プレミスト王子神谷【「ガーデンズコンプレックス」だけど良いものは良いのです】3階70㎡6,138万円(坪単価289万円)

続けて、プレミスト王子神谷。

設計・施工はこういったスケール・階建のマンションを十八番とする長谷工で直床になります。

外観デザインは、野村プラウドや三井パークホームズなどとの共通点も窺えるガラス手摺中心の爽やかなものです。
特別高級感を覚えることはないものの、前回取り上げた駅方向からの顔となる南角のコーナーサッシも良いアクセントになっていますし、北西面(共用廊下側)も神谷堀公園からよく見えてしまう物件ということもあってか共用廊下側にもガラス手摺を採用している点でも好感が持てます。

最大の特長と言っても過言でないのが空地率約62%の豊かなランドプランですね。

空地のほとんどは全110台の平置駐車場で消費されており、豊かなガーデンなどのような屋外空間はありません(敷地外周部及び敷地北東部の一部などに植栽があるぐらい)。
しかしながら、駐車場の先に広大な神谷堀公園があり、”この公園隣接ならばこのランドプランでOK”と感じさせてくれるだけのスケールと景観が神谷堀公園にはありますね。

維持・修繕費がほとんどかかることのない全台平置駐車場と出来たこともあってか、ディスポーザー付ながらも167円/㎡というリーズナブルな管理費を実現出来ていますし、そういったカーライクなプロジェクトなりに円形の車寄せをしっかりと設けているあたりも当物件が上手いと感じる点になります。

また、屋内共用施設は総戸数なりに充実しています。
キッズルーム、パーティールーム、ワーキングルームが仕切りなしで隣接しており、可動間仕切りにより用途や使用人数に合わせた柔軟な使い方が可能になっています。

エントランスは2層吹抜となった二次元的にも三次元的にも広がりのある空間で、波のような間接照明が印象的な天井部、また、階段を数段上るエントランスアプローチ周りのデザインもかなり素敵ですね。

エントランス周りの基壇部は特に質感のある壁面タイルが採用されていますし、軒裏が木目調となった水平ラインを強調した大庇のデザインも格好良いですね。このエントランスが駅から最も近い南端、王子五丁目公園の真向かいにあるって凄いことだと思います(敷地と駅の位置関係や敷地形状などによりなかなかここまで上手くいくことはないのですが、この物件は両サイドが公園ですし、こういった点でも優位な立場にあるのです)。

前回のプレミスト王子神谷

公式ホームページ
SnapCrab_NoName_2021-12-8_9-33-39_No-00.png
お部屋は70㎡の3LDK、南東向き中住戸です。南東面の間口が非常に長い敷地形状で南東向きの棟は1フロア20戸近い板状設計になるのですが、このプランはその中で南寄り(南西向きの棟に近い方)に位置しており、このお部屋の南東正面方向は道路の向かいに3階建の雲母保育園があります。その先には12階建の都営アパートがあり、低層階だと日照が遮られる季節・時間帯もあるようには思いますが、南方向は王子五丁目公園もありますし、けして悪いポジションではないですね。

間取りはギリギリながらも70㎡に乗せた一般的な大きさの3LDKで、居室配置も一般的な田の字タイプになるのですが、前回の記事でも述べたようにザ・ガーデンズ東京王子へのコンプレックスを感じずにはいられない順梁2.2mハイサッシ×玄関窓が魅力的でしょう(ちなみに、直床もガーデンズとの共通点です)。

当物件は玄関の片側を必ず窪ませたことで中住戸でもこのような玄関のサイドに窓を設けることが出来ており(柱のアウトフレームもガーデンズ同様)、明るく気持ちの良い玄関が実現しています。

一方で、玄関自体は凸位置にありますので、ドアを開けた状態だと共用廊下の人の通行を邪魔しますし、玄関両サイドを窪ませたクランクイン設計に出来ているとさらに良かったとも思うものの、ここ2~3年は建築コストの高騰などが影響してかザ・ガーデンズ東京王子の頃(4~5年前)と比べ"玄関窓やハイサッシなどに代表される玄関周り・サッシ周りのひと工夫"を見かけることが少なくなったと感じていたので、こういった試みを見ると嬉しくなりますね。

玄関がちょっと凸なことで玄関下足スペースに奥行を出せているのも良い材料ではあるでしょう。
LDだけでサッシ2枚半分ありますし、「ウォールドア×連窓サッシ」設計もやっぱり良いですね。

坪単価は289万円。1階などにはハザード色付きの影響も加味されてか坪単価280万円弱のものも見られますが、低層階中住戸なりに物件内での下限に近い水準です。
平均では300万円を少し超えるぐらいになると思うので、そことの差はそこまで大きくはありませんが、全戸良好な南東・南西向きとなった物件で、一般的な物件と比較した場合、低層階でも平均的かそれ以上の日照・視界条件になりますので、この単価はこのご時世なりに現実的な方だと思います。

駅徒歩2分×パークサイドはもちろんのこと、上述のように設計面での頑張りも窺える物件ですからね。

設備仕様面は、ディスポーザー、食洗機、フィオレストーンのキッチン天板、トイレはキャビネット型、さらにバルコニーにスロップシンクと単価帯なりに充実しています。リビング扉に通風スリットが付いているのも魅力の1つですね。

管理費は167円/㎡。外廊下ですが、ディスポーザー付での水準なので上述のように全台平置駐車場とスケールメリットが効いていると感じます。

駐車場は全110台で全て平置になります。設置率は約48%と近年の駅近物件としてはかなり設置率が高いため、平置駐車場目的ご家庭が多く集まらない限りは埋まらないように思いますが、平置なので少々空きが多くなろうと維持管理コストの心配もいらないでしょう。

0 Comments



Post a comment