2021年10月の首都圏マンション発売戸数
不動産経済研究所の発表によると10月の首都圏のマンション販売は、
発売戸数2,055戸(前年同月比38.8%減)
1戸あたり価格6,750万円(前年同月比10.1%アップ)
契約率71.4%(前年同月比1.0ポイントアップ)
とのことです。
以下は前月の記事の一部抜粋になります。
「さて次月10月ですが、不動産経済研究所では"3,500戸"ほどを見込んでいます。
秋商戦が本格化する10月ということで「供給物件数」は増えてきているように思いますが、今月の都区部のように引き合いが弱まると期あたり戸数の伸び悩みがありそうですし、ハルミフラッグ(サンビレッジ)、ブリリアタワー浜離宮、ドレッセタワー新綱島、プラウドタワー川口クロスなどの話題性の高い物件は軒並み11月になっていますので、そこまで伸びない可能性の方が高い気がしています。
当初のハルミフラッグの分譲開始前(2019年4~7月あたり)は”ハルミフラッグの販売待ち”の方が多分にいたと思われる低調な市況が続いていたのですが、今月の都区部の低調な契約率なんかを見ていると今回もその影響が出ているかもしれません。」
流石に"3,500戸"は厳しいと思っていましたが、前年同月比38.8%減の2,055戸とは驚きました…。
理由は1つではないのでしょうが、やはり11月に供給されるハルミフラッグはかなり影響を与えていそうな気がしますね。まさに現在登録受付中のサンビレッジの第1期は465戸、シービレッジの第1期は166戸の供給ですのでその価格帯などに惹かれかなり広域からのニーズが集まっているのは明らかでしょう。
契約率自体は7割超ということで無理せず売れる分だけ(要望が入っている分だけ)供給した中での2,055戸だと思うので、そういったハルミフラッグ人気を加味すれば市況が悪いとは思いません(在庫も前月末比で238戸減った5,376戸で、前年10月末の6,466戸よりも大分少ない状況です)。
ただ、今月も価格が強烈ですし、かなり高値警戒感が広がってきているように感じます。
6,750万円は10月としては1973年調査開始以来最高とのことで、バブル期も超える水準です。また、今年の1~10月の平均価格は6,565万円で、1990年の年間最高6,123万円を優に上回っており高値更新が確実視される状況になりますからね。
エリア的に言うとやはり都区部の平均8,455万円(前年同月比11.8%アップ)が目立っており、第1期が行われたザ・パークハウスグラン神山町、パークコート白金長者丸、パークレ・ジェイド白金レジデンスあたりの高単価・高グロス物件の寄与が大きかったように思います。
なお、前月はパークタワー勝どきサウスを除くと都区部の契約率はかなりひどい感じだったのですが、今月は73.7%と戻していますし、それ以外のエリアも7割弱がほとんど(千葉県は約78%)ということでまずまずですね。
また、恒例の億ション比率は約9.9%ということで9月とほぼ同じ水準です。それら低層の高グロス物件の影響で平月の5%前後に比べると大分高くなっておりこのことからもそういった物件が平均価格を押し上げていることが分かります。
お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの10月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,440件(前年同月比-5.4%)
60.49万円/㎡(前年同月比+7.9%)
3,886万円(前年同月比+6.5%)
専有面積64.24㎡(前年同月比-1.4%)
築年数23.13年(前年同月22.30年)
価格が下がって良かった…。
前月9月は62.13万円/㎡というここ半年ほどの60万円を中心とした水準を明確に上抜けしてしまっていたので非常に衝撃的だったのですが、今月は直近で言うと9月の62.13万円、7月の60.71万円に次ぐ水準ということで若干ですが落ち着いた印象になります。
とは言え、成約価格は17か月連続で前年同月比を上回っているわけですが…。
