プラウド神楽坂ヒルトップ【なかなかな地下住戸】1階103㎡14,480万円(坪単価466万円)
続けて、プラウド神楽坂ヒルトップ。
設計・施工は鴻池組で、最大の特徴はやはり「床快フル」になるでしょう。
床快フルについては、プラウドタワー亀戸クロスの記事などをご参照いただきたいのですが、全熱交換型換気システムも搭載した住戸全体の空調システム(新マンションエアロテック)で、他ではプラウド文京千駄木ヒルトップ、プラウド高田馬場など近年のプラウドの中でもごくわずかな物件でしか搭載されていないものになります。
当物件はZEH-M Orientedの要件も満たした省エネ性能の高い物件でもあり、超高額物件なりに差別化要素は少なくありません。
また、この物件を語る上で、必須なのがランドプランでしょう。
6フロア構成で、前回の記事でも述べたように建築基準法上は地上5階地下1階建になるのですが、北傾斜の敷地ということもあり、敷地南側グラウンドレベル(地蔵坂)と比べるとその建築基準法上の1階部分ですら半分程度沈んでいます。
そのように北傾斜の地になるので(当物件の北側は東向きと西向きの構成)、北側隣接地のグラウンドレベルとの差は小さくはあるものの、建築基準法上の地下1階にも住戸が設けられており、駅近好立地とは言えどもなかなかに詰め込んだ設計にしたものだなと…。
地下住戸(住宅)は全体床面積の3分の1までは容積不算入になるので、純粋な地下住戸が制限されている世田谷区(メゾネットタイプで1階にまたがるものなら可能)などでなければ可能な限り販売対象面積(住戸面積)を増やすのが王道ではあり、非難すべきことではないのですが、空地率約39%ほどしかない窮屈なランドプランですし、これだけ立派な住戸専有面積と価格帯にするのであれば"詰め込み感をもう少しソフト"にして欲しかったと思わざるを得ません。
建物の南面を凹ませてまで、敷地南面中央にある樹齢250年超の大銀杏(新宿区の保護樹木)をシンボルツリーとして強調し、その周囲をエントランスアプローチとしたあたりは上手いと思うのですが…。
エントランスホールは地上1階(半地下)~2階にかけての2層吹抜になっているのでこの価格帯・スケールの物件なりの見映えがしますし、家具類にB&Bイタリアのものを採用するなど素敵な設えになっています。
ただ、ランドプランにゆとりがないことが影響し、プライベートガーデンのようなゆとりある屋外空間と連動させることは出来ておらず、エントランスホール周りの空間的な広がりが感じにくいあたりは惜しく感じますね。
小規模物件ならばそこまで望むのは酷ですけど、敷地面積2,800㎡超というそれなりのスケールを有した物件ですからね。
外観デザインに関しては、前回の記事で取り上げた住戸の南面は腰高窓である一方で、”窓ではない逆梁部分”の外側にガラスを張り付けたことでガラス面が豊かですし、要所のコンクリ打放しや繊細なデザインの格子手摺など高額物件なりの印象ではあります。
前回のプラウド神楽坂ヒルトップ。
公式ホームページ

お部屋は103㎡の3LDK、北東角住戸です。建築基準法上の地下1階住戸で、南側道路から半分程度沈んだエントランスフロア(1階)よりもさらに1つ下の階になります。
そのように周辺は北傾斜となっており北側隣接地は標高で10m弱低いので、北側に関してはこの階でも普通の1階か少し高いぐらいの感覚になるでしょうか。しかしながら、東側隣接地は普通に敷地南側(地蔵坂)と同じぐらいのグラウンドレベル(この物件を作るにあたり掘り下げたことで差が大きくなっている)になりますので東面に関しては、1.5フロア近く埋まった感のあるポジションになりますね。
間取りはこんなポジション(語弊があるかもしれませんが…)でも100㎡超としているあたりにむしろ凄み(?)を感じたりもするわけで、もぐら感があるからこそ間取りで頑張っているのかと思いきやそうではないのもまた凄いですね。もう何を言っているのか分からん(汗)。
