいばれる感じではないでしょう(前回の記事で書いたようにその「稀な高さ×駅近」という点では特筆すべき存在だが、”見た目”においては58階建はそこまで武器にはならない)。
※フロア中央部に制震装置を配置したVDコアフレーム構法、外周と内周に分かれた2つのフレームにより建物を支えるダブルチューブ架構も勝どきザ・タワーと同じ

当物件は53階に「スカイラウンジ×スカイデッキ」があり、そこから上はトライスターの3つのウイングのうち1つが欠けるアシンメトリー設計になります。そのため、そこいらへんもデザイン的なアクセントにはなっているのですが、高層部分過ぎて地上からだとそこまでデザイン的なポイントにもならない気がしています。

ミッドとの比較ではなく、パークタワー勝どき全体で言うと計2,786戸(この後にはミッド・サウスよりは大分小さくなりますが3棟目も予定されています)というとんでもないレベルの大規模再開発タワマンであり、ミッドの記事で述べたような充実した共用施設、ミッド低層部に下駄履き商業部分があることの魅力も相まってトータルでエリアNo.1の存在感を放つ物件であるのは間違いないので、”欲を言えば”ぐらいの話ではあるのですが…。

なお、近隣物件とは築年数の差も小さくはないのでそこまで影響はないのかもしれませんが、地権者住戸(中古市場に出回るものも少なからずありそうです)も含め2,800戸近いこのような駅近タワマンが出来るとなるとシンプルに中古市場での需給面・価格面が気になったりもしますね。
他にも魅力的な物件は多々ありますが、駅前にこのパフォーマンスで2,800戸近い物件があると(マンションは1年で5%ほどの住民が入れ替わるとも言われているので賃貸などのケースを除いても年間かなりの数の中古での売出があるはずです)周辺物件への影響は少なからずあるでしょう。この物件の価格に引っ張られているうちはいいのですが、あまりに供給が多くなって需給が乱れるようなことになるとちょっと不安ですね。

人気のあるエリアなのは間違いないのですが、月島駅周り勝どき駅周りはまだまだまだまだ再開発タワマンが控えていますし、とんでもない数のタワマンが流通し、かつ、築年数がかなり経過したものも増えてくる10年後20年後の相場がどうなっていくのかちょっと予測がつかないです…(マンションの価格は経済の影響を非常に強く受けるのでそもそも他のエリアでも10年後20年後の相場は予想出来ないものですけど…。汗)。

なお、サウスの共用面等については正式価格発表後に言及する予定です。

前回のパークタワー勝どきサウス

公式ホームページ
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お部屋は74㎡の3LDK、北向き中住戸です。西ウイングの北側に位置した中住戸で、勝どき駅方向を望むポジションです。清澄通りの手前はもちろんのこと、この住戸から真正面方向になる清澄通りと隅田川の間となるエリアにおいても現状は再開発計画がなく(こんだけ駅周辺で再開発が進行していることからお分かりのように将来的にはあり得ます)、この中層階からでも築地市場跡地の先まで広域での視界抜けが得られますね。

16階以上に設けられたプランですが、第1期1次ではこの階(27階)が一番下であり(他プランを含めても26階以上だけ)、”一番下”でも眺望が良いあたりはやはり58階建の成せる業でしょう(27階は場合によってはタワマン高層階です)。

間取りは内廊下タワマンにありがちな全室リビングイン、かつ、1室が行灯部屋となった3LDK中住戸で、リビングインに抵抗がない方でないと難しい設計にはなるものの、リビングインであるがゆえに効率性が高いというのはメリットになります。

廊下は最低限の長さしかなく、しっかりとした居室畳数を確保しつつも収納を充実させることが出来ているプランですね。

スーペリアの最大天井高は2.55mということで、ミッドの2.65mには及ばないものの、逆梁と順梁の折衷法を採用していることにより窓際(掃き出し窓)の下り天井高はミッドの約2.2mよりも高い2.3mを実現出来ているのも評価出来る点でしょう。

全室リビングインとなったベッドルームのうちどれか1室はウォールドアなどの設えとし、LDとの一体利用がしやすい設計になっていると良かったとは思います。ただ、LDからベッドルーム1にかけては幅のある連窓サッシがあり、スパンの多くを開口部に出来ているあたりも評価出来る点でしょうね。

坪単価は385万円。ミッドの第1期で取り上げたドゥ・トゥールを正面方向に望む南向き中住戸の同27階がほぼ同じ水準で、駅直結か否か、日照面での差もあるとはいえ、こちらは眺望的な魅力が高いことを考えれば”ほぼほぼイーブン”と考えていいように思います(このプランにはトランクルームが付いていないのに対し、ミッドはコンパクトタイプを除き全戸にトランクルーム(専有面積外)が備わっていたのでそこでの差はあります)。

上述のように、”場合によっては高層階になるぐらいの階数の眺望良好なファミリータイプ”が8,000万円台で手が届くというのはこのご時世の都心部では珍しく、まして、駅近ランドマーク物件でもありますので坪単価400万円未満というのはリーズナブルですよね。

ちなみに、50㎡台の2LDKなどは70㎡台の3LDKに比べ単価が高めの設定になっているのもミッドと同様で、パークタワー勝どき全体としてこういった”タワマンらしさも楽しめる中層階中住戸3LDK”が魅力を感じやすい設定になっていると思います。

角住戸を増やせるトライスター形状とは言え、これだけのスケールの物件ともなると中住戸比率は高く、かつ、中住戸の主要面積帯(60㎡台後半~70㎡台前半)のプランでもあります。そのため、相当数を捌く必要があることを考慮するとこういったお値段設定にするのが現実的ではあるものの、三井不動産らしい良心的な設定であることは確かでしょうね。

なお、ミッドの第1期頃からは早いもので1年近くが経過しており、その間に中古市場はとんでもなく値上がりしているので近隣中古成約事例も再度調べてみました。

勝どきザ・タワーが築浅で比較しやすいのですか、ミッド販売開始前の350〜410万円(一般フロア)ほどのレンジに対し、ここ半年ほどは同フロアで380〜440万円ぐらいのレンジになっており、毎月のように述べている中古市場の価格高騰も追い風に明確な価格上昇が確認出来ますね。

中古と新築の価格が逆転することは低層階などにパンダ的な価格設定が必要になることが少なくない大規模物件などではわりとあるケースではあるのですが、駅近で築年的にもそこそこ差のあるサウスの中層階中住戸よりも高いぐらいというのはなかなかに極端なケースですね…。

設備仕様や管理費に関しても正式価格発表後に言及する予定です。

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