クラッシィハウス大手町【高容積率の中、西向き住戸を多く設けたことで実現したワイドスパン】31㎡4,690万円(坪単価502万円)

続けて、クラッシィハウス大手町。

設計はIAO竹田設計、施工は久保工です。

16階建総戸数110戸という数字からはわりと大きなマンションに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、敷地面積は700㎡ほどしかないですし、ここは指定容積率800%(東側道路の向かいは600%であり、内神田アドレスの中でも大通り寄りの”外側”の方が容積率が高くなっています)と非常に高くなっていることにより実現したスケール感とも言え、空地率は約18%と敷地のゆとりは皆無です。

前回の記事でもちらっと述べたように、西向き住戸は細い道路の向かいにビル(目の前が壁)という感じのポジションになるのでもう少しゆとりある配棟を期待したかったという思いはありますが、容積率最大化(利益最大化)を目指すのは当然のことでありこの建築条件・敷地条件ではやむなしでしょうね。容積率の高い商業地域の宿命と言ってもいいぐらいです。

デザイン面では基壇部の列柱が印象的ですし、垂直ラインとグリッドライン、そして中住戸にもダイレクトサッシを設けたことで透明感も高めた中高層部も悪くないでしょう。
エントランス周りのデザインも含め特筆すべき高級感まではないものの、エントランスラウンジは2層吹抜(2層にまたがる大きな窓などがないのは残念)ですし、敷地スケールからすればまずまずです。

前回のクラッシィハウス大手町

公式ホームページ
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お部屋は30㎡超のスタジオ、東向き中住戸です。中層階にあたるお部屋で道路の向かいの前建により視界が塞がれます。ただ、同住友商事による「13階建の大手町Ⅱ計画」のところ以外はこの界隈では比較的低めの建物になっているのでこの階でも圧迫感は強くなく超都心立地としてはけして悪くありません。

間取りは30㎡に乗ったスタジオとしてはゆとりあるタイプになります。
やはり柱の食い込みはあるものの、柱・梁の一部を空中に出した設計になるので(外観上の凹凸もデザイン面のアクセントになっている)、カウンター部分による面積消費は少ないですね。

スタジオタイプでこのような幅のあるダイレクトサッシが備わっていることは稀ですし、キッチンに窓がある点も魅力的ですね。

当物件は前回の記事で書いたように西向き住戸も大々的に設けたことで全体的にワイドスパンのプランを多く設けることが出来ており、西向きのように目の前が壁にならない東向きのワイドスパンプランはこういった都心立地としてはなかなかに贅沢な設計と言えると思います。

坪単価は502万円。以下のように設備面での差はあるものの、同じ東向きの40~50㎡台と大差ない単価設定で、価格高騰するこのご時世としてはリーズナブルな水準です。
周辺再開発が目白押しですし、こういった面積帯だと投資ニーズも少なくなさそうですね。

賃料は、この面積帯のスタジオだと15~16万円といったところで16万円で見ても表面約4.1%にはなってしまうので都心部の平均的な水準に過ぎませんが、以下のように高単価物件にしてはランニングコストが控えめなのは魅力になると思います。

設備仕様面は、ディスポーザーはありませんが(ファミリータイプ3LDKにとっては特に残念)、食洗機、トイレ手洗いカウンター、フィオレストーンの水回り天板、はもちろんのこと、カップボード、廊下・洗面所・トイレ床のタイル貼など単価帯なりのものとなっています(※スタジオタイプはトイレ手洗いカウンターどころか床暖房などもない一方で、プレミアム住戸は挽板フローリング、シーザーストーンの水回り天板などグレード感が上がるなどの差があります)。

管理費は260円/㎡。ディスポーザーはありませんが、いわゆる総戸数100戸超のスケール感まではなく(20~30㎡台がわりと多い)、内廊下ということを考えればリーズナブルでしょう。エレベーターも普通に2基あります。

駐車場は全18台で機械式になりますね。

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