北面はそのように地下感がなく、廊下に窓があるあたりは採光的に大きな意味があると思います。
ただ、この位置であれば東面に大きめのテラスを設けるなどといった離隔を考慮した取り組みがあって欲しかったですし、そういった点も含めランドプランが窮屈過ぎると感じますよね(隣地境界との距離はそれなりにはあるのですが、そのように高低差が大きく崩落などが起こらないように設計したためテラス空間を設ける余裕がなかったということでしょう)。
100㎡超なので手狭感はありませんが、柱の食い込みによる顕著な面積消費も嬉しくないですね。
坪単価は466万円。物件内では安い方ですし、”100㎡超プレミアム”を加味するのであれば控えめという見方も出来なくはないです。
とは言え、やはり定借約60年物件ですし、この位置(地下住戸)では”いわゆる100㎡超プレミアム(※特別なポジションだからこそ100㎡超という特別な面積帯が用意されていてその分価格が高くなる)”は考慮すべきではないと思うので、ニーズとのズレ(?)のようなものを感じずにはいられません。
幸い(?)にも神楽坂界隈には定借物件が多く、残期間が23年ほどしかない神楽坂アインスタワーの直近成約単価が350~360万円台(3件。当初から約50年と短い上、2003年築で定借物件の歴史が短い我が国ではかなり残存期間が短い事例(※)になります)、サンクタス神楽坂が約430万円(1件。残期間約60年)、パークコート神楽坂が400万円台後半(2件。残期間約61年)といった感じで、地下住戸とは言えども残期間が超短い神楽坂アインスタワーあたりと比べるとそんなに高くない気もしてきますが…。
ちなみに、残期間が短い定借物件がどのぐらいの水準で取引されているか気になる方は少なくないと思うので、好立地のものを中心に直近の事例を調べてみました。
広尾ガーデンフォレスト⇒残期間約42年。直近の中古成約単価は500万円台中心で条件の良いものだと600万円台も
銀座タワー⇒残期間約32年。直近の成約単価は200万円台~400万円台までかなりバラつきがあります。単価が伸びていないのは地代が高いことも影響しているはず
パークコート神宮前⇒残期間約40年。直近の成約単価は300万円台に満遍なくという感じだが、500万円台もあるにはある。銀座タワー同様に高額な地代が単価を抑えている
パークホームズ南麻布ザ・レジデンス⇒残期間約43年。直近の成約単価は300万円台後半がほとんどで高いものだと400万円ちょっと
といった感じで、地代の安い神楽坂アインスタワーもしかりで地代の多寡が価格に与える影響がかなり大きく感じますね。そのように地代次第のところがありますが、少々残期間が短ろうが貴重な立地・貴重な物件であればしっかりとした価格帯で取引されていると感じます(賃貸で住む感覚に近そうですね)。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、クララストーンのキッチン天板、タイル貼の廊下、タイル仕上げの浴室、玄関電気錠など単価帯なりの充実したものです。ただ、やはり一番の特長は床快フル(全熱交換型換気)でしょうね。
管理費は492円/㎡。ディスポーザー付の内廊下(超高額物件らしく素敵なデザインです)な上、総戸数75戸の物件ながら各階ゴミ置場が備わっていることでかなり高くなっています。前回の記事で書いたように、248円/㎡(2年目以降地代・解体準備金・地代事務管理費)もかかってくるので(もちろん修繕積立金もあります)、ランニングコストがえらいことになっていますね。
2~3億のお部屋を購入される方にとっては大した負担ではないのかもしれませんが、60~70㎡台の現実的なお部屋を検討される方にとってはこのランニングコストは重くのしかかってくることでしょう。
そういう意味でも60~70㎡台と150㎡超(1戸や2戸ではない)を共存させた上で各階ゴミ置場(ランニングコストのかかる設備。地代のかかる定借ならば尚更)を設けるという提案はどうなのかなとも思いますね。
