ザ・ヨコハマフロントタワー【豊かな階高×直接基礎の制振構造】36階55㎡10,000万円台(予定)(坪単価約596万円)

続けて、ザ・ヨコハマフロントタワー(横浜駅きた西口鶴屋地区第一種市街地再開発事業)。

設計は松田平田設計・UG都市建築・東急設計コンサルタント設計共同企業体、施工は大林組で、制振構造が採用されています。
一般的な壁内蔵型の制振ダンパーの他、強風時の風揺れを軽減するリニアモーター制御装置が屋上に搭載されているとのことです。
また、やや内側ポジションのためか、湾岸エリアのタワマンに多い杭基礎ではなく直接基礎を採用出来ており安定した地盤であるという点も魅力の1つかもしれません。

マンション部分(13~41階)だけで総戸数459戸(一般販売対象住戸含む)とタワマンの中でもそこそこのスケールがありますし、1~4階には複合施設(スーパー、クリニックその他を予定)、6~12階にはホテル・サービスアパートメントが入る(相鉄系かね?)延床面積約79,300㎡という複合再開発プロジェクトとしてもスケール感のある物件になります。

マンションエントランスが5階にあり、デッキ経由(2階)や地上(1階)からはシャトルエレベーターに乗り5階経由で住戸階に向かうのは前々回の記事で述べた通りで少々億劫ではあるのですが、やはりエレベーターホール~エントランスラウンジ、そしてパーティラウンジ及びキッズスペースに至る共用スペースが4階の屋根部分に設けられたエントランスガーデンとテラスラウンジ(共に屋外空間)に面していることで抜群の空間的な広がりが得られています(エントランスホールが2層吹抜ではないので三次元的にはやや大人しい印象にはなります)。

5階には他にコンシェルジュカウンター、ワークプレイス、フィットネスルーム、ライブラリーサロン(西向きにあり、正面に”お風呂屋さん”ありますけど、こちらの方が高さ的にやや上かね?)、ランドリー、そして39階の東側にはしっかりとベイビューラウンジとゲストスイートが用意されていますし、さらに、42階のグランドスカイコモンズも居住者が眺望が楽しめるように配慮する(詳細は不明で、決定事項ではありません)ことを検討しているようなので、総戸数459戸のタワマンとして悪いものではないでしょう。

そもそも、財閥系大手デベロッパーが関わらない(販売代理としては三井不動産レジデンシャルが入ってはいます)相鉄不動産と東急のJVプロジェクトというあたりに一抹の不安のあった物件です。
しかしながら、13~32階に最も多いのは50㎡台、そして20~30㎡台(最も小さなものは北向き一列の23㎡のワンルームです)もわりとある中でデザイン面(光井純氏率いるjmaが担当しています)も含めこのレベルで頑張っているのはやはり横浜駅のランドマークタワーとしての威厳を保つために他ならないと思いますし、トータルでこの地に恥じない仕上がりになっているように感じますね。
重ね重ね中住戸のサービスバルコニー設計は残念ではありますが…。

当然の内廊下設計ですし、各階ゴミ置場も備わっています。

前回までのザ・ヨコハマフロントタワー

公式ホームページ※まだ公開されておりません。
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お部屋は55㎡の2LDK、西向き中住戸です。前回の記事で書いたように「横浜のタワマン=海眺望」を思い浮かべる方も少なくないはずで、海に背を向ける西向き中住戸にはなってしまうのですが西側は20階を越えるあたりから、奥行抜群のパノラマビューが望めるポジションで富士山好き、夕焼け好きにはたまらないものになるでしょう。

間取りは33~39階では最も小さなもので(東向き中住戸一列と全く同じ面積になります)、上述のように13~32階にはたくさんの50㎡台がある中でも頭1つ抜けたお部屋ということになります。

13~32階とグレードは同じですし(スーペリアグレード。50㎡未満はモデレートグレードということで大分落ちます)、天井高も同じなので、「20階台も同様のパノラマビューが望める西向き」という点ではインパクトが落ちはするものの、前回の記事で書いたように、第1期(一般公開前)に分譲される32階以下は南東角と南西角のみですので、「このタイミングで…」と考える方が少なくないことは容易に想像できます。

しつこくて恐縮ですが、サービスバルコニー設計はやはり残念ですし、スパンのわりに今一つな開口部に拍子抜けするのも事実ですけど、LD・主寝室共に2.7m部分が多い優秀な三次元パフォーマンスを実現したお部屋ですからね(カイザースラブ工法というのを採用し、小梁をなくしているようです)。

坪単価は予定価格で約596万円。そのように第1期で供給しないことを決めている住戸の価格は明らかになっておらず、32階以下は南東角と南西角しか公開されていないので、低層部(13階~)の中住戸の単価がおいくらになるかは不明です。

むろん第1期の反響次第のところもあるとは思いますが、現時点では14階の南西角が最も安い坪単価約536万円になっており、それを前提とするのであれば下の方は坪単価500万円ほどになってもおかしくないでしょう。

20~40㎡台はグレードが落ちるとは言えグロスが嵩まないため単価は50㎡台以上よりも高くなる可能性が高いですし、40~41階の単価は2レベルぐらい上になりますので、平均坪単価としては随分と立派な水準になることが予想されますが、そもそもマンション部分は13階~であり、本来ならば43階建の中ほどとなる20階前後の坪単価(南西角)が580万円程度ですので、実需層でも「ちょっと頑張って手にしたい」と考える方は少なくないでしょうね。

駅徒歩9分で昨年分譲されたオープンレジデンシア横浜台町ですら平均坪単価約380万円で、眺望的な魅力が高いとは言えない7階建での水準になりますので、駅直結徒歩3分の10階台(一般的なマンションならば高層階)が500万円ほどであれば魅力は小さくないはずです。

「横浜なのに海眺望が今一つ(40階前後の東向き除く)」という点はやはり気になるところではあるものの、横浜駅直結徒歩3分というのは本当に特別なものですからね。

管理費は495円/㎡。ディスポーザー、内廊下はもちろんのこと、コンシェルジュサービス、各階ゴミ置場、24時間有人管理ですので、致し方ない水準ではあるでしょう。
目先の指標(?)であるザ・タワー横浜北仲は363円/㎡でしたので高くは感じますが、こちらはスケールメリット的な不利があってのものでしょう。

ちなみに、エレベーターは32階で上下に分かれており、各3基ずつ(他非常用1基)、また、シェラトン・高島屋・ジョイナスとの提携サービスも用意されるようですね(この物件のモデルルームはそもそもシェラトンの宴会場内にあります)。

設備仕様面は、また違うタイミングで詳細を言及しようと思いますが、多くの住戸が該当するスーペリアグレードでも廊下・洗面所・トイレ床のタイル貼、LDビルトインエアコン、全熱交換器型24時間換気を搭載するなど充実しています。一方で、浴室はいわゆる日ポリ化工のものではなく一般的なものでこの単価帯からするとチープな印象です。

駐車場は全134台で、うち平置6台、残りの128台が機械式になります。機械式のうち36台がハイルーフ、40台がセミハイルーフというあたりもまずまずだとは思うのですが、とりあえずノーマルでも月額49,000円、ハイルーフは60,000円ということでとても高いです…。

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