ちなみに、前月9月は新規登録物件の価格が66.53万円/㎡ということで成約価格との乖離が気になる旨述べましたが、今月はなんと…なんと…さらに高い66.84万円/㎡ということで成約価格との乖離は6.35万円/㎡というとんでもない水準に…。
面倒だなと思いつつも過去1年のそれぞれの月の乖離を計算してみたところ、「3.59(2020年10月)、1.89、3.61、1.82、3.74、3.54、4.39、4.77、4.39、4.74、5.18、4.4(2021年9月)」ということで、いかに今月の数字がヤバイかお分かりいただけるのではないでしょうか。
前月の記事でも言及したように、中古においては5%前後の値引きにより成約することはけして珍しくないので登録時の価格と成約価格との間に乖離が生じるのは当然のことながら、10月は総額の1割程度も乖離していますからね…。
昨今に限らず売出物件みているとアホみたいな値段(笑)を付けている物件を見かけることはそう珍しいことではなく「誰が買うのこれ?」的なチャレンジ価格が平均を押し上げている部分もあるにはあるのでしょうが、ここまでの乖離ともなると全体的に強気な設定のものが増えているのは間違いありません。
なお、今月の新規登録数自体は前年同月比1.7%減にとどまっており(今年最も減少幅が小さかったのは4月の6.3%。絶対数でも今年最大)、コロナの落ち着きによりようやく底が見えてきた感もあるのですが、そのような価格高騰(売り時)を理由とした売り出しも一定数ありそうですし、まだまだ需要に見合った供給には至っていないと感じます。
さて次月11月ですが、不動産経済研究所ではやはり3,500戸ほどが見込まれています。
前出のハルミフラッグの第1期の大量供給に加え、ブリリアタワー浜離宮、ドレッセタワー新綱島、プラウドタワー川口クロスといったスケールと話題性のある物件の第1期が行われますので、そこそこの数になるでしょうし、価格高騰(ハルミフラッグの影響が大きいので単価は伸びない)、そして契約率も高い水準になるでしょうね。
発売戸数2,055戸(前年同月比38.8%減)
1戸あたり価格6,750万円(前年同月比10.1%アップ)
契約率71.4%(前年同月比1.0ポイントアップ)
とのことです。
以下は前月の記事の一部抜粋になります。
「さて次月10月ですが、不動産経済研究所では"3,500戸"ほどを見込んでいます。
秋商戦が本格化する10月ということで「供給物件数」は増えてきているように思いますが、今月の都区部のように引き合いが弱まると期あたり戸数の伸び悩みがありそうですし、ハルミフラッグ(サンビレッジ)、ブリリアタワー浜離宮、ドレッセタワー新綱島、プラウドタワー川口クロスなどの話題性の高い物件は軒並み11月になっていますので、そこまで伸びない可能性の方が高い気がしています。
当初のハルミフラッグの分譲開始前(2019年4~7月あたり)は”ハルミフラッグの販売待ち”の方が多分にいたと思われる低調な市況が続いていたのですが、今月の都区部の低調な契約率なんかを見ていると今回もその影響が出ているかもしれません。」
流石に"3,500戸"は厳しいと思っていましたが、前年同月比38.8%減の2,055戸とは驚きました…。
理由は1つではないのでしょうが、やはり11月に供給されるハルミフラッグはかなり影響を与えていそうな気がしますね。まさに現在登録受付中のサンビレッジの第1期は465戸、シービレッジの第1期は166戸の供給ですのでその価格帯などに惹かれかなり広域からのニーズが集まっているのは明らかでしょう。
契約率自体は7割超ということで無理せず売れる分だけ(要望が入っている分だけ)供給した中での2,055戸だと思うので、そういったハルミフラッグ人気を加味すれば市況が悪いとは思いません(在庫も前月末比で238戸減った5,376戸で、前年10月末の6,466戸よりも大分少ない状況です)。
ただ、今月も価格が強烈ですし、かなり高値警戒感が広がってきているように感じます。