駐車場は全26台で機械式になります。
設計・施工は鴻池組で、最大の特徴はやはり「床快フル」になるでしょう。
床快フルについては、プラウドタワー亀戸クロスの記事などをご参照いただきたいのですが、全熱交換型換気システムも搭載した住戸全体の空調システム(新マンションエアロテック)で、他ではプラウド文京千駄木ヒルトップ、プラウド高田馬場など近年のプラウドの中でもごくわずかな物件でしか搭載されていないものになります。
当物件はZEH-M Orientedの要件も満たした省エネ性能の高い物件でもあり、超高額物件なりに差別化要素は少なくありません。
また、この物件を語る上で、必須なのがランドプランでしょう。
6フロア構成で、前回の記事でも述べたように建築基準法上は地上5階地下1階建になるのですが、北傾斜の敷地ということもあり、敷地南側グラウンドレベル(地蔵坂)と比べるとその建築基準法上の1階部分ですら半分程度沈んでいます。
そのように北傾斜の地になるので(当物件の北側は東向きと西向きの構成)、北側隣接地のグラウンドレベルとの差は小さくはあるものの、建築基準法上の地下1階にも住戸が設けられており、駅近好立地とは言えどもなかなかに詰め込んだ設計にしたものだなと…。
地下住戸(住宅)は全体床面積の3分の1までは容積不算入になるので、純粋な地下住戸が制限されている世田谷区(メゾネットタイプで1階にまたがるものなら可能)などでなければ可能な限り販売対象面積(住戸面積)を増やすのが王道ではあり、非難すべきことではないのですが、空地率約39%ほどしかない窮屈なランドプランですし、これだけ立派な住戸専有面積と価格帯にするのであれば"詰め込み感をもう少しソフト"にして欲しかったと思わざるを得ません。
建物の南面を凹ませてまで、敷地南面中央にある樹齢250年超の大銀杏(新宿区の保護樹木)をシンボルツリーとして強調し、その周囲をエントランスアプローチとしたあたりは上手いと思うのですが…。
エントランスホールは地上1階(半地下)~2階にかけての2層吹抜になっているのでこの価格帯・スケールの物件なりの見映えがしますし、家具類にB&Bイタリアのものを採用するなど素敵な設えになっています。
ただ、ランドプランにゆとりがないことが影響し、プライベートガーデンのようなゆとりある屋外空間と連動させることは出来ておらず、エントランスホール周りの空間的な広がりが感じにくいあたりは惜しく感じますね。
小規模物件ならばそこまで望むのは酷ですけど、敷地面積2,800㎡超というそれなりのスケールを有した物件ですからね。
外観デザインに関しては、前回の記事で取り上げた住戸の南面は腰高窓である一方で、”窓ではない逆梁部分”の外側にガラスを張り付けたことでガラス面が豊かですし、要所のコンクリ打放しや繊細なデザインの格子手摺など高額物件なりの印象ではあります。
前回のプラウド神楽坂ヒルトップ。
公式ホームページ

お部屋は103㎡の3LDK、北東角住戸です。建築基準法上の地下1階住戸で、南側道路から半分程度沈んだエントランスフロア(1階)よりもさらに1つ下の階になります。
そのように周辺は北傾斜となっており北側隣接地は標高で10m弱低いので、北側に関してはこの階でも普通の1階か少し高いぐらいの感覚になるでしょうか。しかしながら、東側隣接地は普通に敷地南側(地蔵坂)と同じぐらいのグラウンドレベル(この物件を作るにあたり掘り下げたことで差が大きくなっている)になりますので東面に関しては、1.5フロア近く埋まった感のあるポジションになりますね。
間取りはこんなポジション(語弊があるかもしれませんが…)でも100㎡超としているあたりにむしろ凄み(?)を感じたりもするわけで、もぐら感があるからこそ間取りで頑張っているのかと思いきやそうではないのもまた凄いですね。もう何を言っているのか分からん(汗)。
北面はそのように地下感がなく、廊下に窓があるあたりは採光的に大きな意味があると思います。