6,750万円は10月としては1973年調査開始以来最高とのことで、バブル期も超える水準です。また、今年の1~10月の平均価格は6,565万円で、1990年の年間最高6,123万円を優に上回っており高値更新が確実視される状況になりますからね。
エリア的に言うとやはり都区部の平均8,455万円(前年同月比11.8%アップ)が目立っており、第1期が行われたザ・パークハウスグラン神山町、パークコート白金長者丸、パークレ・ジェイド白金レジデンスあたりの高単価・高グロス物件の寄与が大きかったように思います。
なお、前月はパークタワー勝どきサウスを除くと都区部の契約率はかなりひどい感じだったのですが、今月は73.7%と戻していますし、それ以外のエリアも7割弱がほとんど(千葉県は約78%)ということでまずまずですね。
また、恒例の億ション比率は約9.9%ということで9月とほぼ同じ水準です。それら低層の高グロス物件の影響で平月の5%前後に比べると大分高くなっておりこのことからもそういった物件が平均価格を押し上げていることが分かります。
お次は中古市場を見ていきましょう。
以下はレインズマーケットウォッチの10月の月例速報です。
・中古マンション成約物件(首都圏)
3,440件(前年同月比-5.4%)
60.49万円/㎡(前年同月比+7.9%)
3,886万円(前年同月比+6.5%)
専有面積64.24㎡(前年同月比-1.4%)
築年数23.13年(前年同月22.30年)
価格が下がって良かった…。
前月9月は62.13万円/㎡というここ半年ほどの60万円を中心とした水準を明確に上抜けしてしまっていたので非常に衝撃的だったのですが、今月は直近で言うと9月の62.13万円、7月の60.71万円に次ぐ水準ということで若干ですが落ち着いた印象になります。
とは言え、成約価格は17か月連続で前年同月比を上回っているわけですが…。
ちなみに、前月9月は新規登録物件の価格が66.53万円/㎡ということで成約価格との乖離が気になる旨述べましたが、今月はなんと…なんと…さらに高い66.84万円/㎡ということで成約価格との乖離は6.35万円/㎡というとんでもない水準に…。
面倒だなと思いつつも過去1年のそれぞれの月の乖離を計算してみたところ、「3.59(2020年10月)、1.89、3.61、1.82、3.74、3.54、4.39、4.77、4.39、4.74、5.18、4.4(2021年9月)」ということで、いかに今月の数字がヤバイかお分かりいただけるのではないでしょうか。
前月の記事でも言及したように、中古においては5%前後の値引きにより成約することはけして珍しくないので登録時の価格と成約価格との間に乖離が生じるのは当然のことながら、10月は総額の1割程度も乖離していますからね…。
昨今に限らず売出物件みているとアホみたいな値段(笑)を付けている物件を見かけることはそう珍しいことではなく「誰が買うのこれ?」的なチャレンジ価格が平均を押し上げている部分もあるにはあるのでしょうが、ここまでの乖離ともなると全体的に強気な設定のものが増えているのは間違いありません。
なお、今月の新規登録数自体は前年同月比1.7%減にとどまっており(今年最も減少幅が小さかったのは4月の6.3%。絶対数でも今年最大)、コロナの落ち着きによりようやく底が見えてきた感もあるのですが、そのような価格高騰(売り時)を理由とした売り出しも一定数ありそうですし、まだまだ需要に見合った供給には至っていないと感じます。
さて次月11月ですが、不動産経済研究所ではやはり3,500戸ほどが見込まれています。
前出のハルミフラッグの第1期の大量供給に加え、ブリリアタワー浜離宮、ドレッセタワー新綱島、プラウドタワー川口クロスといったスケールと話題性のある物件の第1期が行われますので、そこそこの数になるでしょうし、価格高騰(ハルミフラッグの影響が大きいので単価は伸びない)、そして契約率も高い水準になるでしょうね。
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