ただ、この位置であれば東面に大きめのテラスを設けるなどといった離隔を考慮した取り組みがあって欲しかったですし、そういった点も含めランドプランが窮屈過ぎると感じますよね(隣地境界との距離はそれなりにはあるのですが、そのように高低差が大きく崩落などが起こらないように設計したためテラス空間を設ける余裕がなかったということでしょう)。
100㎡超なので手狭感はありませんが、柱の食い込みによる顕著な面積消費も嬉しくないですね。
坪単価は466万円。物件内では安い方ですし、”100㎡超プレミアム”を加味するのであれば控えめという見方も出来なくはないです。
とは言え、やはり定借約60年物件ですし、この位置(地下住戸)では”いわゆる100㎡超プレミアム(※特別なポジションだからこそ100㎡超という特別な面積帯が用意されていてその分価格が高くなる)”は考慮すべきではないと思うので、ニーズとのズレ(?)のようなものを感じずにはいられません。
幸い(?)にも神楽坂界隈には定借物件が多く、残期間が23年ほどしかない神楽坂アインスタワーの直近成約単価が350~360万円台(3件。当初から約50年と短い上、2003年築で定借物件の歴史が短い我が国ではかなり残存期間が短い事例(※)になります)、サンクタス神楽坂が約430万円(1件。残期間約60年)、パークコート神楽坂が400万円台後半(2件。残期間約61年)といった感じで、地下住戸とは言えども残期間が超短い神楽坂アインスタワーあたりと比べるとそんなに高くない気もしてきますが…。
ちなみに、残期間が短い定借物件がどのぐらいの水準で取引されているか気になる方は少なくないと思うので、好立地のものを中心に直近の事例を調べてみました。
広尾ガーデンフォレスト⇒残期間約42年。直近の中古成約単価は500万円台中心で条件の良いものだと600万円台も
銀座タワー⇒残期間約32年。直近の成約単価は200万円台~400万円台までかなりバラつきがあります。単価が伸びていないのは地代が高いことも影響しているはず
パークコート神宮前⇒残期間約40年。直近の成約単価は300万円台に満遍なくという感じだが、500万円台もあるにはある。銀座タワー同様に高額な地代が単価を抑えている
パークホームズ南麻布ザ・レジデンス⇒残期間約43年。直近の成約単価は300万円台後半がほとんどで高いものだと400万円ちょっと
といった感じで、地代の安い神楽坂アインスタワーもしかりで地代の多寡が価格に与える影響がかなり大きく感じますね。そのように地代次第のところがありますが、少々残期間が短ろうが貴重な立地・貴重な物件であればしっかりとした価格帯で取引されていると感じます(賃貸で住む感覚に近そうですね)。
設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、ミストサウナ、トイレ手洗いカウンターはもちろんのこと、クララストーンのキッチン天板、タイル貼の廊下、タイル仕上げの浴室、玄関電気錠など単価帯なりの充実したものです。ただ、やはり一番の特長は床快フル(全熱交換型換気)でしょうね。
管理費は492円/㎡。ディスポーザー付の内廊下(超高額物件らしく素敵なデザインです)な上、総戸数75戸の物件ながら各階ゴミ置場が備わっていることでかなり高くなっています。前回の記事で書いたように、248円/㎡(2年目以降地代・解体準備金・地代事務管理費)もかかってくるので(もちろん修繕積立金もあります)、ランニングコストがえらいことになっていますね。
2~3億のお部屋を購入される方にとっては大した負担ではないのかもしれませんが、60~70㎡台の現実的なお部屋を検討される方にとってはこのランニングコストは重くのしかかってくることでしょう。
そういう意味でも60~70㎡台と150㎡超(1戸や2戸ではない)を共存させた上で各階ゴミ置場(ランニングコストのかかる設備。地代のかかる定借ならば尚更)を設けるという提案はどうなのかなとも思いますね。
駐車場は全26台で機械式になります。